太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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プリンセス・アイリアからセーラーソルへと変身した私は銀河を越え
親しみ慣れた月へと到着した
しかし記憶にある面影はどこにもなかった
想像以上だ…
あの神々しく輝いていたシルバーミレニアムが禍々しいものに覆われている
人々が悲鳴を上げ
剣を振り回しお互いを傷つけあう
こんな、こんなことが起こるなんて─!
「ソル様、辛いですが気をしっかりとお持ちください!」
ヘリオスが私の呆然とする姿を見かねて声をかけてきた
そうだ、絶望に浸っている場合じゃない
一刻も早くセレニティとクイーンを探さないと!
私は自分を奮い立たせ地面を蹴り戦禍の中へと進む
途中剣を持ち自分に向かって来る者がいた
相手は人間、どうしたら…
「ソル様!なにをしているのですか!ここでためらったら前に進めません!
なんの為に月まで来たのですか!!ご自分の目的を忘れたのですか─!?」
「─分かってる!!分かってるよ、ヘリオス…」
ここで手を抜いたら後でまた誰かが犠牲になるかもしれない
涙は今いらない
目を閉じれば言葉が浮かび私はスペルを唱える
「──シャイニング・アロー!!!」
私の放った攻撃は光輝く何本もの矢
広範囲に攻撃放たれる
あたった者達が地面へと倒れていく
「─っ!さあ行きましょう!!」
走る、走る
自分の犯したことから逃げるように
セレニティはどこ!?
あの子だけでも助けたい!
どれくらい走っただろう
いつもだったらセレニティがもつ輝きを感じられるのに
今はこの星に巣食う黒い影がそれを阻む
「…ヘリオス上空から確認して」
「かしこまりました」
ヘリオスが空へと高度を上げていくのを確認して再び周りを見渡す
どこもかしこも同じもの
クイーンが常にいた部屋も確認したがもぬけの殻だった
どこかに避難したのだろうか
セーラー戦士も傍に控えているはず
易々とやられたりはしないだろうが─
「──あなたは誰!」
警戒心むき出しの声がしてそちらを見れば
「っルナ!」
セレニティの側近のルナが威嚇していた
「なぜ私を知っているの!」
「私よ、太陽のアイリアよ!」
ここでルナに疑われたらどうしようもない
必死に自分のことを説明する
「プリンセス・アイリア?確かに同じエナジーを感じるけど…」
「クイーンに戦士の名をもらったの。今はセーラーソルよ」
ようやくわかってもらえたのか
先ほどの警戒は解けてルナは私に状況を説明し始めた
よくよく見ればルナの体もボロボロだった
「プリンセス・アイリア、セレニティが私のプリンセスがいないのです!!!」
「─どういうこと!?セーラー戦士は傍についているんでしょ!?」
「そのはずなんですが全くプリンセスの気配を感じないのです!
地球の者が攻めてきたときプリンス・エンディミオンがセレニティを庇い戦士と共に姿を消しました。とにかくセレニティを守らなければいけません。安全な場所へと連れて行ったはずだったのに何処にもいないのです!!」
そういうとルナは目に涙を浮かべて私を見上げた
真っ先にセレニティを保護しなければいけないのに状況がつかめていないとなると
セレニティはまだどこかにいるはず
一刻も早く見つけないと!
「わかったわ、ルナ。私もできる限りセレニティのエナジーを追うわ。あなたも諦めないで」
「はい、もちろんです!!」
私たちの話がいったん終話へと入ったとき
上空からセレニティを探していたヘリオスが戻った
「ソル様!向こうの方にセレニティ様がいました!」
「─っ!案内してちょうだい!」
「はいっ!」
再び地面を蹴りあげる
先ほどよりも強く、力強く!
身に受ける風は月にある澄んだものでは無く
まとわり付くような重いものだった
そして私の後ろをルナが追ってくる
セレニティ、無事でいて!
私があなたを守るから!
突きつけられる剣に構っている余裕はない
少しくらい傷ついても構わない
目の前に立ちはだかる障害を振り払い私達は走り続ける