太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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それからというものアイリアは日々いろいろなことを学んだ
メイカーにはキンモク星の歴史や環境について
「ねえ、この時代に寒冷期があったっていうけど…」
「ああ、この頃には─」
ヒーラーには美術や装飾について
「あそこに飾ってあるのってこの本に載ってるアルクっていう技法で出来てるよね?」
「…アイリアって結構目ざといのね」
ファイターには武術を
「今日は槍の戦法を覚えてもらうわよ」
「槍はちょっと…」
そして火球にはプリンセスとしての振る舞いを教えてもらっていた
「いいですか。プリンセスというものはいつでも冷静沈着で思慮深くなければ」
「ふむ…」
キンモク星に来て本当に学ぶことが多い
それぞれに得意分野があるので飽きることながない
それに誰かに教えてもらう時はたいてい二人きりなので自然と名前を呼んでもらえるようになった
「アイリア少し休憩しましょうか」
「そうね、そうしましょう」
お茶の準備をメイドにお願いすると丁度よくファイターたちがやって来た
火球とアイリアがバルコニーの椅子に座ると
運ばれてきたお菓子や紅茶を三人で手際よく並べていった
「アイリアそういえばこの間見せてくれたサンフラワーという花を紅茶に使うとか言っていませんでした?」
メイカーが思い出したように聞いてきた
「そうだった!ねえ、よかったら私が煎れるからみんな飲んでみない?」
「そうね、ではお願いしようかしら」
それを聞くとアイリアは自分の部屋からサンフラワーの入った瓶と
見たことのない入れ物も持っていた
「それは?」
ヒーラーが花の入っていない瓶を指して聞いた
「これはサンフラワーと相性のいいお茶なのよ。これと一緒にブレンドするの」
そういうとポットに茶葉とサンフラワーを入れる
しばらくして中身をコップに注ぐ
甘酸っぱい優しい香りが辺りに漂った
「さあどうぞ」
「それでは、いただきます」
最初に火球が煎れたての紅茶を口にした
「──とっても美味しいわ」
ふわりと火球は微笑んだ
「ええ本当に…この中に浮かんでいるのは?」
「それがサンフラワーの花びらよ。香りづけにもなるけど見た目もかわいくなるでしょ?」
中にはサンフラワーの色である黄色の花びらが浮かんでいた
「アイリアって意外に考えてるのね」
「ちょっとヒーラー、意外ってどういうこと?」
「そういうことよ」
「だからー」
「まあまあ、二人とも」
このままではヒートアップするところでメイカーは声をかけた
ひと時の穏やかな時間
みんなが楽しそうに笑っている
前まではあんなに仲が悪かったのに
今ではこうして同じ場所で同じ時間を共有している
そんな何気ない日常がいつまでも続くことをアイリアは心の中で願っていた