地球滅亡企画


第三話「重力に身をまかせ」 リキュール×マルボロ ランクC


「スカイダイビングがしたいんだ。ボーロ」

そんなことをリキュールがいうものだから、俺は地球最後だしいいかと思い、二人でスカイダイビングすることに決めた。

こんなときでもスカイダイビングの予約を受け持ってくれる酔狂な連中がいるのかと、怪訝に思ったが、結構いたので驚いたものだ。そんな俺たちも十分酔狂なやつらに含まれちまっているわけだけど。

煙草に火をつけながら、徐々に上昇していくヘリコプターの風圧を感じていた。隣にいる、こいつは、目を輝かせながら遠ざかっていく、地面を眺めていた。

「なあ、ここから落ちていくってどんな感じなんだろう。あ、隕石の疑似体験できるね、ボーロ。」

「ああ、そうだな。」
適当な返事を返したはいいが、やはり高いところは少し苦手だ。これから落ちることを考えると、吐血しそうになる。

「では!そろそろスカイダイビングスポットに到着するんで、準備してください。」

ガイドさんが、指示し始めたので、とりあえず準備を始めようとした。すると、隣のこいつが俺から荷物を取り去ってこう言った。

「ボーロの分も俺がやっといてあげるよ。」

「あ、ああ。」

なんだこいつ、普段はこんな世話焼きスキル発揮したことがなかったのに。
「では、そろそろ降ります。パラシュートはOKですか?」

「はーい!」とリキュール。

「ああ。」
俺はリキュールが準備してくれたパラシュートをもう一度確認した。ちゃんとあるな。

「ボーロ、ちょっといい?」

「ん、なんだ。」

「俺、空の上でシてみたいんだ」

俺は耳を疑った。二度見どころか、何度もリキュールの顔を見返した。

しかし、背中の後ろではすでにガイドさんのカウントダウンが始まってしまっている。俺はとりあえず早急に、それはどういう意味なのかを説明してもらおうと口を開いた。

「リキュール、空の上でしてみたいとはなんだ。何をしてみたいんだ。」

「決まってんじゃん。いつも俺たちが愛を確かめ合う時にする行為だよ。」

「ああ、そのキスのことか。」

キスならばできないことはない。だがそれは違ったようだ。

「やだなあ、セッ○スだよ。」

「はあっ!?」

俺が馬鹿かと叫ぶ前に、カウントダウンは終わってしまい、俺たちの背中がガイドさんの手によって押された。悪夢の始まりだ。

「ひゃっほーーい!」

「うわあああああああああ!!!!!」

落ちる感覚は死の恐怖そのものだと思う。俺はもう何が起きているのかわからなかった。


しばらくして、地面はどんどん近づいていき、そろそろパラシュートを出さなければならないところまできていた。

死に物狂いで、パラシュートの紐を引っ張ると、パラシュートは開かず、代わりに俺の体がものすごい勢いで空を再び上昇していった。

重力が思いっきり体全体にかかり、その空気圧で息ができないほどであった。ある意味これは死ぬ。そこから俺の意識はぶっとんだ。



気がつくと、俺は隕石の真横で並んで飛んでいた。隣には、空の上でセ○クスがしたいだとか、ふざけたことを言ってたやつが楽しげに飛んでいる。

「隕石って結構でかいんだな!まるで俺たちの愛のようだ。」

「はあ?ふざっけんな・・・ぁ、空気圧でちゃんとしゃべれなぃい」
「そろそろ、シようか。俺お手製のジェット小型機があればかなり長いあいだ飛行は可能だし。」

「この期におおおよんでぇえ、馬鹿かぁぁああ」

俺の悲痛な叫びも虚しく、スカイダイビング○ックスが幕をあけた。

まず、俺の角をリキュールの尻穴に挿入させた。一歩間違えれば、内蔵を貫通させてしまう危険なテクニックだ。

それから、それを一気にねじ込むと、再び浮力し、上下運動をとりおこなう。調整が難しい。2人の息がぴったりでないと行えないことだ。

次に、俺の角で慣らしたあいつは、俺の尻穴めがけてジェット噴射を浴びせる。これは、相手の尻の血流をよくする効果がある。

いよいよ、挿入の時。俺の下半身は顕になり、やつのジェットストリームを受け止める時が来た。

俺の中にあいつのものが突っ込まれ、重力感と、周りを取り囲む高速の風がますます高揚感を高めた。なるほど、俺は意外にも楽しんでいるようだ。世界の終わりが来ても関係ない。

この世界の日常というものが、この日曜日で終止符を打たれたとしても、大切な人がいる。

一緒にいてくれる人がいる。それだけで十分だ。

なんて素晴らしい景色なんだろう。

なんて美しい世界なんだろう。

サヨナラの時まで、俺はこいつと共に人生を楽しみたい。

「リキュール、愛している」

ゴオオオオオオオ!!!

「え?なんて言ったの?ボーロ、愛してるよ」





【完~重力に身をまかせ~】
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