太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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太陽の王国
その使命は
銀河を見守り、導く
いつか私もこの銀河を…
ここは銀河を照らす星、─太陽
太陽には星を納めるキングとクイーン、そして二人の娘プリンセスと使用人たちが住まう宮殿がある
宮殿の周りには青々とした草原が広がり、花が咲き乱れ、生きとし生けるものが己の輝きを放っている
そんな宮殿の廊下を桃色の柔らかいドレスを翻した少女が目的の場所へと歩を進めていた
少女の名は アイリア
この太陽王国を治めるキングとクイーンの一人娘にして次期太陽を治めるプリンセス
膝まであるオレンジ色の髪をゆるく三つ編でひとつにして体の右前に垂らしている
髪を留めているのはお気に入りの白いリボン
前髪は丁度眉毛の上あたりで切りそろえられている
現在、目的地までの長い道のりを少し険しい顔つきで目指しているが、
本来は母親似の優しい顔立ちをしている
柔らかい髪質は父親に似ている
アイリアは目的の部屋の扉に着くと
扉の前にいた使用人が中にいるクイーンに声をかけ
重く、大きな扉を開けた
「お母様お呼びですか?」
部屋の中央まで進み軽くドレスを持ち上げたアイリアは母であるクイーンにそう尋ねた
優しい表情で娘の姿をとらえたクイーンはアイリアにある相談をし始めた
「アイリア、次に行く星ですが─」
「待ってくださいお母様、気がお早いのでは?」
アイリアはプリンセスの修行のために他の星に留学する日々を送っていた。
今回も1年の留学を終え戻ったばかりだ
「あら、あなたはこの太陽を継ぐプリンセスでしょ?」
「そうではなくて、私もいつかお母様の後を継いでこの星を立派に治めたいと思っています。
その為に他の星に行って学ぶことに異論はありません」
「だから─」
「だからといって帰ってきて7日しか経っていないのにもう次の星の話ですか?
帰っては次、帰っては次…
私はお母様ともっと過ごしていたいのに…」
クイーンは娘の少し寂しそうな様子を見て声を柔らかくして続けた
「そうね、私もアイリアともっとゆっくり過ごしたいと思っていますよ」
アイリアはクイーンに自分の言わんとしていることが伝わったと思ったが、
「でも、もう行くって返事をしてしまったんですもの♪」
「お母様…」
そう、クイーンは何事もすぐに決めてしまう
統治者として決断力はあると思うが振り回されるこっちの身にもなってほしい
──あれは帰ってきてすぐのこと
新しいドレスを作ると言って採寸、色選び、デザイン、飾りに使うリボンから宝石まで
ありとあらゆることまで聞かれ既にお疲れモードだ
そんなことを思い出していた時
「次に行ってもらうのはキンモク星という星です」
「キンモク星・・?」
(聞いたことがない名前・・・)
アイリアの中では未知なる星の想像でいっぱいになっていた
「花が咲き乱れる美しい星ですよ。あちらのプリンセスにはもう話を通していますので。
出立は5日後です」
「そんなに急なのですか!?」
「お母様の思いついたらの行動はいつものことじゃないか」
クイーンの横にはキングである父親が笑って・・・いや、苦笑していた。
「お父様、そうですが・・」
「かわいい子には旅をさせろというじゃないか」
「そうですよ。アイリアは私たちのかわいいプリンセスですもの」
(なんかうまく丸め込まれた気がする・・・)
「…分かりました。5日後キンモク星へ参ります」
「短い時間ですがそれまではゆっくり過ごしなさい」
「はい、お母様」
アイリアは二人にあいさつをして自室へと戻った
娘の姿を見送った二人は
「いいのか、お前もアイリアとゆっくり過ごしたいんじゃないのか?」
「いいのです。あの子にはもっといろいろ学んでこの太陽を、銀河を導いてもらわないといけないのですから」
明るいような、悲しいようなそんな二人の声が響いた
「は~お母様はいつも突然なんだから…」
自室に向かっていたアイリアはのんびりしようと庭に下りていた
「そんなに膨れてどうしたのかな、僕のプリンセス」
「せっかく会いに来たのに」
「ウラヌス、ネプチューン!!」
掛けられた声に振り向くとそこには
天王星を守護に持つセーラーウラヌスと海王星を守護に持つセーラーネプチューンが立っていた
「やぁ、久しぶりだね。いったいの何があったのかな?」
この二人は太陽を外敵から守る使命を持っていた
最近は月の王国の守護も兼務しているため中々会う機会がない
特にアイリアが留学をしてから時折会える貴重な時間も必然的に減っていた
「聞いてよ!ついこの間帰って来たばかりなのにお母様ったらもう次の修行に行けっておっしゃるのよ」
「あら、それでプリンセスはお冠なのね」
ネプチューンは妹をなだめるように優しく微笑んだ
「だって…」
「仕方ないさ、僕だってプリンセスとしばらく会えないのは寂しいけど今より素敵なレディになって戻ってきてくれると信じて待っているから」
「クイーンだってそんなプリンセスの姿を期待して耐えていらっしゃるんじゃないかしら?─少し早急な気もするけれど…」
「っ!でしょ!!」
「ネプチューン…」
「あら、ごめんなさい、気にしないで」
「気にしないでって・・」
ウラヌスも大切にしているプリンセスとしばらく会えなくなると思うと寂しい気持ちになるがそう言ってもいられない
「出発はいつなんだい?」
「5日後よ」
「5日か─」
ウラヌスはアイリアの前に跪いていたずら顔で見上げた
「ではそれまでプリンセスのお相手をさせていただいても?」
「ええ、よくってよww」
「あら、私のまねかしら?」
「さぁ、どうかしら?」
アイリアの優しく微笑んだ姿にあったかい気持ちになる二人だった
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