短編
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ー 喫茶ポアロ ー
梓「じゃーーん!
このコスチューム 可愛いでしょ?
マイちゃんにとっても似合うと思うの!」
梓さん…
私に そんな難易度の高い格好をしろっていうの…?
ーーー
今日は10月31日。
所謂ハロウィンというやつだ。
日本は いつからこんな仮装パーティーにお金と労力を費やすようになったのだろう。
ここ 喫茶ポアロも、少なからずその影響を受けているようだ。
なんでも、31日に仮装をして来店したお客さんには 食事メニューが全て半額になるというサービスを行うのだそうだ。
その日は忙しくなるだろうから、是非 マイちゃんにもお手伝いしてほしいと頼まれ、いいよ と気軽に承諾したのが間違いだった…
…店員の私達まで仮装するなんて聞いてないよ!?
そして冒頭に戻るのだった。
.
.
.
「あ、梓さん… これ、着なきゃダメ…?」
梓「ふふ、これもお仕事だと思って 頑張って!
それじゃあ、着替え終わったら お料理運ぶの手伝ってね。」
バタン。
…うぅ
お断りする前に行っちゃった…
梓さんが選んでくれたであろうコスチュームを両手に 暫く立ち尽くしていたけれど、これも任務だと思い込んで、諦めて可愛いそれに着替え始めた。
.
.
.
わぁ…
こんなの着たの初めてかもしれない。
魔女の相棒、黒猫がモチーフになっているのだろうか。
黒い猫耳のカチューシャに、大きな鈴の付いたチョーカー。
スカートは下着が見えないギリギリの丈で、ご丁寧に猫の尻尾まで付いている。
これで人前に出るの 恥ずかしいな…
でも、梓さんには何故だか逆らえない…
スカートの裾をはらって 恐る恐る表へ出た。
ーーー
「梓さん、このお料理 どこに運んだらいいですか?」
梓「あら、可愛い黒猫さん!やっぱり似合ってる!
じゃあ、8番テーブルにお願いできる?」
「はい、わかりました」
梓さんは魔女のコスチュームらしく、大きな赤色のりぼんに 藍色のドレス、肩には黒猫の縫いぐるみが ちょこんと座っていた。
まるで 某魔女っ子アニメのようで 可愛らしい。
その隣りを見てみると、真っ白な…じゃなくて 色黒の吸血鬼が 慣れた手つきでサンドイッチを作っていた。
降谷さんはやっぱりドラキュラ伯爵か。
金のモノクルに、真っ黒なマント。
尖った耳に、口元からは長い牙まで見え隠れしている。
癪だけど まぁ、似合ってるんだよね…
安室さん目当てのお客も ちらほら来ているようで、女の子同士 頰を赤らませて はしゃいでいる。
あ、
その噂の吸血鬼と 目が合ってしまった…
.
.
.
〜降谷(安室)side〜
今日は、オーナーの提案で『ポアロお客さま感謝デー ハロウィンver. 』というものを開催しているのたが、
僕たち販売側も仮装をさせられている。
最初こそ戸惑ったが、お客さんと一体となって楽しめるこのイベントも たまには悪くないと思えた。
衣装は梓さんが調達してきたものらしい。
たしか、マイの分も用意したと言っていたな。
嫌そうに着替える彼女の顔が頭に浮かんで 思わず笑みがこぼれた。
梓「じゃあ、8番テーブルさんに運んでもらえるかしら?」
どうやら バックヤードから出てきたようだ。
サンドイッチを作りながら、料理の配膳を頼まれたマイを 横目で見やる。
ーー!!
なんと言ったらいいか…
その…
梓「安室さん! マイちゃんの衣装可愛いくないですか?
1時間もかけて悩んだんですよ!」
安室「え! …えぇ。
よく似合ってますね…」
僕は お冷とサンドイッチをトレーにのせ、フロアに出た。
〜降谷(安室)side 終〜
.
.
.
「お待たせしました。特製イカスミパスタでございます」
客「これはこれは 可愛らしい黒猫さん、どうもありがとう」
「いえ、ごゆっくりどうぞ」
…尻尾がふわふわして ちょっと歩きづらいな。
と 思っていたその時
「きゃっ!!」
え、何… 冷たっ…
これは、水…?
安室「失礼しました!
お客さまの方に お水はかかっていませんか!?」
客「は、はい。私は大丈夫です!
それより、隣りの黒猫さん びしょ濡れですよ?」
安室「それは大変だ! すぐに着替えさせますね!」
「え… ち、ちょっと!」
安室さんに背中を押され、勢いのまま バックヤードへ押し込まれてしまった。
.
.
.
安室「マイ、すまない。
せっかくの衣装だが、いつもの服と このエプロンに着替えてくれ。
濡れたままでは風邪を引くぞ」
「う、うん…」
安室「じゃあ、先に行ってるからな」
カシャ。
え……
「ねぇ! 今 写真撮った!?」
安室「そんなわけないだろう。
気のせいだ」
「うそ!! 今 シャッター音したもん!」
安室「早く着替えて 仕事に戻れ」
バタン。
ーー あの 童顔色黒吸血鬼ッ!!
…はぁ
この感じだと 水引っ掛けたのも わざとだ…
.
.
.
梓「あれ? マイちゃんは どこに行ったんでしょう?」
安室「すみません、梓さん。
僕が 水をこぼしてしまって…
彼女の衣装も濡れてしまったので、今 奥に着替えに行ってもらってます」
梓「あら、そうなんですね!
でも 惜しかったなぁ…
もう少し 黒猫ちゃんの格好してて欲しかったのに…」
安室「そうですね…」
(あんな姿、他の人には見せられないな…)
〜 fin.〜
梓「じゃーーん!
このコスチューム 可愛いでしょ?
マイちゃんにとっても似合うと思うの!」
梓さん…
私に そんな難易度の高い格好をしろっていうの…?
ーーー
今日は10月31日。
所謂ハロウィンというやつだ。
日本は いつからこんな仮装パーティーにお金と労力を費やすようになったのだろう。
ここ 喫茶ポアロも、少なからずその影響を受けているようだ。
なんでも、31日に仮装をして来店したお客さんには 食事メニューが全て半額になるというサービスを行うのだそうだ。
その日は忙しくなるだろうから、是非 マイちゃんにもお手伝いしてほしいと頼まれ、いいよ と気軽に承諾したのが間違いだった…
…店員の私達まで仮装するなんて聞いてないよ!?
そして冒頭に戻るのだった。
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「あ、梓さん… これ、着なきゃダメ…?」
梓「ふふ、これもお仕事だと思って 頑張って!
それじゃあ、着替え終わったら お料理運ぶの手伝ってね。」
バタン。
…うぅ
お断りする前に行っちゃった…
梓さんが選んでくれたであろうコスチュームを両手に 暫く立ち尽くしていたけれど、これも任務だと思い込んで、諦めて可愛いそれに着替え始めた。
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わぁ…
こんなの着たの初めてかもしれない。
魔女の相棒、黒猫がモチーフになっているのだろうか。
黒い猫耳のカチューシャに、大きな鈴の付いたチョーカー。
スカートは下着が見えないギリギリの丈で、ご丁寧に猫の尻尾まで付いている。
これで人前に出るの 恥ずかしいな…
でも、梓さんには何故だか逆らえない…
スカートの裾をはらって 恐る恐る表へ出た。
ーーー
「梓さん、このお料理 どこに運んだらいいですか?」
梓「あら、可愛い黒猫さん!やっぱり似合ってる!
じゃあ、8番テーブルにお願いできる?」
「はい、わかりました」
梓さんは魔女のコスチュームらしく、大きな赤色のりぼんに 藍色のドレス、肩には黒猫の縫いぐるみが ちょこんと座っていた。
まるで 某魔女っ子アニメのようで 可愛らしい。
その隣りを見てみると、真っ白な…じゃなくて 色黒の吸血鬼が 慣れた手つきでサンドイッチを作っていた。
降谷さんはやっぱりドラキュラ伯爵か。
金のモノクルに、真っ黒なマント。
尖った耳に、口元からは長い牙まで見え隠れしている。
癪だけど まぁ、似合ってるんだよね…
安室さん目当てのお客も ちらほら来ているようで、女の子同士 頰を赤らませて はしゃいでいる。
あ、
その噂の吸血鬼と 目が合ってしまった…
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〜降谷(安室)side〜
今日は、オーナーの提案で『ポアロお客さま感謝デー ハロウィンver. 』というものを開催しているのたが、
僕たち販売側も仮装をさせられている。
最初こそ戸惑ったが、お客さんと一体となって楽しめるこのイベントも たまには悪くないと思えた。
衣装は梓さんが調達してきたものらしい。
たしか、マイの分も用意したと言っていたな。
嫌そうに着替える彼女の顔が頭に浮かんで 思わず笑みがこぼれた。
梓「じゃあ、8番テーブルさんに運んでもらえるかしら?」
どうやら バックヤードから出てきたようだ。
サンドイッチを作りながら、料理の配膳を頼まれたマイを 横目で見やる。
ーー!!
なんと言ったらいいか…
その…
梓「安室さん! マイちゃんの衣装可愛いくないですか?
1時間もかけて悩んだんですよ!」
安室「え! …えぇ。
よく似合ってますね…」
僕は お冷とサンドイッチをトレーにのせ、フロアに出た。
〜降谷(安室)side 終〜
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「お待たせしました。特製イカスミパスタでございます」
客「これはこれは 可愛らしい黒猫さん、どうもありがとう」
「いえ、ごゆっくりどうぞ」
…尻尾がふわふわして ちょっと歩きづらいな。
と 思っていたその時
「きゃっ!!」
え、何… 冷たっ…
これは、水…?
安室「失礼しました!
お客さまの方に お水はかかっていませんか!?」
客「は、はい。私は大丈夫です!
それより、隣りの黒猫さん びしょ濡れですよ?」
安室「それは大変だ! すぐに着替えさせますね!」
「え… ち、ちょっと!」
安室さんに背中を押され、勢いのまま バックヤードへ押し込まれてしまった。
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安室「マイ、すまない。
せっかくの衣装だが、いつもの服と このエプロンに着替えてくれ。
濡れたままでは風邪を引くぞ」
「う、うん…」
安室「じゃあ、先に行ってるからな」
カシャ。
え……
「ねぇ! 今 写真撮った!?」
安室「そんなわけないだろう。
気のせいだ」
「うそ!! 今 シャッター音したもん!」
安室「早く着替えて 仕事に戻れ」
バタン。
ーー あの 童顔色黒吸血鬼ッ!!
…はぁ
この感じだと 水引っ掛けたのも わざとだ…
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梓「あれ? マイちゃんは どこに行ったんでしょう?」
安室「すみません、梓さん。
僕が 水をこぼしてしまって…
彼女の衣装も濡れてしまったので、今 奥に着替えに行ってもらってます」
梓「あら、そうなんですね!
でも 惜しかったなぁ…
もう少し 黒猫ちゃんの格好してて欲しかったのに…」
安室「そうですね…」
(あんな姿、他の人には見せられないな…)
〜 fin.〜
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