第七訓
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「いやっ!!いいんだお妙さん!!君がどんな人生を歩んでいようと俺はありのままの君を受けとめるよ。君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」
「愛してねーよ」
許嫁の存在を前にしても全く引く気のない男はお妙からの冷たい言葉にももろともせずおもむろに銀時を指差す
「オイ白髪パーマ!!お前がお妙さんの許嫁だろーと関係ない!!お前なんかより俺の方がお妙さんを愛してる!!」
「決闘しろ!!お妙さんをかけて!!」
――――⋯⋯⋯
男の決闘宣言から場所をファミレスから人気の少ない河原へと変えた才花達
「よけいなウソつかなきゃよかったわ。なんだかかえって大変な状況になってる気が…」
そう言い橋の上から後悔するように呟くお妙
ちなみに河原には男一人しか立っておらず何故か肝心な対戦相手である銀時の姿がない
「それにあの人多分強い…。決闘を前にあの落ちつきぶりは何度も死線をくぐり抜けてきた証拠よ」
「心配いらないヨ。銀ちゃんピンチの時は私の傘が火を吹くネ」
不安そうにお妙が話すと隣で機関銃の仕込まれた番傘を構えながらキメ顔で答える神楽
「なんなのこの娘は」
それを見て志村姉弟は若干困惑顔を浮かべた
「おいッ!!アイツはどーした!?」
『ん?あぁ…なんか厠いってくるって言ってた』
いつまでも来ない銀時にしびれを切らした男が尋ねると橋の欄干に座り足をぶらぶら揺らしていた才花が答える
すると丁度河原の奥…堤防敷の向こうから銀時がのんびりとした足取りで歩きながらようやく来た
「来たっ!!遅いぞ。大の方か!!」
「ヒーローが大なんてするわけねーだろ。糖の方だ」
「糖尿に侵されたヒーローなんてきいたことねーよ!!」
そんな冗談のような会話を軽く交わした後気持ちを切り替え直した男は真剣な目をし銀時を見る
「得物はどーする?真剣が使いたければ貸すぞ。お前の好きにしろ」
「俺ァ木刀(コイツ)で充分だ。このまま闘ろうや。オーイ才花審判役は頼んだぞ」
『うぃーっす』
銀時に呼ばれた才花はユルい返事をすると座っていた欄干からそのまま飛び降り二人のいる河原に軽やかに着地した
「なめてるのか貴様」
一方真剣を腰にした相手を前にしながらも大して気にした様子もなく平然と木刀を手にする銀時に男の眉間のシワが深くなる
「ワリーが人の人生賭けて勝負できる程大層な人間じゃないんでね。代わりと言っちゃ何だが俺の命を賭けよう」
笑みを浮かべながらそう言う銀時
「お妙の代わりに俺の命を賭ける。てめーが勝ってもお妙はお前のモンにならねーが邪魔な俺は消える。後は口説くなりなんなり好きにすりゃいい。勿論俺が勝ったらお妙からは手ェ引いてもらう」
続く銀時の言葉を聞いたお妙は目を見開く
「(自分の命を白刃の元にさらして負けても私には危害を及ぼさないようにするつもり!?)」
「それでいいだろ審判さん?」
『どーぞご勝手に』
変わらず笑みを浮かべたまま審判役の妹に尋ねた銀時に対し才花はというと兄の命が掛かっているにも関わらず大して興味がないようなどこか投げやりな返事をする
「ちょっ止めなさい!!
銀さん!!才花ちゃんも!」
しかし決闘の条件に納得出来ないお妙が橋の欄干から身を乗り出し叫ぶ
「クク…」
「?」
すると不審そうにしていた男が突然笑い出した
「い~男だなお前。お妙さんがほれるはずだ。いや…女子より男にもてる男と見た」
そして腰に差していた真剣を鞘ごと抜くと審判役の才花へと投げた
『おっ…と』
パシッ
それをキャッチする才花
「小僧お前の木刀を貸せ」
「?」
カラン
銀時の心意気を買った男は自身も木刀で勝負することを決め新八のを借りようとするが渡されるよりも前に柄に洞爺湖と彫られた木刀が足元へと転がってきた
「てめーもいい男じゃねーか。使えよ俺の自慢の愛刀だ」
その木刀を投げたのは銀時
「銀さん」
男は銀時から渡された木刀を拾い手にし銀時は新八が投げ渡してきた木刀と受け取る
「勝っても負けてもお互い遺恨はなさそーだな」
「ああ純粋に男として勝負しよう」
対峙した二人は互いに木刀を構えて見つめ合う
『それじゃ二人とも準備はいいねー』
男の刀を肩に担ぎ丁度近くにあった大きな石の上に立った才花は終始変わらずの軽い口調で二人に尋ねた
「あぁ」
「おう!」
二人からの了承の返事を聞くと片手を挙げる
『ルールは一本勝負。では両者ー⋯』
「いざ!!」
「尋常に」
『始め!』
「「勝負!!」」
短く叫んだ才花が片手を振り下ろしたと同時に銀時と男は地を強く蹴って飛び出す
片手で木刀を持つ銀時に対し男は両手で木刀を握り上段の構えで向かって行く
その時ー
「あれ?」
男の持つ木刀が柄から先を約10センチ程残しただけで刀身がほぼ丸々無くなっていた
「あれェェェェェェ!?
ちょっと待て先っちょが…」
男は突如刀身の消えた木刀を見て当然ながら困惑し必死に待つよう叫ぶが銀時は減速することなく構わず突っ込んで来る
ドゴッ
「ねェェェェェェェェェェェェェェ!!」
ザザザザザーッ
そしてフルスイングで振った木刀を男の顔へ叩き込みそのまま吹き飛ばした
叫び声と共に男は砂煙を上げながら河原を転がっていく
橋の上から見ていた新八達はまさかの勝負のつき方に言葉を失いただ唖然とする