おそ松さん
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松野カラ松──。
赤塚では少し有名な松野家六つ子の次男。
ギルティガイやカラ松ガールなど痛い発言をする彼だが、兄弟への愛は強いもので、密かに学生時代から彼へ恋心を抱いている私には兄弟が羨ましかった。
だからといって諦めることもできず、演劇部で交流を深めたが、どこで距離感を間違えたのか今では彼の一番の親友である。
そして、卒業後も時間さえ合えばよく会っていた。
今日も今日とて、公園の橋の上でナンパ待ちをしているであろうカラ松くんに会いに行ったのだが、彼の姿を見つけた私はただただ目を丸くするだけだった。
「やあ、マイベストフレンド!どうしたんだ、そんなに見つめて……ハッ!俺のクールでギルティな姿に見惚れているんだろう。ビンゴォ〜?」
これまたいつものように痛いセリフを紡ぐ彼の声で我に返る。親指と人差し指で作った銃で撃ち抜くような仕草で、かっこよくキメポーズしている彼の姿は包帯だらけで、腕も三角巾で首から吊るされていてとても痛々しかった。
「カラ松くん、何それ、どうしたの」
私は何となく原因を察したが改まって問うた。
軽傷とは言い難い姿に思わず真顔になっていたのか、私の顔を見たカラ松くんはいつものキメ顔を崩してしまった。
「ああ、コレは愛しのブラザー達からの愛を受け取った勲章さ!フッ、このカラ松にかかればこんな怪我大したことないぜぇ」
いつからか人前で弱音を吐かなくなった彼は普段通りを貫きたいのだろう。そんなカラ松くんにも、理由はどうあれこんな怪我をさせたあの兄弟にも苛立ちを覚える。
「ほんっと馬鹿」
「ん〜?シンプルなdisは傷つくぞ?」
「いや、だって、どんだけ無視されようが、殴られようがどうせ全部許してるんでしょ。私だったら耐えられない」
「ふっ…兄弟だからな」
「どうせ『全て許す俺…!』とかカッコイイと思ってるんでしょ。そういうのいいから」
「あ、はい」
「兄弟も兄弟だよ。カラ松くんが優しいからって甘えてさ!やっていいことと悪いことぐらい分かるでしょ!」
「相変わらず俺の分まで怒ってくれるんだな」
「…親友ですから」
みっともなく悪態をついているのに、優しく微笑みながらそう言ってくるから嫌味を込めて返してやる。…どうせ気づきやしないけど。
「というか、外出してていいの?家で安静にしなきゃ治るものも治らないよ」
「今日はどうしてもベストフレンドに会いたい気分だったんだ」
ふわりと昔と変わらない幼い笑顔でそんなことを言われてしまえば、さっきまでのイライラなんかどこか行って、ああ、やっぱり好きだな、なんて頭の隅で改めて実感する。
「言ってくれればお見舞いに行ったのに」
「えっ」
「今からでも遅くないよね?お家にお邪魔してもいい?」
「えっ」
「うん、それがいい!怪我が悪化する前に帰ろう」
「ま、まま待ってくれ!家には兄弟がいるかもしれないしだな…その…」
「いいよ。ついでにその馬鹿兄弟たちに文句言ってやるんだから」
まさか家に行くなんて思ってなかったのか少し慌てるカラ松くんの手を引っ張って歩き出す。公園を抜けて、馴染みの商店街を歩いていき、ある店の前で一度立ち止まる。
「ちょっと待ってて」
キョトンとするカラ松くんを鮮やかな色の花が並ぶ店前で待たせて、私は店員さんに声をかける。少し経ってから店を出るといつの間にか同じ顔が5人増えていた。
「あ、やっぱり千夜ちゃんじゃーん」
「…花束なんて、珍しい」
ヘラヘラ笑いながら私の名前を呼んだのは長男のおそ松くんで、急いで作ってもらった花束に興味を示したのは四男の一松くん。
どうして?と不思議そうな顔をしてたら、たまたま全員この商店街で合流したらしい。六つ子恐るべし。
「黄色のお花がいっぱーい!誰にあげるのー?!」
「カラ松くん」
「ええ?!」
花束と同じ黄色のパーカーを来た十四松くんの質問に即答すれば何故か六つ子全員が驚いた声を出した。
「早く元気になってね」
「Oh,マイベストフレンド!最高だぜ!ラブを象徴する薔薇の花束なんて俺にピッタリじゃないか〜?」
キラキラした目で花束を抱え、いつもの痛いキメ顔とポーズをするカラ松くんを見て安心する。私が密かに込めた気持ちは知らなくていい。
「あんまり動くとまた痛めるってば」
「フゥーン、俺のクールな姿を晒すためならこの痛みぐらいノープロブレムだ!!」
「お母さんに怒られてしまえ」
「ノー!マミーを出すのは卑怯だ!ベストフレンド!」
驚いた顔のままの5人を置き去りにして、わいわい言い合いながらまた歩き出す。でも、その前に、と私はもう1つ買っておいた1本の花をチョロ松くんに差し出した。
これまた驚いた顔をする5人にせせら笑う。
「今回はオトギリソウ で勘弁してあげる」
先に帰路についたカラ松くんに呼ばれ、それ以上のことは言えなかったけど、女子力の高いトド松くんがいれば真意は伝わるだろう。
花言葉は、
(…敵意と恨み、だよコレ)
(え、どうゆうことぉ?!)
(カラ松にーさん傷つけたからかな?!)
(千夜ちゃん怖っ!!)
(次、カラ松くんに酷いことしたら許さないんだから)
END. 20.09.16.
赤塚では少し有名な松野家六つ子の次男。
ギルティガイやカラ松ガールなど痛い発言をする彼だが、兄弟への愛は強いもので、密かに学生時代から彼へ恋心を抱いている私には兄弟が羨ましかった。
だからといって諦めることもできず、演劇部で交流を深めたが、どこで距離感を間違えたのか今では彼の一番の親友である。
そして、卒業後も時間さえ合えばよく会っていた。
今日も今日とて、公園の橋の上でナンパ待ちをしているであろうカラ松くんに会いに行ったのだが、彼の姿を見つけた私はただただ目を丸くするだけだった。
「やあ、マイベストフレンド!どうしたんだ、そんなに見つめて……ハッ!俺のクールでギルティな姿に見惚れているんだろう。ビンゴォ〜?」
これまたいつものように痛いセリフを紡ぐ彼の声で我に返る。親指と人差し指で作った銃で撃ち抜くような仕草で、かっこよくキメポーズしている彼の姿は包帯だらけで、腕も三角巾で首から吊るされていてとても痛々しかった。
「カラ松くん、何それ、どうしたの」
私は何となく原因を察したが改まって問うた。
軽傷とは言い難い姿に思わず真顔になっていたのか、私の顔を見たカラ松くんはいつものキメ顔を崩してしまった。
「ああ、コレは愛しのブラザー達からの愛を受け取った勲章さ!フッ、このカラ松にかかればこんな怪我大したことないぜぇ」
いつからか人前で弱音を吐かなくなった彼は普段通りを貫きたいのだろう。そんなカラ松くんにも、理由はどうあれこんな怪我をさせたあの兄弟にも苛立ちを覚える。
「ほんっと馬鹿」
「ん〜?シンプルなdisは傷つくぞ?」
「いや、だって、どんだけ無視されようが、殴られようがどうせ全部許してるんでしょ。私だったら耐えられない」
「ふっ…兄弟だからな」
「どうせ『全て許す俺…!』とかカッコイイと思ってるんでしょ。そういうのいいから」
「あ、はい」
「兄弟も兄弟だよ。カラ松くんが優しいからって甘えてさ!やっていいことと悪いことぐらい分かるでしょ!」
「相変わらず俺の分まで怒ってくれるんだな」
「…親友ですから」
みっともなく悪態をついているのに、優しく微笑みながらそう言ってくるから嫌味を込めて返してやる。…どうせ気づきやしないけど。
「というか、外出してていいの?家で安静にしなきゃ治るものも治らないよ」
「今日はどうしてもベストフレンドに会いたい気分だったんだ」
ふわりと昔と変わらない幼い笑顔でそんなことを言われてしまえば、さっきまでのイライラなんかどこか行って、ああ、やっぱり好きだな、なんて頭の隅で改めて実感する。
「言ってくれればお見舞いに行ったのに」
「えっ」
「今からでも遅くないよね?お家にお邪魔してもいい?」
「えっ」
「うん、それがいい!怪我が悪化する前に帰ろう」
「ま、まま待ってくれ!家には兄弟がいるかもしれないしだな…その…」
「いいよ。ついでにその馬鹿兄弟たちに文句言ってやるんだから」
まさか家に行くなんて思ってなかったのか少し慌てるカラ松くんの手を引っ張って歩き出す。公園を抜けて、馴染みの商店街を歩いていき、ある店の前で一度立ち止まる。
「ちょっと待ってて」
キョトンとするカラ松くんを鮮やかな色の花が並ぶ店前で待たせて、私は店員さんに声をかける。少し経ってから店を出るといつの間にか同じ顔が5人増えていた。
「あ、やっぱり千夜ちゃんじゃーん」
「…花束なんて、珍しい」
ヘラヘラ笑いながら私の名前を呼んだのは長男のおそ松くんで、急いで作ってもらった花束に興味を示したのは四男の一松くん。
どうして?と不思議そうな顔をしてたら、たまたま全員この商店街で合流したらしい。六つ子恐るべし。
「黄色のお花がいっぱーい!誰にあげるのー?!」
「カラ松くん」
「ええ?!」
花束と同じ黄色のパーカーを来た十四松くんの質問に即答すれば何故か六つ子全員が驚いた声を出した。
「早く元気になってね」
「Oh,マイベストフレンド!最高だぜ!ラブを象徴する薔薇の花束なんて俺にピッタリじゃないか〜?」
キラキラした目で花束を抱え、いつもの痛いキメ顔とポーズをするカラ松くんを見て安心する。私が密かに込めた気持ちは知らなくていい。
「あんまり動くとまた痛めるってば」
「フゥーン、俺のクールな姿を晒すためならこの痛みぐらいノープロブレムだ!!」
「お母さんに怒られてしまえ」
「ノー!マミーを出すのは卑怯だ!ベストフレンド!」
驚いた顔のままの5人を置き去りにして、わいわい言い合いながらまた歩き出す。でも、その前に、と私はもう1つ買っておいた1本の花をチョロ松くんに差し出した。
これまた驚いた顔をする5人にせせら笑う。
「今回は
先に帰路についたカラ松くんに呼ばれ、それ以上のことは言えなかったけど、女子力の高いトド松くんがいれば真意は伝わるだろう。
花言葉は、
(…敵意と恨み、だよコレ)
(え、どうゆうことぉ?!)
(カラ松にーさん傷つけたからかな?!)
(千夜ちゃん怖っ!!)
(次、カラ松くんに酷いことしたら許さないんだから)
END. 20.09.16.
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