気を抜くと跡部様の話ばっかしてる

小狡い王様

2024/04/06 13:56
跡部様
丸井くんのお話これにておちまいです。本当は、こんくらいの重量の話がさくさく書けたらいいんだけどなあ。でもこの長さだと私の好きな“すれ違い”とか“修羅場”のある話じゃ無理なんだよな〜

次は眼鏡です!侑士くんね
本当ならこっちを先に書くんだったのに突然のブン太熱にやられちまったのよ。
忍足を書くとは言いながら全くと言っていいほど決まってないんですけどね。でも、3話じゃおさまらないだろうからまたゆるゆるやってこうと思います。

それより。
こないだの、ドイヒー跡部くん妄想日記を改めて見返したんです。あれを書いてた時わたしは確か酒を飲んでいた。だからあんなヘンテコな妄想してたんだなぁ。
でも、日にちをおいたら跡部VS手塚書くのいいんじゃね?って思えるようになった。
せっかくだからあの設定でちょっと妄想してた↓↓











『今までありがとう。元気で』
こんなメールが突然きて意味が分かるわけない。すぐに折り返し電話をかけてみても相手は出なかった。どうしてなの、と馬鹿みたいに1人で呟いていた。呟きながらさっきのメールを呆然と眺める。そして気づく。そのメッセージはそれで終わりじゃなかった。指で画面をゆっくりスクロールしてゆく。そこに出てきた人物の名前を見た時、居ても立ってもいられなかった。
おそらくあの男は今の時間テニス部の部室にいるだろう。私は足早にそこへ向かった。

――許せない。
走りながら、もう頭の中に国光は居なくなっていた。今はあの男への怒りで殆ど埋め尽くされていた。考えたら、国光がいきなりあんなこと言うなんて可笑しい。絶対何かがあったんだ。その“何か”が、どうやらあの男のせいらしい。だから今から話をつけに行く。
もしかしたら、部室には彼以外の他の誰かがいるかもしれない。でもそんなことは最早どうでもよかった。そう思えるくらい私の頭には血が上っていた。
思いきりドアを開けると部屋の中にいたのは彼1人だけだった。驚くどころか薄ら笑いを浮かべている。まるで私が来ることを読んでいたかのように、悠然と大きなソファに座って待ち受けていた。
「どうした、怖い顔して」
「国光に何言ったの」
「おいおい、なんだ不躾に。俺に会いに来たんだろう?なのに他のヤロウの名前なんか出すなよ」
「ふざけないでよ。あんたが何か言ったんでしょ?だから国光はあんなメールを送ってきたのよ」
「何の話だか俺にはさっぱり分からねぇな」
「ウソ」
そんなはずない。分かってる。相手の態度が無関係なわけがないことを証明している。隠すつもりがないのか、跡部は相変わらず余裕の笑みで踏ん反り返っている。
「ごちゃごちゃうるせぇなぁ。お前らが勝手に拗れただけだろ?それを八つ当りされる筋合いはねぇよ」
「……本当に何も言ってないの?」
「フン。もしかしてお前、手塚に捨てられたのか?」
捨てられた。そういうことになるのか。あのメールは、これでおしまいという意味なのだ。今更ながらそれを思い知った。瞬間、軽い目眩がした。もう国光に会えない。そのことをじわじわ実感してくる。
「ということはつまり、お前は俺様に慰めてもらいたくてここへ来たということか」
「……ばっかじゃないの」
何が面白いんだか知らないが、跡部は私と正反対に楽しげに目を細める。ちっとも笑えるもんか。むしろ泣きたい。声をあげて人目も憚らないほどの泣き方をしたい。それくらい国光のことが好きだった。大切な人だった。なのにこんな形で終わらせられてしまうなんて。
「もういい」
たとえもう修復できないとしても、これ以上ここにいるべきじゃない。さっきまでの激しい怒りは悲しさへと変わりつつあった。悲しむのはこんな所じゃなく、1人になってからゆっくり泣こう。この男にどうこう言っても無駄なのだ。それが分かって、途端に虚しさにまで襲われる。
帰ろうとドアノブを握ろうとした私の手が空を切った。どうして届かないのと思った直後、進もうとしていた反対方向に引きずり込まれる。背中に柔らかい衝撃を受けた。
「え」
跡部が座っていたはずのソファに私が寝ている。そして私の上に彼が覆い被さっている。その顔はとても嫌な笑みを浮かべていた。こんな時でも整った顔だと思えるのが腹立たしい。
「教えてやろうか。手塚に何を言ったのか」
「……やっぱり、言ったんじゃない」
「まぁ聞けよ」
彼は私の耳元に唇を寄せ囁いた。低く甘い声で真相を告げられ、もう一度私の中に怒りの感情が沸き起こってきた。許せない。思いきり突き飛ばしてやりたい。だけどそう容易くはできない力で押さえつけられている。今の私は手の指1本すら動かせなかった。だから、唯一自由な口を動かす。
「……最低。ひどいよ、どうしてそんなことするの?」
「どうして、だと?」
私の上でククク、と圧し殺すように笑う。この人が笑うたび私は追い詰められた気分になる。もう逃げられない、と告げられているような気に。
「本当にお前は何も分かっちゃいねぇよな。今の今まで、ただ馬鹿正直に手塚のことしか見ねぇで」
「それのどこがいけないって言うの?」
「そういう所が、見ていて苛つくんだよ」
私の手首をつかまえる力が強まる。思わず顔を顰めたけど何も変わらなかった。
「振られたってのに何だその目は。お前はどこを見ている?」
「やめて。離してよ」
「俺を見ろよ」
絶対的な言い様で反抗なんてできなかった。今の彼に恐怖を感じた。ひどいのは彼なのに、怒っているのは私のほうなのに。これじゃまるで形勢逆転じゃないか。
「お前の気持ちなんか、もう関係ない」
ゆっくりと綺麗な顔が近づいてくる。逃げられない。彼が何をしようとするのかが分かったから、私は反射的にぎゅっと目を瞑った。忍び笑いがすぐそこで聞こえた。





的な?うーん、うーん…………なんかなぁ。もっとドロドロにしたいんだけどなぁ。けっきょく、私が書く話はどれもこれも展開が似ちゃうんですけど……。でも、これに関してはもう“悪い跡部景吾”全開にしたいんだ。とは言っても、そもそも跡部様はこーゆうずる賢い真似をする人じゃないんだよね……。嘘をついたりコソコソ裏で手をまわすとか、しないからなぁ。奪うんなら正々堂々、真正面から挑んでくるのがキングですもんね。

それに、書くとしたら主人公はもうちょっと儚げな子がいいな、私の好み的に。↑みたいな勝ち気な子よりどこか引っ込み思案な子のほうが好き。跡部様の好みのタイプは“勝ち気な人”なのだが、全くそういう女の子が書けないんだわさ。

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