太陽の在処~始まりの物語~
主人公の名前
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「火球、おはよう」
「おはよう、アイリア。よく眠れましたか?」
「う、うん一応…」
「どうかしたの?」
「なんでもないよ。ただ、昨日の夜に見た星があまりにもきれいでなかなか眠れなかっただけ」
そういってアイリアは朝食を食べるために火球の向かいの席に座った
火球は不思議そうな顔をしたが特に気にしないようにした
「今日は何をして過ごすのですか?」
火球はスープをすくいながら聞いてきた
「今日はファイターに武道の稽古をつけてもらう予定なの」
「武道の稽古を…ですか?」
「そう。最近はあんまり動いていなかったからなまっちゃって」
それでファイターは朝から忙しそうに仕事を片付けていたんですね…
火球は一人納得していた
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「ちょっとファイター、そんなに急いで仕事片付けて何かあるの?」
両手に本を抱えてヒーラーは聞いた
部屋の中を忙しく動いていたファイターは渋々
「ちょっと約束があって…」
と、だけ答えた
「約束…誰とですか?」
「えーと…」
「みんなおはよう!」
何か隠しているファイターを問い詰めようとしたところに、朝から元気なアイリアがやって来た
ヒーラーとメイカーは昨夜のこともあって少しだけ心を開こうかという気になっていたが、
「「……おはよう/ございます」」
と、まあそんな簡単にいく訳がない
「あら、おはようアイリア」
「「えっ…?」」
今までのファイターの態度とはあまりにも違いすぎることに二人は目が点になっていた
「ファイターいつ頃だったら大丈夫?」
「この仕事片付けたら終わりよ」
「そう、じゃあ準備して先に外で待ってるね」
「ええ、わかったわ」
アイリアは嬉しそうにドレスをひるがえし部屋を出て行った
「ちょっとファイターなんであの子と仲良くしてるのよ!それに約束ってなによ!」
「昨日の段階ではそんなこと一言も言っていなかったのにいったい何があったんですか?」
二人はファイターに迫ったが
「それじゃそういうことだから、私行くわね」
ファイターは残っていた自分の仕事を素早く終わらせると、まるで風のごとく出て行った
「「なにがどうなっているのよ…」」
二人のつぶやきだけが木霊した
アイリアは一度自室に戻り動きやすい服装に着替えた
トップスは半そでのシャツ、その上に防具を兼ねたベスト
グローブは肘までの長さで、手は固定されていない
ボトムは体にフィットする形でブーツを履いた
準備が整うと中庭に移動した
ファイターは仕事が片付いてから来ると言っていたので
少し準備運動でもして待っていよう
──少しするとファイターがやって来た
いつもと服装が違う事に少々驚いているようだが
まさかドレスで武術などできる訳ないので驚いた顔も一瞬だけだった
「お待たせ」
「そんなに待ってないわ、それより急に頼んでごめんね」
「いいのよ。それじゃ、あなたの準備が良ければ初めてもいいかしら?」
「ええ、よろしくお願いします」
二人はまず簡単に型から入った
最近は全く練習していなかったというアイリアの為に少しずつ難易度を上げていった
しかしそれも時間が経つにつれて
「はっ!!」
「っ!──やるわね」
アイリアは全身を使い足技を華麗に決めてくる
現に今も地面に両手をついて蹴り上げるようにして技をしかけてきた
その様子をヒーラーとメイカーも見ていた
「あの子意外と出来るみたいね」
「ええ、ただ守られているだけの甘いプリンセスではないようですね」
アイリアの鮮やかな戦闘の姿に今まで抱いていた印象が変わった
「それじゃあ、今日はこのくらいにしましょう」
「ありがとうございました」
「アイリア、あなた結構強いのね。驚いたわ」
ファイターは流れる汗をタオルで拭きながら今日の感想を伝えた
「これでも一応セーラー戦士だからね」
「えっ?そうなの!?」
ファイターの動きがピタッと止まった
アイリアは道具を片付けながら話を続けた
「戦士ではあるんだけどまだ戦士の姿を私自身も知らないの」
「どういうこと?」
「どうなんだろ、お母様から時が来たら私の戦士の名前を教えてくれるって言ってたわ、
だからその時までに戦士ではないこの姿で戦術を色々学びなさいって…」
そう語るアイリアはどこか嬉しそうだ
これから新しい力を授かる時を楽しみにしているようだ
「あなたの戦士の姿見て見たかったわ」
「じゃあ、私が戦士になったらまたキンモク星に来るわ。その時戦士の私とまた稽古をつけてちょうだい!」
「ええ、いいわよ。でも戦士なんてそう簡単になれるのもじゃなんだから」
「わかってるわよ!─あっ、もしかして戦士になった私に負けるかもとか思ってるんでしょ!」
「そんなことないわ!コテンパンにやっつけてやるんだから」
「私だって負けないんだから!」
二人は顔を見合わせ笑った
いつかそんな未来が来ることを心待ちにして…