姉弟波乱組
名前
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正直、驚いた。いや、見直したかも。
落っこちた路地裏で暴漢に囲まれていたら、総悟と土方に助けてもらった。任意同行として屯所へ向かうパトカーの中で姉貴が言った。
「真選組隊士になろう!!」
それは、僕にだけ聞こえるように言った。
本当は無理に決まってると思ったけど、姉貴が『どんな手を使っても入隊させてもらう』って珍しく真面目な顔して言うから信じてみた。
そして今、その事を話そうとしてるのだと思う。
だって、顔を見たらいつになく真剣な顔をしてるから。
「別世界から来たなら、帰る場所は?」
「ありません」
近藤の問いに綾日が即答した。彼の隣で土方が小さくため息を吐いた。
それでも彼女は気にもせず口を開く。
「おれたちを真選組の隊士にして下さい!」
そう発したおれの言葉に4人とも唖然としている。
そりゃそうだ、こんな高校生2人が入隊希望だなんて思わなかっただろう。
…ここで生きる事はつまり、侍として生きる事ができるわけで。だから、真面目に隊士になりたいと思ってる。
覚悟はした、つもり。
それにここまで来たのなら進むしかねぇだろ。
「うーん、腕に自信があるのかな?」
「剣術ならおれも一希もそれなりに強いです!」
「まさか近藤さん、こんな餓鬼を隊士にするのか?!」
「いやあ、保護をするにしても居場所がないだろう?本人が望むならいいんじゃないか?」
「けどよ、」
「別に嫌なら諦めますよ」
渋る土方に予想外な言葉で遮った綾日に一希は驚いた。口を挟もうとしたが、彼女の口元がニヤリと笑ったのが見えたので様子を見ることにした。
「でも、さっき言った通りおれらは真選組のことを知っています。この情報、浪士に流すのも簡単な事……」
「……チッ、分かったよ」
脅しとも言える彼女の発言に仕方なく了承した。
土方は吸っていた煙草を机の上にある灰皿で火を消し、吸殻を捨てた。
「あくまで保護だからな、隊士には仮入隊ってことにしておいてやる」
釘を刺すようにそれだけ言うと先に取り調べ室から出て行ってしまった。
「あーあ、土方さんに目ぇ付けられやしたねィ」
「自分で言うのもあれだけど、明らかに怪しいッスからね…」
「俺には君たちが嘘ついてるように見えないんだがなぁ」
「局長はお人好しすぎですって」
不思議そうに話す近藤に山崎は苦笑いで返す。
でも嘘じゃないんだろう?と尋ねられた綾日はもちろんと頷いた。
「まあ、女にしては喧嘩慣れしてるだけみたいだし、仮入隊でちょうどいいんじゃねぇですかィ?」
「あ?何なら手合わせします、総悟隊長?」
沖田が挑発するように言うと、血の気の多い綾日は容易く乗ってしまった。そんな彼女を見て見直したはずの一希は心の中で「前言撤回」と呟いたのは言うまでもなかった。
「力試しか、君たちの実力も知れるしいい機会だ!だが、総悟とではなく2人で手合わせしてもらおうかな」
「ありゃ残念でしたねィ」
「入隊した時は覚悟しとけよ!!」
全く残念そうでない沖田に綾日は威勢よく言い放つが、彼はケラケラ笑うだけだった。
「山崎、2人を道場まで案内してやってくれ」
「はいよ」
「俺はトシを呼んでくる。手合わせを見たら少しは考え直してくれるかもしれんしな!」
がはは!と気持ち良く笑うと取り調べ室から出る。そして沖田も彼に続くように出て行った。
最後まで残ってた姉弟も山崎と一緒に部屋を後にし、言われた場所へ案内されるのだった。
→
落っこちた路地裏で暴漢に囲まれていたら、総悟と土方に助けてもらった。任意同行として屯所へ向かうパトカーの中で姉貴が言った。
「真選組隊士になろう!!」
それは、僕にだけ聞こえるように言った。
本当は無理に決まってると思ったけど、姉貴が『どんな手を使っても入隊させてもらう』って珍しく真面目な顔して言うから信じてみた。
そして今、その事を話そうとしてるのだと思う。
だって、顔を見たらいつになく真剣な顔をしてるから。
「別世界から来たなら、帰る場所は?」
「ありません」
近藤の問いに綾日が即答した。彼の隣で土方が小さくため息を吐いた。
それでも彼女は気にもせず口を開く。
「おれたちを真選組の隊士にして下さい!」
そう発したおれの言葉に4人とも唖然としている。
そりゃそうだ、こんな高校生2人が入隊希望だなんて思わなかっただろう。
…ここで生きる事はつまり、侍として生きる事ができるわけで。だから、真面目に隊士になりたいと思ってる。
覚悟はした、つもり。
それにここまで来たのなら進むしかねぇだろ。
「うーん、腕に自信があるのかな?」
「剣術ならおれも一希もそれなりに強いです!」
「まさか近藤さん、こんな餓鬼を隊士にするのか?!」
「いやあ、保護をするにしても居場所がないだろう?本人が望むならいいんじゃないか?」
「けどよ、」
「別に嫌なら諦めますよ」
渋る土方に予想外な言葉で遮った綾日に一希は驚いた。口を挟もうとしたが、彼女の口元がニヤリと笑ったのが見えたので様子を見ることにした。
「でも、さっき言った通りおれらは真選組のことを知っています。この情報、浪士に流すのも簡単な事……」
「……チッ、分かったよ」
脅しとも言える彼女の発言に仕方なく了承した。
土方は吸っていた煙草を机の上にある灰皿で火を消し、吸殻を捨てた。
「あくまで保護だからな、隊士には仮入隊ってことにしておいてやる」
釘を刺すようにそれだけ言うと先に取り調べ室から出て行ってしまった。
「あーあ、土方さんに目ぇ付けられやしたねィ」
「自分で言うのもあれだけど、明らかに怪しいッスからね…」
「俺には君たちが嘘ついてるように見えないんだがなぁ」
「局長はお人好しすぎですって」
不思議そうに話す近藤に山崎は苦笑いで返す。
でも嘘じゃないんだろう?と尋ねられた綾日はもちろんと頷いた。
「まあ、女にしては喧嘩慣れしてるだけみたいだし、仮入隊でちょうどいいんじゃねぇですかィ?」
「あ?何なら手合わせします、総悟隊長?」
沖田が挑発するように言うと、血の気の多い綾日は容易く乗ってしまった。そんな彼女を見て見直したはずの一希は心の中で「前言撤回」と呟いたのは言うまでもなかった。
「力試しか、君たちの実力も知れるしいい機会だ!だが、総悟とではなく2人で手合わせしてもらおうかな」
「ありゃ残念でしたねィ」
「入隊した時は覚悟しとけよ!!」
全く残念そうでない沖田に綾日は威勢よく言い放つが、彼はケラケラ笑うだけだった。
「山崎、2人を道場まで案内してやってくれ」
「はいよ」
「俺はトシを呼んでくる。手合わせを見たら少しは考え直してくれるかもしれんしな!」
がはは!と気持ち良く笑うと取り調べ室から出る。そして沖田も彼に続くように出て行った。
最後まで残ってた姉弟も山崎と一緒に部屋を後にし、言われた場所へ案内されるのだった。
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