姉弟波乱組
名前
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人生は何が起こるか分からないものだ。
非日常や異常なんて意外とすぐ起きるらしい。
じりじりと照りつけられた部屋は蒸し暑く、僅かに開けておいた窓から入ってくる風では火照った身体を冷ますことはできず、その寝苦しさに目を覚ました。
少し寝返りをうち、うっすらと開けた目で窓を見れば太陽がほぼ真上にいることが分かった。
もうそんな時間か、とゆっくりと身体を起こすとそのままリビングへと足を運んだ。
「おはよう、今何時?」
リビングに行くと、お風呂から上がったばかりらしい弟の一希がソファで寛いでいた。そんな彼は時計を見たまま返事をした。
「えっと…14時40分」
「お、自己ベスト更新~」
「夏休みだからってだらけ過ぎだし、どっちかというと自己ワーストッスよ」
別にいいじゃん、と一希の注意を受け流し、冷蔵庫に入ってたミルクティーを飲む。そんな姉である綾日を見て、一希は溜め息をついた。
「一希は稽古に行ってたのか?」
「もちろん。そろそろ姉貴も顔出せってさ」
「うへぇ…面倒だなぁ」
「そうやってサボるから僕に勝てないんスよ」
ふふん、と偉そうに言う一希に「うるせー」と短く返し、ダイニングの椅子に座れば彼の膝の上に今週号のジャンプがあることに気がつく。
「ジャンプ読み切った?」
「いや、まだ読み始めたばっか」
「あ!銀魂の新刊もあるじゃねぇか!」
「聞いといて返事聞かないんスね!」
全く話を聞いていない綾日はテーブルの上で見つけた単行本に手を伸ばす。そして、そのまま返事をすることなく読み始めた。
マイペースな姉に呆れつつ一希も読みかけのジャンプへと視線を戻したのであった。
「ん〜〜〜!!何度読んでもカッコイイ!!」
読み始めて1時間ぐらい経った頃、読み終えたらしい綾日が声を上げた。ペラペラと読み終えた漫画をもう一度捲りながら話し出す。
「ほらほら、こことか凄くね?!こんな風に戦えるの本当に憧れる!」
興奮しながら戦闘シーンを語る綾日の話をいつものように聞く一希。そして語るだけでは満足できなくなった彼女は、漫画の中のキャラと同じような動きをしながら話し始める。
「あ〜!考えてたらやりたくなってきた!」
「なら明日の稽古に参加することッスね」
「いや、稽古じゃなくて喧嘩?」
「やりたくてやるものじゃないっスけど?!」
「よし、今からちょっと付き合え!」
「えぇ…もうシャワー浴びたのに?」
「少しでいいから!」
渋る一希など構うことなく腕を引っ張り、リビングから庭へと連れて行く。そして自宅での練習用に置いてある木刀をお互いに持つ。
「まずは、打ち合おっか」
「もう仕方がないッスね……後で泣いても知らないッスよ?」
「あ?誰が泣くかっつーの!!」
「いきなりッスか!」
大きく振りかぶった綾日の木刀を受け止める。サボり気味とは言え、普段から身体を動かしている彼女の腕に鈍っている気配はない。
渋々付き合うことになった一希だが、稽古とは別で綾日と手合わせをするのは嫌じゃない。むしろ稽古と違って何も縛られずに木刀を振ることができるから楽しかったりするのだ。
「…いやあ、真面目に稽古行ってるだけあるね。せめぎ合うと流石にキツイわ」
「キツそうには見えないッスけどね? ほら、こっちの方がキツいっしょ!」
そう言って綾日の木刀を押し退けると横腹一直線に木刀を振るう。
「ぐぅ……!!」
瞬時に反応してギリギリで一希の木刀を受け止めるが苦痛で顔が歪む。そんな姉の表情を見た一希は口角を上げた。
「な、に、楽しそうに笑ってんだ…!」
「だって楽しいんスもん」
「こんのドSめ!!」
「?!」
ケラケラ笑う一希の足を蹴り払った。思わぬ蹴りに体勢を崩してしまうと今度は綾日が得意気に笑う。
「どうだ!柳生編でトシが北大路にかました蹴りは!」
「あれは足元が水中だからこその蹴りだと思うんスけど?」
「結局体勢を崩されてんだから同じだろ」
「………そうッスね」
不満そうに返事をして立ち上がる。
そして仕切り直してもう一度木刀を構える。
「少しムカついたから本気出す」
「はあ?!待って!それは聞いてねぇ!」
「姉貴が悪いッス」
グッと踏み込み距離を縮め、これでもかと打ち込む。一希の本気と聞き、すぐさま応戦するが流石に綾日が劣勢になっていくのだった。
→
非日常や異常なんて意外とすぐ起きるらしい。
日常×異常
銀魂好きに悪いやつはいない!
銀魂好きに悪いやつはいない!
じりじりと照りつけられた部屋は蒸し暑く、僅かに開けておいた窓から入ってくる風では火照った身体を冷ますことはできず、その寝苦しさに目を覚ました。
少し寝返りをうち、うっすらと開けた目で窓を見れば太陽がほぼ真上にいることが分かった。
もうそんな時間か、とゆっくりと身体を起こすとそのままリビングへと足を運んだ。
「おはよう、今何時?」
リビングに行くと、お風呂から上がったばかりらしい弟の一希がソファで寛いでいた。そんな彼は時計を見たまま返事をした。
「えっと…14時40分」
「お、自己ベスト更新~」
「夏休みだからってだらけ過ぎだし、どっちかというと自己ワーストッスよ」
別にいいじゃん、と一希の注意を受け流し、冷蔵庫に入ってたミルクティーを飲む。そんな姉である綾日を見て、一希は溜め息をついた。
「一希は稽古に行ってたのか?」
「もちろん。そろそろ姉貴も顔出せってさ」
「うへぇ…面倒だなぁ」
「そうやってサボるから僕に勝てないんスよ」
ふふん、と偉そうに言う一希に「うるせー」と短く返し、ダイニングの椅子に座れば彼の膝の上に今週号のジャンプがあることに気がつく。
「ジャンプ読み切った?」
「いや、まだ読み始めたばっか」
「あ!銀魂の新刊もあるじゃねぇか!」
「聞いといて返事聞かないんスね!」
全く話を聞いていない綾日はテーブルの上で見つけた単行本に手を伸ばす。そして、そのまま返事をすることなく読み始めた。
マイペースな姉に呆れつつ一希も読みかけのジャンプへと視線を戻したのであった。
「ん〜〜〜!!何度読んでもカッコイイ!!」
読み始めて1時間ぐらい経った頃、読み終えたらしい綾日が声を上げた。ペラペラと読み終えた漫画をもう一度捲りながら話し出す。
「ほらほら、こことか凄くね?!こんな風に戦えるの本当に憧れる!」
興奮しながら戦闘シーンを語る綾日の話をいつものように聞く一希。そして語るだけでは満足できなくなった彼女は、漫画の中のキャラと同じような動きをしながら話し始める。
「あ〜!考えてたらやりたくなってきた!」
「なら明日の稽古に参加することッスね」
「いや、稽古じゃなくて喧嘩?」
「やりたくてやるものじゃないっスけど?!」
「よし、今からちょっと付き合え!」
「えぇ…もうシャワー浴びたのに?」
「少しでいいから!」
渋る一希など構うことなく腕を引っ張り、リビングから庭へと連れて行く。そして自宅での練習用に置いてある木刀をお互いに持つ。
「まずは、打ち合おっか」
「もう仕方がないッスね……後で泣いても知らないッスよ?」
「あ?誰が泣くかっつーの!!」
「いきなりッスか!」
大きく振りかぶった綾日の木刀を受け止める。サボり気味とは言え、普段から身体を動かしている彼女の腕に鈍っている気配はない。
渋々付き合うことになった一希だが、稽古とは別で綾日と手合わせをするのは嫌じゃない。むしろ稽古と違って何も縛られずに木刀を振ることができるから楽しかったりするのだ。
「…いやあ、真面目に稽古行ってるだけあるね。せめぎ合うと流石にキツイわ」
「キツそうには見えないッスけどね? ほら、こっちの方がキツいっしょ!」
そう言って綾日の木刀を押し退けると横腹一直線に木刀を振るう。
「ぐぅ……!!」
瞬時に反応してギリギリで一希の木刀を受け止めるが苦痛で顔が歪む。そんな姉の表情を見た一希は口角を上げた。
「な、に、楽しそうに笑ってんだ…!」
「だって楽しいんスもん」
「こんのドSめ!!」
「?!」
ケラケラ笑う一希の足を蹴り払った。思わぬ蹴りに体勢を崩してしまうと今度は綾日が得意気に笑う。
「どうだ!柳生編でトシが北大路にかました蹴りは!」
「あれは足元が水中だからこその蹴りだと思うんスけど?」
「結局体勢を崩されてんだから同じだろ」
「………そうッスね」
不満そうに返事をして立ち上がる。
そして仕切り直してもう一度木刀を構える。
「少しムカついたから本気出す」
「はあ?!待って!それは聞いてねぇ!」
「姉貴が悪いッス」
グッと踏み込み距離を縮め、これでもかと打ち込む。一希の本気と聞き、すぐさま応戦するが流石に綾日が劣勢になっていくのだった。
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