第四訓
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「そもそも神楽ちゃん免許もってんの!なんか普通に運転してるけど」
「人はねるのに免許なんて必要ないアル」
「オイぃぃぃ!!ぶつけるつもりかァァ!!」
「お前勘弁しろよ。ビデオ粉々になるだろーが」
『逃げてく原チャ~リ追い越し~てみたい~』
「ビデオとTHE BO◯Mから頭離せ!!」
そんなことを言っている内に四人の乗るパトカーはキャサリンの原付との距離を縮め追い付こうとしていた
「!」
キィィイ
「あっ路地入りやがったぞアイツ!!」
しかしパトカーに気付いたキャサリンは突如進路を変えパトカーの入れない狭い路地へ入る
「ほァちゃああああ!!」
キィィイ
すると神楽も雄叫びを上げながらハンドルを切り路地へ入る
ズゴゴゴゴゴ
本来ならパトカーの入れない狭い路地を左右の民家の壁を破壊しながら強引に進む神楽
「オイオイオイオイ」
「なんかもうキャサリンより悪い事してんじゃないの僕ら!!」
『マジか。やったね』
「「やったね」じゃねーよ!!」
「死ねェェアルキャサルィィィン!!」
ボン
今度こそキャサリンに追い付くかと思い猛スピードのまま路地を抜けた先にあったのは道ではなくまさかの川だった
「あれ?」
『あれまぁ』
一瞬宙を浮く車の中で唖然とする四人
「あれェェェェ!!」
ドゴン
しかしいつまでも浮いていることなど出来るはずもなく四人を乗せたパトカーは銀時達の悲鳴と共に川へ落下する
水没したパトカーを見てキャサリンは嘲笑う
「そこまでだよキャサリン!!」
そこへ銀時達四人とは違う別の人物の声がする
声のする方を見るとパトカーが落ちた場所のすぐ横に架かる橋の上にお登勢が立っていた
「残念だよ。あたしゃアンタのこと嫌いじゃなかったんだけどねェ。でもありゃ偽りの姿だったんだねェ」
そう言うお登勢の顔には裏切られ金を盗まれたことへの怒りなどは一切なくいつもと変わらないいたって冷静な表情だった
「家族のために働いてるっていうアレ。アレもウソかい」
「…お登勢サン…アナタ馬鹿ネ。世話好キ結構。デモ度ガ過ギル。私ノヨウナ奴ニツケコマレルネ」
「こいつは性分さね。もう直らんよ。でもおかげで面白い連中とも会えたがねェ」
話しながらお登勢は煙草を取り出し吸い始める
「ある男はこうさ
ありゃ雪の降った寒い日だったねェ」
⋯⋯ーあたしゃ気まぐれに旦那の墓参りに出かけたんだ
お供え物置いて立ち去ろうとしたら墓石が口ききやがったんだ
「オーイババーそれまんじゅうか?食べていい?腹減って死にそうなんだ」
声の主は墓石ではなくその後ろで座る着流し一枚だけを纏いボロボロの格好をした銀髪の男だった
「こりゃ私の旦那のもんだ。旦那に聞きな」
⋯⋯ーそう言ったら間髪いれずそいつはまんじゅう食い始めた
「なんつってた?私の旦那」ーーー⋯⋯
「そう聞いたらそいつ何て答えたと思う」
原付のエンジンをブォンブォンと鳴らしアクセル全開で正面から突っ込んで来るキャサリンに構わずお登勢は一人で話を続ける
「死人が口きくかって。だから一方的に約束してきたって言うんだ」
「この恩は忘れねェ。アンタのバーさん老い先短い命だろうが」
お登勢の目前に原付が迫るその時ー木刀を手にした銀時が川の中から壁を伝い一気に橋の上まで飛び上がった
⋯⋯ーこの先は
あんたの代わりに俺が護ってやるってさ
ゴン
お登勢の立つ橋に鈍い音が一発響いた
―――⋯⋯
『えー⋯っと⋯⋯お、あったあった』
原付に積まれた荷物を漁り盗まれた小太刀を見つけた才花
『ホントこんな刀
盗んだってしょーがないのになぁ』
そう言いながら小太刀を腰に差す才花が見つめる先には銀時の木刀にやられて頭にタンコブを作ったキャサリンがパトカーで連行されていく姿があった
そこから少し視線を逸らすと宝石を身に付け嬉しそうにレジを抱えてる神楽とそれを追いかける新八がいた
また二人の奥には橋の欄干にもたれかかる銀時とお登勢が見えたー
「仕事くれてやった恩を仇で返すたァよ仁義を解さない奴ってのは男も女もみにくいねェババァ」
橋の欄干に腕を乗せもたれかかる銀時は隣のお登勢にふと呟く
「家賃を払わずに人ん家の二階に住みついてる奴はみにくくないのかィ?」
「ババァ人間なんてみんなみにくい生き物は」
「言ってることメチャクチャだよアンタ!」
銀時にツッコミを入れるとお登勢は煙草の煙を一度大きく吐く
「まァいいさ今日は世話んなったからね。今月の家賃くらいはチャラにしてやるよ」
「マジでか?ありがとうババァ。再来月は必ず払うから」
「なにさりげなく来月スッ飛ばしてんだ!!」
『なになに~何の話しですかぃ?』
何気に来月の家賃まで無しにしようとする銀時にお登勢が怒鳴っていると才花がやって来た
「おぅ聞いてくれよ才花。ババァが再来月までの家賃チャラにしてくれるってよ」
銀時は才花の肩に腕を回すと嬉しそうに話す
「待てェ!調子乗るんじゃないよクソ天パ!誰が再来月までチャラにしてやるつった!!」
『そーだよ銀時。再来月までなんて流石に悪いよ。来年からちゃんと払おう』
「大概にしろ!このクソ兄妹がァァ!!」
END