第五訓
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「俺達の戦はまだ終わってなどいない。貴様らの中にとてまだ残っていよう銀時…才花…」
「国を憂い共に戦った同志達(仲間)の命を奪っていった幕府と天人に対する怨嗟の念が…」
桂の言葉に何も言わずただ互いを横目に見合う銀時と才花
「天人を掃討しこの腐った国を立て直す。我等生き残った者が死んでいった奴等にしてやれるのはそれぐらいだろう」
「我等の次なる攘夷の標的はターミナル。天人を召喚するあの忌まわしき塔を破壊し奴等を江戸から殲滅する。だがアレは世界の要…容易にはおちまい。お前らの力がいる。銀時、才花」
「既に我等に加担したお前らに断る道はないぞ。テロリストとして処断されたくなくば俺と来い。迷う事はなかろう。元々お前らの居場所はここだったはずだ」
「銀さん…才花ちゃん……」
話し続ける桂に対し全く口を開かない二人を心配そうに新八と神楽が見つめていると……
バン
「「「!!」」」
突如部屋の襖が大きな音を立てて蹴破られそこから帯刀した黒服の男達が大勢で土足のまま部屋へ上がり込んできた
「御用改めである。神妙にしろテロリストども」
大勢いる男達の中心でそう威勢良く声を上げるのは土方
「しっ…真選組だァっ!!」
「イカン逃げろォ!!」
土方達を見た途端攘夷志士達は青ざめる
「一人残らず討ちとれェェ!!」
土方が叫ぶと黒服の男達が刀を抜き一斉に桂達へと襲いかかってきた
ゴワッシャ
銀時が土方達の入って来たのとは反対側の襖を蹴破ると新八達はそこから部屋を飛び出して一目散に逃げ出す
「おいバカ!逃げんぞ才花!」
ガシッ
『ぐえ…っ』
その中で一人テンポに遅れ煎餅を片手にぼーっと突っ立っていた才花を銀時は襟首を引っ掴みそのまま引きずるようにして連れ出した
「なななななんですかあの人ら!?」
「武装警察「真選組」反乱分子を即時処分する対テロ用特殊部隊だ」
建物の廊下を走りながら叫ぶ新八に桂が答える
「厄介なのにつかまったな。どうしますボス?」
「だーれがボスだ!!
お前が一番厄介なんだよ!!」
『銀時~さっき引っ張られた時に煎餅落とした。まだ6枚しか食べてないのに。あと襟伸びちゃう』
「知るか!オメーはさっきから煎餅食い過ぎなんだよ!煎餅小僧か!?てか何だ煎餅小僧って!!」
「銀さんそれを言うなら多分豆腐小僧です!」
「ヅラ。ボスなら私に任せるヨロシ。善行でも悪行でもやるからには大将やるのが私のモットーよ」
「オメーは黙ってろ!!
何その戦国大名みてーなモットー!」
真選組の追跡から逃げながら桂、才花、神楽と計三人に見事ツッコミを入れた銀時
その時ー
「オイ」
不意に背後から低い声がし振り向く銀時だが…
ズガン
「ぬを!!」
『ふごっ!!』
それと同時に反射で才花を抱え床に倒れ込むと二人の頭上を掠めながら一本の刀が廊下の壁に突き刺さる
「逃げるこたァねーだろ。
せっかくの喧嘩だ。楽しもうや」
壁に刀を刺した土方が床に倒れてる銀時、才花の二人を鋭い眼光で見下ろす
「オイオイおめーホントに役人か。よく面接通ったな。瞳孔が開いてんぞ」
『あららホント。ご臨終ですな』
「誰がご臨終だ!人のこと言えた義理かてめー!死んだ魚のよーな瞳ェしやがって」
「いいんだよ。いざという時はキラめくから」
銀時と土方がそんな言い合いをしていると
「土方さん危ないですぜ」
「「!」」
『お?』
ドゴン
「うおわァァァ!!」
また別の声が聞こえたかと思った途端三人の所にバズーカ砲が飛来し小さな爆発が起こると土方が悲鳴を上げた
「生きてやすか土方さん」
バズーカ砲を放った張本人の沖田が爆煙立ち込める中をのんびりとした口調と足取りでやって来る
「バカヤロー!おっ死ぬところだったぜ」
「チッしくじったか」
「しくじったって何だ!!
オイッ!こっち見ろオイッ!!」
どうやらさっきのバズーカ砲は銀時と才花をというより土方を狙って撃たれたもののようだ
そうしてる内に爆煙が晴れ視界が良くなる
だが辺りを見渡しても土方と共に爆発に巻き込まれた銀時と才花の姿がない
「副長ここです」
一人の隊士が襖がズレたある一室を指差す
その部屋の入口はテーブルやタンスなどでバリケードが組まれ塞がれている
中には桂達攘夷志士と新八と神楽……そして爆発に巻き込まれ所々煤で汚れた才花と銀時が立てこもっていた
「髪増えてない?」
『あれまぁ』
銀時に至っては天パ頭が爆発のせいでチリチリになりいつも以上にひどいことになっていた
「オイッ出てきやがれ!無駄な抵抗は止めな!
ここは十五階だ。逃げ場なんてどこにもないんだよ」
部屋の外から土方が声が聞こえる中おもむろに桂が懐から球体の機械を取り出す
「?そりゃ何のまねだ」
「時限爆弾だ。ターミナル爆破のために用意していたんだが仕方あるまい。コイツを奴等におみまいする…。そのスキに皆逃げろ」
ガッ
「!!」
桂がそう言うと突然銀時が桂の胸ぐらを掴みかかった
ゴト…
掴まれた衝撃で桂の手から爆弾が落ち床に転がる
「貴様ァ桂さんに何をするかァァ!!」
攘夷志士の一人が声を荒げた
「……桂ァもうしまいにしよーや」
しかしそんなものは気にもせず銀時は静かに口を開く
「てめーがどんだけ手ェ汚そうと死んでった仲間は喜ばねーし時代も変わらねェ。これ以上うす汚れんな」
「うす汚れたのは貴様だ銀時。時代が変わると共にふわふわと変節しおって。武士たるもの己の信じた一念を貫き通すものだ」
「お膳立てされた武士道貫いてどーするよ。そんなもんのためにまた大事な仲間失うつもりか」
『………』
「俺も才花ももうそんなの御免だ。どうせ命張るなら俺は俺の武士道を貫く。俺の美しいと思った生き方をし、俺の護りてェもんを護る」
いつになく真剣な銀時の言葉と眼差しに桂が思わず目を見張り口を閉ざしていると
『今さら失ってしまったものに思いをはせても仕方ないでしょ』
今まで黙っていた才花が口を開いた
『生き残った私達は死んだ人を生き返らせる事も過去を戻す事も何も出来ないけど“生きる事”は出来る』
『死んだ人達が生きれなかった明日を生きる事が出来る』
「……!!」
『みんなが生きたかった明日を踏みにじるような生き方私はしない』
『そして死んだ者が望むのは敵討ちではなく…生きている者の幸福だよ』
「才花ちゃん」
「才花……」
才花の言葉に感銘を受けた新八と目を見開く桂だったが……