太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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今日は、ファイターと一緒に宮殿の近くの水田に作物の出来具合を確認しに行く予定
キンモク星の生態を学ぶ上でも自分の目でしっかりと見たいと
アイリア自身が火球にお願いした
火球はそんなアイリアのお願いを快く受け入れてくれた
なのでアイリアは朝からピクニック気分♪
特に持つ物はないが必要以上に手にしてしまいそうになる
自分の気持ちと戦っている最中だ
ファイターが迎えに来てくれるのでそれまで部屋で待っているのだが
そわそわして落ち着かない
いろいろ目については「う~ん」と唸り考え込む
何度そんなことを繰り返したか
「……なにしているの?」
気付かないうちにファイターが後ろに立っていた
「えっ、ファイターいたの!?いやっ、その、なんでもないよ///」
「そう?それじゃ行きましょう」
水田は宮殿の傍と言っても少し距離があるので馬に乗って行く
普段馬車ばかりなので馬に乗れることで楽しみも倍増
「晴れてよかったね。と言ってもこの星はほとんど晴れてるけど」
「ふふっそうね、でも今日はいつもとは空が少し違う気がする…」
「どういうこと?」
歩きながらでそんな話をしていると
今まで晴れていた空が急に暗くなった
地鳴りがしたかと思うと
今度は空から黒い光放たれ
辺り一面を覆い隠そうとしている
「な、なに!?どうしたの!?」
今までの平穏が嘘のように体のそこから恐怖が這い上がってくる
「なにか来たわ!」
ファイターは空に向かって叫んだ
空からは禍々しい気を覆った怪物が降りてくる
そいつらはところ構わず攻撃しだし、
町はあっという間に火がつき家々を赤く染める
「またあいつら、アイリア!安全な場所まで逃げるわよ!」
「わかった!」
そう言ってファイターはアイリアの手を取って走り出した
アイリアも必死にファイターについて行こうと片手はドレスの裾を持ち、走る
しかし運悪く瓦礫が近くに落ち、アイリアはそれにつまずいて転んでしまった
「きゃっ!」
「アイリア!!」
そんな時怪物がアイリアに向かって火を吐いた
(もうだめっ!)
「アイリア──!」
私はギュッと目をつぶって襲ってくるだろう攻撃に身を固くした
ドーーーーン!!
「……えっ?」
恐る恐る目を開けると、そこにはファイターがアイリアを庇うように腕を広げて立っていた
「ファイター────!!!」
「はぁはぁ…無事ね、アイリア…」
「何をしているの!!なぜ私を庇ったりするの!!」
膝をついて傷だらけのファイターは苦しそうな表情─
しかし満足そうな声で
「あなたが無事でよかった…」
そう、口にした
「アイリアあなたは安全な所へ、宮殿の地下はきっと安全だわ…」
そして再び立ち上がった
「嫌よ…」
アイリアはこぶしを強く握った
「言ったはずよ、私は守られるだけのプリンセスは嫌だと」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
ファイターはどうにかしてアイリアを安全なところに移動してほしかった
しかしアイリアはそんな自分の気持ちとは裏腹にどんどん前に進んでいく
「アイリア!下がって!危ないわ!!」
「この星を、ファイターを私は守りたいの!!!」
すると突然アイリアの体から目も開けられないほどの光が溢れた
その光は大きさの限界を感じさせなく、どんどん膨らんでいつしか町の火を消していった
空にいた怪物は光に対抗しようと再びアイリアに攻撃を仕掛ける
しかし攻撃は光によって分散され当たることはなかった
「消えなさい、悪しき怪物たちよ!!!この星を傷つけはさせないわ──!」
アイリアのエナジーはこれまで以上に空へと吹き上がり、
光りを浴びた怪物たちを光の粒子へと変えた
しんと辺りは静まり返る
空は今までの色を取戻し、辺りは煙が上がるだけ
(──これが太陽のプリンセスの力…)
ファイターは地面に座り込んだままその様子を見ているしかなかった
目の当たりにした力は全身を巡る血を湧き立たせる
(これがアイリアの力…)
「ファイター無事…?」
声に気付き見上げると体をふらつかせ涙を流すアイリアがいた
「アイリア!あなたこそ大丈夫!?」
痛む体に鞭打ってファイターはフラつくアイリアに駆け寄った
「っう、よかった…ファイターが無事で本当に。この星が壊れなくてよかった…」
アイリアはファイターに抱きつき静かに涙を流した
ファイターも優しく抱きしめ返し頭をなでた
「ありがとう、アイリア…」
「ファイター!アイリア!」
「二人とも無事!?」
ヒーラーとメイカーが廊下の先から走って来た
「ええ、無事よ」
「ちょっと、ファイター傷だらけじゃない!」
「アイリアも、なんでこんなにフラついてるんですか!?」
「とにかく早く怪我の治療をしないと」
ヒーラーが傷だらけのファイターに肩を貸し
メイカーはふらふらと青い顔をしているアイリアを心配そうに抱き上げた
「メ、メイカー///下ろして大丈夫だよ、私怪我なんてしてないから!!」
顔を覗き込んできたかと思うと次の瞬間にはメイカーに横抱きにされて
アイリアは恥ずかしさでいっぱいになった
「こんなに真っ青になってる人を放っておくほど私は冷酷ではありませんよ」
真剣な顔でこう言われてしまっては言い返すこともできない
正直いまは体に力が入らなくて誰かに支えてもらわないと歩くこともできない状況だった
「ごめんね、ありがとう」
ファイターもヒーラーに肩を貸してもらっていた
「ありがとう、プリンセスは?」
「プリンセスも無事よ、あなた達がなかなか現れないから様子を見に来たのよ」
「そしたら廊下で二人抱き合ってるんだもの、なにかあったのかと…」
途端にファイターとアイリアは真っ赤になった
「だ、抱き合ってるって!」
「そ、そうよ!変な言い方しないでよ!」
「なーに?そんなに慌てて、何にもなかったんでしょ?」
「当たり前でしょ!それに私たち危なかったんだから!」
ファイターは声を荒げた
「詳しい話は治療の後よ、さあ行きましょう」
メイカーはそう促した