太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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ファイターの部屋から戻った火球たちは執務室に集まっていた
「プリンセス、よろしいんですか?ファイターは─」
「わかっていますよ。でも私はあなた達に戦士以外の幸せを見つけてほしいのです」
火球は窓辺に近づき夕日を浴びた
「戦士以外の幸せは私には考えられません!あなたを守ることが私たちの幸せなのです」
ヒーラーが思いのたけを火球に伝えた
「あなた達が日々私を大切にしてくれるのは本当に感謝しています。でもいつかきっと私以外の幸せが見つかるはずです。ファイターは今まさにその幸せが訪れているのです。それを大切にして欲しいのです。」
「プリンセス…」
メイカーもヒーラーもプリンセスがそんなことを考えていたとはつゆにも思わなかった
自分たちに戦士以外の幸せが訪れるのだろうか
そんなことをぼんやりと考える二人だった
*******************
事件から5日後
ファイターの怪我もすっかりよくなり皆でバルコニーでのお茶会を楽しんでいた
この国自慢のキンモクセイの紅茶の香り酔いしれているとき火球が思い出したように言った
「えっ?パーティー?」
「ええ、キンモク星中の花が輝く花祭りの日なんですよ」
「それって特にキンモクセイが光り輝くっていうあれ?」
アイリアは以前読んだ本にそんな事が書かれていたのを思い出した
「ええ、そうですよ。よく知っていましたね」
火球も嬉しそうに微笑み紅茶に口をつけた
「その日は国中が光を放つ花々に祈りを捧げる国の行事なんですよ」
メイカーは器用にお茶の準備をしながら授業のように祭りについてアイリアに教えた
アイリアが真剣に聞くものだから話がすでに祭り以外の歴史中心の話になっている
他の三人はすでに呆れた様子だ
そこでヒーラーが口をはさんだ
「おほん、そこでアイリアにも参加してもらって楽しんでもらいたいのよ」
「…私も参加していいの?」
歴史の話が深まりかけたが
自分も参加していいと言われたところで現実に戻ってきた
「もちろんよ!アイリアにこの星のこともっと好きになってもらいたいし、今までの…お詫びもこめて…」
ファイターは少々歯切れが悪く言った
「お詫びって何の…?」
「ふふっ、この星に来て三人がアイリアに対して冷たくしたお詫びだそうよ」
理由を聞いてアイリアはポカンとした
「そうなの?気にしてないのに─」
首をかしげる仕草に一同笑みがこぼれるが、
「あなたが気にしなくて私が気にするの!わかったら大人しく参加しなさい!」
「素直じゃないですね、ヒーラーは」
「うるさいわよ、メイカー」
ヒーラーのツンデレぶりにメイカーがお約束の一言を投げかけた
「ほんと素直じゃないわね」
「ほんとだねー」
「ファイターもアイリアも黙ってよ!」
「でもそんなヒーラーも素敵ですよ」
「プリンセスまで─////」
火球に言われては反論のしようがないと諦めたのか
ヒーラーが少し頬を赤くして大人しくなった
私は内心
(おー流石火球…ヒーラーの扱いにも慣れてるのね…借りてきた猫みたいに大人しくなっちゃった!なんかヒーラーの扱いがうまくなる本とか作ってほしいな…)
とヒーラーに対して失礼なことを考えいた
「そうと決まれば、アイリアには素敵なドレスを選んであげないといけないですね」
いきなり火がついたように火球が顔を輝かせて私に迫って来た
「私このままでいいよ?」
「いいえ、せっかくパーティーですもの選ばせてください」
火球って意外に押しが強いんだね;;
勢いはが止まりそうにないのでお願いすることにした
衣装選びの為にと火球はアイリアを一足先に部屋行くように伝えた
それを見届けファイター達は仕事に戻ろうと思ったが
「当日は三人も変身を解いて参加してくだいね」
と火球の声で三人は
「「「えっ?」」」
と固まった
「特にファイターはアイリアをエスコートしてもらうのでしっかりしてくださいね」
ニコニコ顔の火球には『ノーとは言わせませんよ。』という雰囲気が漂っている
最初の言葉で固まっていたファイターだが、特に自分にしっかりするようにとはどういうことか…
「あなたの気持ちずっと隠しておくつもりですか?」
「─っ気付いていたんですか?」
あれで隠しているつもりだったのか、と三人は心の中でつぶやいた
「アイリアは太陽のプリンセスですが私は二人には幸せになってもらいたいのです。まだアイリアの気持ちは分かりませんが何も言わずに終わらせてしまうのはきっと後悔しますよ」
ファイターはグッと手を握りうつむいた
プリンセスの言いたいことは分かる
自分もアイリアに想いを伝えてしまっていいものかずっと悩んでいた
自分はセーラー戦士、相手は太陽王国のプリンセス
身分違いにも程がある
しかしプリンセスは自分の背中を押してくれている
見守ってくれる仲間もいる
この気持ちを伝えてもいいのだろうか
「もう、ぐずぐず考えてないで行動するのがファイターでしょ」
「そうですよ、だめでもちゃんと慰めてあげますから」
私の姿に見かねて二人も声をかけてくれるけど
「ヒーラー、メイカー…応援してくれてるのよね?」
「応援じゃなかったらなんだっていうのよ…」
不器用なヒーラーに
いつでも胸くらい貸してくれそうなメイカー
二人の言葉は本当にうれしかった
「…そうよね。プリンセス、私きちんと自分の気持ち伝えます。後悔しないように…」
──パーティーは3日後