太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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磨かれた長い廊下を
桃色のドレスを身にまとった少女が
目的地に向かって歩を進める
少女が目的の部屋の前につくと扉の前に控えていた使用人が中に声をかける
扉が開かれ中に通される
「──ただいま戻りました。お父様、お母様」
少女の名はアイリア
この星のプリンセスである
アイリアは寄り添ううように並んでいる二人の人物に帰還のあいさつをした
優しく微笑みながら見守っている二人はアイリアの父と母であるキングとクイーン
二人は娘の帰還を心待ちにしていた
「お帰りなさい、アイリア」
「無事でなによりだ。どうだったキンモク星は?」
──帰って来たんだ、自分の星に
二人の顔を見るといつもそう思う
「─とても素敵な星でした」
─────────────
今回も帰ってきて早々にまた留学の話があるものかと思ったら
『今まで頑張ったのだから少しお休みしましょう。
当分は太陽でお勉強ですよ』
と言うものだからなんだか拍子抜け…
でもこれで当分お母様に就いていろいろ教えてもらえるわ!!
でもその前に、ちょっと休憩…
アイリアは自室のベッドに座り込んだ
ここ何年か留学する日々が続いたので自分の部屋というのもなんだか懐かしい…
部屋を見渡すとチェストの上に置かれた物が目についた
そこには今までに行った星の思い出を置いている
ドライフラワーの樹脂漬けや珍しいクマ型の砂がつまった瓶、
そしてずっと回り続ける風車…
──これ、本当にずっと回ってるんだ…
風を操る星でもらったけど、ほんとうにどうなっているんだろう?
キンモク星から持ち帰った荷物をほどきにかかる
ふわり、と鼻をかすめるあの星の匂いが漂う
割れないようにと何重にもくるんだ一つの瓶
一枚一枚はずしていくと顔をのぞかせたオレンジ色
キンモク星で作った香水
やさしいあの星にピッタリな匂い
思い出す人々の笑顔
「素敵な星だったな…」
そっと香水瓶をチェストの上に置く
チェストの上は思い出でいっぱいだが今回は思い出で終わらせる気はない
「待っててね星野、きっとまた会いに行くわ──」