姉弟波乱組
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「いいか、相手はパンツの量より娘の質を求める真性の変態だ。だからまた必ずここに忍び込んでくる。そこを叩く」
ここはお妙と新八の家である恒道館の庭。フンドシ仮面の被害者のお妙を筆頭に皆、頭にハチマキをし、それぞれ武器と防具を装備している。
「乙女の純情と漢の誇りを踏みにじったその所業、許すまじ。白ブリーフを鮮血に染めあげてやるぞ!!」
「オオォォォ!!」
銀時の言葉にお妙、神楽、綾日と近藤は雄叫びをあげる。全員、殺気に満ちていて、薙刀の素振りや瓦割りなどをして身体を温めている。
「すみません、下着泥棒ぐらいで殺気立ち過ぎなんじゃないですか。というか何で綾日さんや近藤さんまで?」
「やられたんだよ、おれも」
「まさか綾日さんも下着を…?」
「ああ、おれも銀時と同じでモテない認定されたんだ!!まじで許さねぇ!!」
「そっちィ!?」
「何でお前まで俺がモテないこと知ってんだァ!!」
思わぬ綾日の被害に驚いている新八の前に、近藤と持ってきた地雷を並べていく。
「新八君、コレを頼む!」
「何ですかコレ?」
「地雷だ。これを庭一面に敷き詰めれば、こんなボロ屋敷も立派な要塞になるぞ」
「ボロ屋敷のままでいいわ!!アンタら戦争でもするつもりですか!!」
「新ちゃん、ここはもう戦場よ。遊び気分なら帰りなさい」
「姉上、ここが僕の帰る場所なんですけど…」
「戦場が帰る場所だなんてよく言った!それでこそ侍だ!」
「いや、綾日さん、そうゆう意味じゃなくて」
「一緒に姉上のパンツを死守しよう新八君!!」
謎の団結力に徐々にツッコむ意欲を削がれた新八はこれ以上言及するのを諦めたのだった。
*
すっかり日が落ち、辺りは静寂に包まれている。
お妙や綾日たちは下着が干してある縁側がよく見える草陰に隠れていた。すると、プーンと耳障りな音が耳元を通り過ぎる。
もうそんな時期かと頭の隅で考えていると、その音は離れていき、今度はペチンと頬を叩く音が静寂の中で響く。
そんな沈黙に耐えきれなくなった新八がついに口を開いた。
「ちょっと…全然泥棒が来る気配ないんですけど。ひょっとして今日来ないんじゃないですか?」
「大丈夫だ、来るって」
「何を根拠にそう言ってんですか」
「あんなこれ見よがしにパンツがぶら下がってるアル!」
「下着泥棒がほっておく訳ないだろ!」
「いや、あからさま過ぎるよ、なんか罠丸出しだし」
なかなか来ない原因では、と話す新八だが、他のみんなは諦める気はさらさらないようだ。
「新ちゃん、泥棒というのは目的までの障壁があるほど燃えるものなのよ」
「いや何勝手にキャラ設定してんですか!もし気の弱い泥棒だったらどうするんです」
「おい、デケー声出すんじゃねぇよ。泥棒にバレたら全部パーだぞ」
「パーなのは銀時の頭だろ」
「何だとコノヤロー!その乳もいで本当の男にしてやろうか!」
「やれるもんならやってみろよ!この天パ!」
「もう!暑いのに喧嘩しないで下さいよ!!」
少し蒸し暑いからか気が立っていた銀時と綾日言い合いを皮切りに、草陰に潜んでいたはずの皆が掴み合い、言い合いの喧嘩に発展していく。それを見兼ねた近藤が仲裁に入る。
「しょうがない、ここはちょっと休憩にするか。冷たいものでも買ってこよう」
近藤の言葉に掴み合ったまま各々欲しいものを伝え、それを聞いた彼は草陰から出ていく。
数歩進むと、ピッ、とボタンを押す音がし、次の瞬間には爆発音が響き渡った。
「あら、近藤さんが爆発したわ」
「あー暑かったからアルよ」
「んな訳ねぇだろ。自分で仕掛けた地雷を踏んだんだろ、馬鹿だねェ〜」
「…ちょっと待って。ひょっとしてどこに地雷埋めたかみんな覚えてないのか?」
爆発して倒れている近藤を見た後、綾日の問いかけに全員が顔を見合せ黙り込む。どうやら誰も覚えてないらしい。
「大変だわ、明日新聞配達のおじさんが爆発するわ」
「言ってる場合ですかァァァ!! 僕らこっから身動き取れなくなっちゃったんですよ!?もう泥棒とか言ってる場合じゃねーよ!!」
絶望的な現状に新八が頭を抱えていると、どこからか高笑いが聞こえてくる。そちらに視線をやると、屋敷の屋根の上に人影を見つけた。
「アハハハ!!滑稽だ、滑稽だよお前ら!!」
赤いフンドシを顔に覆い、ブリーフのみのその姿は間違いなく今まで目撃されたフンドシ仮面の情報と一致している。
「パンツのゴムに導かれ、今宵も駆けよう漢・浪漫道!怪盗フンドシ仮面見参!!」
「最悪だァァァ!!最悪のタイミングで出てきやがったァァァ!!」
「アッハッハッ!俺のために色々と用意してくれていたようだが、無駄に終わったようだな!」
ようやく現れたというのに地雷のせいで何もできず、奥歯を噛み締める。
「そこで指をくわえて見てるがいい。己のパンツが変態の手に渡るその瞬間を!」
屋根から華麗に縁側へと飛び降りる。これまでか、と誰もが諦めかけた瞬間、再び爆発が起こった。
「床の下にも地雷をセットして正解だったぜ」
「さすが綾日姉!!」
「やるじゃねーか」
フンドシ仮面が倒れているのを見ながら口角を上げた綾日は、神楽と銀時とハイタッチをする。
爆風で空へと舞い上がった下着はふわふわとゆっくり落ちていく。それを逃さぬように倒れたはずの彼が掴み取る。
「甘い……こんなものじゃ俺は倒れん。全国の変態達が俺の帰りを待っているんだ。こんな所で負ける訳にはいかない!最後に笑うのはこの俺よ!!」
さらば、と立ち上がり去ろうとするフンドシ仮面だったが、同じく地雷を踏み倒れたはずの近藤が彼の足を掴んだのだ。
「汚ぇ手でお妙さんのパンツを触るんじゃねぇ!!俺だって触ったことねぇんだぞチクショー!!」
「近藤さん!」
「万事屋ァ、何やってんだ早くしろ!今回はお前に譲ってやる!」
「うるせーな。言われなくても行ってやるさ、しっかり掴んどけよ!!」
銀時は木刀を構え、草陰から飛び出してフンドシ仮面まで一直線に走り出した。しかし、彼も例外なく地雷を踏み抜いてしまい爆発してしまった。
「フ、フハハハ!!やっぱり最後に笑うのはこの俺…」
今度こそ勝ったと思ったフンドシ仮面が笑っていると、爆発によってできた煙から人影が現れ、彼は言葉を詰まらせる。
その煙から飛び出してきたのは、爆発した銀時を踏み台にしたお妙と綾日だった。
「女をなめるんじゃねぇぇぇ!!!」
2人は声を揃え、薙刀と木刀でフンドシ仮面を撃退し、お妙は泥棒の手から自身の下着を取り返した。
「素顔も晒さない人に私のパンツはやれないわ。欲しけりゃ、素っ裸で正面から挑んできなさい。心までノーパンになってね」
彼女はいつもの笑顔でフンドシ仮面に言い放つ。
様子を見ていた神楽と新八が泥棒撃退に喜びながら草陰から出てくる。お妙と綾日が2人の声に振り返ると、お約束とばかりに、ピッ、と地雷が稼働する音が鳴る。
本日4度目の爆発が恒道館を襲ったのだった。
To Be Continued.
ここはお妙と新八の家である恒道館の庭。フンドシ仮面の被害者のお妙を筆頭に皆、頭にハチマキをし、それぞれ武器と防具を装備している。
「乙女の純情と漢の誇りを踏みにじったその所業、許すまじ。白ブリーフを鮮血に染めあげてやるぞ!!」
「オオォォォ!!」
銀時の言葉にお妙、神楽、綾日と近藤は雄叫びをあげる。全員、殺気に満ちていて、薙刀の素振りや瓦割りなどをして身体を温めている。
「すみません、下着泥棒ぐらいで殺気立ち過ぎなんじゃないですか。というか何で綾日さんや近藤さんまで?」
「やられたんだよ、おれも」
「まさか綾日さんも下着を…?」
「ああ、おれも銀時と同じでモテない認定されたんだ!!まじで許さねぇ!!」
「そっちィ!?」
「何でお前まで俺がモテないこと知ってんだァ!!」
思わぬ綾日の被害に驚いている新八の前に、近藤と持ってきた地雷を並べていく。
「新八君、コレを頼む!」
「何ですかコレ?」
「地雷だ。これを庭一面に敷き詰めれば、こんなボロ屋敷も立派な要塞になるぞ」
「ボロ屋敷のままでいいわ!!アンタら戦争でもするつもりですか!!」
「新ちゃん、ここはもう戦場よ。遊び気分なら帰りなさい」
「姉上、ここが僕の帰る場所なんですけど…」
「戦場が帰る場所だなんてよく言った!それでこそ侍だ!」
「いや、綾日さん、そうゆう意味じゃなくて」
「一緒に姉上のパンツを死守しよう新八君!!」
謎の団結力に徐々にツッコむ意欲を削がれた新八はこれ以上言及するのを諦めたのだった。
*
すっかり日が落ち、辺りは静寂に包まれている。
お妙や綾日たちは下着が干してある縁側がよく見える草陰に隠れていた。すると、プーンと耳障りな音が耳元を通り過ぎる。
もうそんな時期かと頭の隅で考えていると、その音は離れていき、今度はペチンと頬を叩く音が静寂の中で響く。
そんな沈黙に耐えきれなくなった新八がついに口を開いた。
「ちょっと…全然泥棒が来る気配ないんですけど。ひょっとして今日来ないんじゃないですか?」
「大丈夫だ、来るって」
「何を根拠にそう言ってんですか」
「あんなこれ見よがしにパンツがぶら下がってるアル!」
「下着泥棒がほっておく訳ないだろ!」
「いや、あからさま過ぎるよ、なんか罠丸出しだし」
なかなか来ない原因では、と話す新八だが、他のみんなは諦める気はさらさらないようだ。
「新ちゃん、泥棒というのは目的までの障壁があるほど燃えるものなのよ」
「いや何勝手にキャラ設定してんですか!もし気の弱い泥棒だったらどうするんです」
「おい、デケー声出すんじゃねぇよ。泥棒にバレたら全部パーだぞ」
「パーなのは銀時の頭だろ」
「何だとコノヤロー!その乳もいで本当の男にしてやろうか!」
「やれるもんならやってみろよ!この天パ!」
「もう!暑いのに喧嘩しないで下さいよ!!」
少し蒸し暑いからか気が立っていた銀時と綾日言い合いを皮切りに、草陰に潜んでいたはずの皆が掴み合い、言い合いの喧嘩に発展していく。それを見兼ねた近藤が仲裁に入る。
「しょうがない、ここはちょっと休憩にするか。冷たいものでも買ってこよう」
近藤の言葉に掴み合ったまま各々欲しいものを伝え、それを聞いた彼は草陰から出ていく。
数歩進むと、ピッ、とボタンを押す音がし、次の瞬間には爆発音が響き渡った。
「あら、近藤さんが爆発したわ」
「あー暑かったからアルよ」
「んな訳ねぇだろ。自分で仕掛けた地雷を踏んだんだろ、馬鹿だねェ〜」
「…ちょっと待って。ひょっとしてどこに地雷埋めたかみんな覚えてないのか?」
爆発して倒れている近藤を見た後、綾日の問いかけに全員が顔を見合せ黙り込む。どうやら誰も覚えてないらしい。
「大変だわ、明日新聞配達のおじさんが爆発するわ」
「言ってる場合ですかァァァ!! 僕らこっから身動き取れなくなっちゃったんですよ!?もう泥棒とか言ってる場合じゃねーよ!!」
絶望的な現状に新八が頭を抱えていると、どこからか高笑いが聞こえてくる。そちらに視線をやると、屋敷の屋根の上に人影を見つけた。
「アハハハ!!滑稽だ、滑稽だよお前ら!!」
赤いフンドシを顔に覆い、ブリーフのみのその姿は間違いなく今まで目撃されたフンドシ仮面の情報と一致している。
「パンツのゴムに導かれ、今宵も駆けよう漢・浪漫道!怪盗フンドシ仮面見参!!」
「最悪だァァァ!!最悪のタイミングで出てきやがったァァァ!!」
「アッハッハッ!俺のために色々と用意してくれていたようだが、無駄に終わったようだな!」
ようやく現れたというのに地雷のせいで何もできず、奥歯を噛み締める。
「そこで指をくわえて見てるがいい。己のパンツが変態の手に渡るその瞬間を!」
屋根から華麗に縁側へと飛び降りる。これまでか、と誰もが諦めかけた瞬間、再び爆発が起こった。
「床の下にも地雷をセットして正解だったぜ」
「さすが綾日姉!!」
「やるじゃねーか」
フンドシ仮面が倒れているのを見ながら口角を上げた綾日は、神楽と銀時とハイタッチをする。
爆風で空へと舞い上がった下着はふわふわとゆっくり落ちていく。それを逃さぬように倒れたはずの彼が掴み取る。
「甘い……こんなものじゃ俺は倒れん。全国の変態達が俺の帰りを待っているんだ。こんな所で負ける訳にはいかない!最後に笑うのはこの俺よ!!」
さらば、と立ち上がり去ろうとするフンドシ仮面だったが、同じく地雷を踏み倒れたはずの近藤が彼の足を掴んだのだ。
「汚ぇ手でお妙さんのパンツを触るんじゃねぇ!!俺だって触ったことねぇんだぞチクショー!!」
「近藤さん!」
「万事屋ァ、何やってんだ早くしろ!今回はお前に譲ってやる!」
「うるせーな。言われなくても行ってやるさ、しっかり掴んどけよ!!」
銀時は木刀を構え、草陰から飛び出してフンドシ仮面まで一直線に走り出した。しかし、彼も例外なく地雷を踏み抜いてしまい爆発してしまった。
「フ、フハハハ!!やっぱり最後に笑うのはこの俺…」
今度こそ勝ったと思ったフンドシ仮面が笑っていると、爆発によってできた煙から人影が現れ、彼は言葉を詰まらせる。
その煙から飛び出してきたのは、爆発した銀時を踏み台にしたお妙と綾日だった。
「女をなめるんじゃねぇぇぇ!!!」
2人は声を揃え、薙刀と木刀でフンドシ仮面を撃退し、お妙は泥棒の手から自身の下着を取り返した。
「素顔も晒さない人に私のパンツはやれないわ。欲しけりゃ、素っ裸で正面から挑んできなさい。心までノーパンになってね」
彼女はいつもの笑顔でフンドシ仮面に言い放つ。
様子を見ていた神楽と新八が泥棒撃退に喜びながら草陰から出てくる。お妙と綾日が2人の声に振り返ると、お約束とばかりに、ピッ、と地雷が稼働する音が鳴る。
本日4度目の爆発が恒道館を襲ったのだった。
To Be Continued.