第六話 海の手
これは俺がライフセーバーのバイトをやってた時の話。
先輩と仲良くなって夜釣りに一緒に行くって話になった。
夜釣りなんか初めての俺は先輩にいろいろ教えてもらいながらセッティングをしていた。
すると海の方に左右に動く白い手が見えた。こんな時間に?とは思ったがライフセーバーの性でとっさに先輩に声をかけて助けに行こうとした。
だけど先輩は助けに行こうとはせず、俺の方をぐっと掴んで重々しくこう言った。
よく見ろ。水しぶきが立ってない。あれは人間じゃない。
ハッと思って視線を海に戻すと手は動くのをピタリと止めてスーッと海に消えていった。
よく考えたらあの動きは助けを求めてるというよりは呼び込もうとしてるようにも思えた。
ともあれ俺はそれ以来夜釣りには行っていない。
カム菜
先輩と仲良くなって夜釣りに一緒に行くって話になった。
夜釣りなんか初めての俺は先輩にいろいろ教えてもらいながらセッティングをしていた。
すると海の方に左右に動く白い手が見えた。こんな時間に?とは思ったがライフセーバーの性でとっさに先輩に声をかけて助けに行こうとした。
だけど先輩は助けに行こうとはせず、俺の方をぐっと掴んで重々しくこう言った。
よく見ろ。水しぶきが立ってない。あれは人間じゃない。
ハッと思って視線を海に戻すと手は動くのをピタリと止めてスーッと海に消えていった。
よく考えたらあの動きは助けを求めてるというよりは呼び込もうとしてるようにも思えた。
ともあれ俺はそれ以来夜釣りには行っていない。
カム菜