姉弟波乱組
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見事な打ち上げ花火が爆発テロへと変わり、逃げ惑う客があらかた去った後で、一希は足元に小さな血痕を見つけた。
「…ここだ」
ズキン、と頭が痛み、忘れてたはずの銀時と高杉が出会うシーンが一瞬だけ蘇る。さっきまで感じていた気配や殺気はもうないため、一足遅かったというところだろうか。
それならと、今からでも源外を止めに行こうとステージへ向かうが、煙幕の中から現れたカラクリたちによってそれは阻まれてしまう。
「次から次へと……手伝った身としては壊したくないんスけどね……!」
無差別に襲いかかってくるカラクリたちに複雑な気持ちになる。壊された出店やカラクリの残骸、煙幕と砂埃で視界も悪く、もはや自分の現在地さえあやふやだ。
しかし、カラクリたちが現れる方へ突き進めば、聞き慣れた声がどんどん大きくなった。
「名刀虎鉄ちゃんが!!ウソォォォ!!」
「言ってる場合かよ!!」
「だってコレまだローンが…ウソォォォ!!」
「近藤さん、土方さん!」
「お前…!今までどこ行ってやがった!?」
「仕事ッスよ仕事」
「嘘つけ!!」
あまりにも早い土方の一刺しに、嘘じゃないのに、と一希は少し口を尖らせた。そして、いつもなら近くにいるはずの綾日と沖田がいないことに気がつく。
「総悟と姉貴は?」
「2人ともだいぶ前に一希君を探しに行ったっきりでな…」
未だ折れた刀を悲しそうに見つめながら答える近藤に、それは自分をダシにサボっただけでは?と今度は眉をひそめる。
本人たちがいないため確認する手段はないが、そう考えていると、けたたましい打撃音と共に3つの人影が現れた。
「祭りを邪魔する…」
「悪い子は…」
「だ〜れ〜だ〜?!」
鬼の形相で瓦礫の上に立つ3人を、近藤はまるで一筋の光を見つけたかのようにパァと表情を明るくした。
「あれは…妖怪 祭り囃子!!祭りを妨害する暴走族などを懲らしめる古の妖怪!」
「いや、違うと思う」
勝利の女神ならぬ、祭りの神の降臨に興奮する近藤に、土方は冷静に否定する。何故なら現れた3人はどう見ても沖田と綾日、そして神楽だったからだ。
それでも、キリがないほどのカラクリを前に鬼の如く叩きのめす3人のおかげで、消えかかっていた士気が上がっていく。
「勝利は我らの手にあり!いけぇぇぇ!!」
近藤の言葉に隊士たちは哮けりながら、カラクリを一掃していく。ようやく片がついた頃には会場はもぬけの殻だった。
「……また、一足遅かったッスか」
一希は源外がいたステージを見上げ小さく呟く。周りでは大量のカラクリの残骸などの撤去を土方を筆頭に行われていた。
「一希、どうかしたか?」
少し悔しそうにステージを見つめる一希が気になった綾日が近寄る。不思議そうにしてる彼女に、いや、と首を横に振れば、気に入らなかったのか眉を釣り上げる。
「おれに隠し事なんて生意気だぞ!」
「脳筋に小難しい話したって無駄ッスもん」
「は?喧嘩なら買うぞ?」
「ほら、そういうとこッスよ!つか、あんだけ暴れといてまだ喧嘩する元気あるんスか」
「あったり前だろ、毎日鍛えてんだから!」
右腕に力こぶを作りながら自慢気に話す綾日だったが、後ろから現れた土方にペシッと頭を叩かれる。
「ならその元気でさっさと片付けてくれや」
「あ、やっぱり流石に今日は疲れたなァ〜!」
「疲れてても仕事だ、行くぞ」
下手な嘘をつくも、無慈悲に連れていかれる綾日にクスクス笑うと「笑うんじゃねー!」と元気な叫び声が返ってくる。
仕事中なうえ、テロ事件の直後で不謹慎だと分かってはいるが、今朝のように隊士達とわいわいしてる姉を見て、少し元気が出た一希だった。
そして、この世界にいればまた会えるか、とカラクリに向き合っていた源外の姿を思い出しながら真っ黒な空を見上げたのだった。
To Be Continued.
「…ここだ」
ズキン、と頭が痛み、忘れてたはずの銀時と高杉が出会うシーンが一瞬だけ蘇る。さっきまで感じていた気配や殺気はもうないため、一足遅かったというところだろうか。
それならと、今からでも源外を止めに行こうとステージへ向かうが、煙幕の中から現れたカラクリたちによってそれは阻まれてしまう。
「次から次へと……手伝った身としては壊したくないんスけどね……!」
無差別に襲いかかってくるカラクリたちに複雑な気持ちになる。壊された出店やカラクリの残骸、煙幕と砂埃で視界も悪く、もはや自分の現在地さえあやふやだ。
しかし、カラクリたちが現れる方へ突き進めば、聞き慣れた声がどんどん大きくなった。
「名刀虎鉄ちゃんが!!ウソォォォ!!」
「言ってる場合かよ!!」
「だってコレまだローンが…ウソォォォ!!」
「近藤さん、土方さん!」
「お前…!今までどこ行ってやがった!?」
「仕事ッスよ仕事」
「嘘つけ!!」
あまりにも早い土方の一刺しに、嘘じゃないのに、と一希は少し口を尖らせた。そして、いつもなら近くにいるはずの綾日と沖田がいないことに気がつく。
「総悟と姉貴は?」
「2人ともだいぶ前に一希君を探しに行ったっきりでな…」
未だ折れた刀を悲しそうに見つめながら答える近藤に、それは自分をダシにサボっただけでは?と今度は眉をひそめる。
本人たちがいないため確認する手段はないが、そう考えていると、けたたましい打撃音と共に3つの人影が現れた。
「祭りを邪魔する…」
「悪い子は…」
「だ〜れ〜だ〜?!」
鬼の形相で瓦礫の上に立つ3人を、近藤はまるで一筋の光を見つけたかのようにパァと表情を明るくした。
「あれは…妖怪 祭り囃子!!祭りを妨害する暴走族などを懲らしめる古の妖怪!」
「いや、違うと思う」
勝利の女神ならぬ、祭りの神の降臨に興奮する近藤に、土方は冷静に否定する。何故なら現れた3人はどう見ても沖田と綾日、そして神楽だったからだ。
それでも、キリがないほどのカラクリを前に鬼の如く叩きのめす3人のおかげで、消えかかっていた士気が上がっていく。
「勝利は我らの手にあり!いけぇぇぇ!!」
近藤の言葉に隊士たちは哮けりながら、カラクリを一掃していく。ようやく片がついた頃には会場はもぬけの殻だった。
「……また、一足遅かったッスか」
一希は源外がいたステージを見上げ小さく呟く。周りでは大量のカラクリの残骸などの撤去を土方を筆頭に行われていた。
「一希、どうかしたか?」
少し悔しそうにステージを見つめる一希が気になった綾日が近寄る。不思議そうにしてる彼女に、いや、と首を横に振れば、気に入らなかったのか眉を釣り上げる。
「おれに隠し事なんて生意気だぞ!」
「脳筋に小難しい話したって無駄ッスもん」
「は?喧嘩なら買うぞ?」
「ほら、そういうとこッスよ!つか、あんだけ暴れといてまだ喧嘩する元気あるんスか」
「あったり前だろ、毎日鍛えてんだから!」
右腕に力こぶを作りながら自慢気に話す綾日だったが、後ろから現れた土方にペシッと頭を叩かれる。
「ならその元気でさっさと片付けてくれや」
「あ、やっぱり流石に今日は疲れたなァ〜!」
「疲れてても仕事だ、行くぞ」
下手な嘘をつくも、無慈悲に連れていかれる綾日にクスクス笑うと「笑うんじゃねー!」と元気な叫び声が返ってくる。
仕事中なうえ、テロ事件の直後で不謹慎だと分かってはいるが、今朝のように隊士達とわいわいしてる姉を見て、少し元気が出た一希だった。
そして、この世界にいればまた会えるか、とカラクリに向き合っていた源外の姿を思い出しながら真っ黒な空を見上げたのだった。
To Be Continued.
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