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「侍の刀はなァ鞘におさめるんじゃねェ。
自分(てめー)の魂におさめるもんだ」
ある一人の男が刀を手にしそう話していた
だが力強いその言葉とは反対に男の体は布団に力無く横たわっており顔色も良くない
そんな男の傍らには彼の子供である幼い姉弟が二人不安そうな顔を浮かべ座っていた
「時代はもう侍なんざ必要としてねェがよ。どんなに時代が変わろうと人には忘れちゃならねーもんがあらぁ」
そう言い男は手にしていた刀を息子に渡す
「たとえ剣を捨てる時が来ても魂におさめた真っすぐな剣だけはなくすなっゲホッ」
「ガハッゴホッ」
「「父上‼」」
苦しそうに咳き込みだした父親に姉弟は心配そうに寄り添う
「…ああ雲一つない江戸の空…もう一度拝みたかったなァ…」
男が見上げる空には風情ある江戸にはあまりにも不釣り合いな巨大な飛行船が飛んでいたー
END