第五訓
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「オイ“るろうに剣心”の台詞そのままパクってんじゃねーよ」
『あらーバレてしまったでござるか』
「ったりめーだろ」
バシッ
『いでっ』
最後を締める才花の深い言葉がまさかの他者の作品からの丸パクりという銀時からの指摘と加えて指摘された途端に開き直り似せる気ゼロの雑な物真似をする才花に新八や桂達全員の感動は霧散した
「銀ちゃん、才花」
そんな何とも言えない空気の中神楽が相対する銀時と桂の間に現れた
「?」
『どしたぁ?』
「コレ…いじくってたらスイッチ押しちゃったヨ」
『あららー』
時限爆弾を手に笑いながら言う神楽に今度は銀時を含めた全員が言葉を失い青ざめる中やはり才花だけはいつも通りの呑気な声を上げた
―――⋯⋯
「オーイ出てこーい。マジで撃っちゃうぞ~」
廊下では真選組の隊士達がバズーカ砲を構え部屋の入口を取り囲んでいた
「土方さん夕方のドラマの再放送始まっちゃいますぜ」
「やべェビデオ予約すんの忘れてた。さっさと済まそう。発射用意!!」
土方の号令を合図に隊士達がバズーカ砲の引き金に力を込めたその時ー
ドゴォォン
「!!」
突如銀時、才花、新八、神楽の四人が襖を蹴破り飛び出して来た
「「!!」」
まさか向こうから出てくるとは思いもせず目を見開き驚く土方と沖田
一方部屋から出てきた銀時達はそのまま止まることなく自分を取り囲む隊士の方へ突っ走って来る
「なっ…何やってんだ止めろォォ!!」
「止めるならこの爆弾止めてくれェ!!爆弾処理班とかさ…なんかいるだろオイ!!」
そう言って銀時が手に持つ時限爆弾の残り時間は10秒しかない
「おわァァァ爆弾もってんぞコイツ!」
「ちょっ待てオイぃぃぃ!!」
だが周りの隊士達も爆弾を見た途端に悲鳴を上げながら銀時達から逃げていく
「げっ!!あと6秒しかねェ!!」
「銀さん窓窓!!」
新八が走っている廊下の先にある窓を指差すがこのまま走って外へ投げ捨てるには僅かに距離が遠い
「無理!!もう死ぬ!!」
『銀時かしてみ』
「え?」
すると銀時のすぐ隣から緊張感と危機感の欠片の全くない声がしたかと思えば才花が銀時の手から爆弾を奪いそのまま三人を追い抜いていった
「え!?才花ちゃん!?はやァァ!!」
驚き声を上げる新八達も勿論全速力で走ってはいるがそれでも才花との距離は離れていくばかり
これなら間に合うかと思われたがしかし……
『あーコレやっぱ無理かも~』
「オイぃぃぃ!!」
ここに来てあっさり無理だと言い出すまさかの才花の言葉に今度は銀時が声を上げる
「銀ちゃん歯ァくいしばるネ」
「!」
そこへ次に神楽の声が背後からし銀時がふと振り返ると神楽は番傘をバットのように構えていた
「ほあちゃアアアアア!!」
ギャィィン
次の瞬間雄叫びと共に見事なフルスイングで銀時をボールの如く打ち飛ばす神楽
「ぬわアアアアア!!」
打たれた銀時はというと悲鳴を上げながら窓へと一直線に飛ばされる
そして向かうその目の前には残り時間3秒の爆弾を持つ才花がいた
『ん?』
後方から聞こえてくる銀時の悲鳴に気付き振り返る才花
『うわぁぁぁああ!!』
ゴパン
珍しい才花の悲鳴が上がる中激突した銀時と才花は直線運動の力が働くままの勢いで窓ガラスをも突き破り高さ十五階の建物から外へ放り出された
「ふんぐっ!!」
ブォン
空中で才花を抱えた銀時は妹の手から残り時間1秒の爆弾を奪うと渾身の力を入れ上空に投げた
ドガァン
そして爆弾は建物の屋上まで上がった瞬間大使館の時を上回る轟音と熱風を起こしながら空中で爆発した
「ぎっ…銀さーん!!才花ちゃーん!!」
「銀ちゃん才花さよ~なら~!!」
新八と神楽は銀時と才花が突き破った窓から身を乗り出し二人の名を叫ぶ
土方や沖田達真選組は上空で起こった大爆発にただ目を見張っていた
そして建物の屋上に佇む桂は爆煙が立ち込めるビルの谷間を見下ろす
「美しく最後を飾りつける暇があるなら最後まで美しく生きようじゃねーか」
「フン美しい生き方だと?アレのどこが美しいんだか」
そうほくそ笑みながら桂が見つめる先には向かいのビルの垂れ幕にしがみ付きながら青ざめている銀時とその背中に同じようにしてしがみ付き呑気に欠伸を漏らす才花の姿があった
「…だが昔の友人が変わらずにいるというのも悪くないものだな…」
一人呟く桂は銀時と才花に背を向け歩き出すと部下が手配した小型の飛行船に乗り込んでいくのだった
END