第三訓
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「ヤクザに追われる少女
見捨てる大人見たことないネ」
「ああ俺心は少年だからさァ」
『私も原付片手で止める人見たことない』
「それにこの国では原チャリ片手で止める奴を少女とは呼ばん。マウンテンゴリラと呼ぶ」
銀時達がそんな会話をしていると四人のいる路地裏のすぐ横の道を歩くパンチパーマをした男達とバッタリ鉢合わせてしまう
「おっいたぞォォこっちだァァ!!」
「わっわっわっ」
ガシャン
こちらに気付くと追い掛けてくる男達に原付を投げ出し慌てて逃げる銀時達
「ちょっなんなの!?
アイツらロリコンヤクザ?」
「何?ポリゴン?」
『え?カネゴン?』
二つの聞き間違いを起こしながらも四人は時折路地裏のゴミ箱を蹴り倒し足止めしつつパンチパーマのヤクザ達から逃げ回る
「私…江戸(ここ)に来たらマネーつかめる聞いて遠い星からはるばるデカセギきたヨ」
逃げる最中少女は経緯を話し出す
「私のウチめっさビンボー。三食ふりかけご飯。せめて三食卵かけご飯食べたいアル」
「いやあんま変わんないんじゃ」
『そーだね。ふりかけご飯はキツいねー』
「そんなとき奴ら誘われた」
「ウチで働いてくれたら三食鮭茶漬け食べれるよ」
「私それ聞いてとびついたネ」
「なんでだよ。
せめて三食バラバラのもの食べようよ」
『鮭茶漬けかぁ…わかるわー』
「わかるなァ!」
何故か少女の偏った食の嗜好に共感する才花に新八が突っ込む
「私地球人に比べてちょっぴ頑丈。奴らの喧嘩ひき受けた。鮭茶漬け毎日サラサラ幸せだったヨ」
その後何とかゴミの山に身を隠しヤクザ達を撒くことに成功するとゴミ山の中でしゃがみ込み少女は話を続ける
「でも最近仕事内容エスカレーター」
『それ言うならエレベーター』
「いやエスカレートね。才花ちゃんそれ余計遠ざかってるから。ボケなのツッコみなのどっちなの?」
「人のキンタマまで
とってこい言われるようなったアル」
『キンケシかぁ…中々ハードな内容だね』
「いやキンケシでもキンタマでもなくて命(タマ)ね命(タマ)。才花ちゃん一回ちょっと黙って」
「私もう嫌だヨ。江戸とても恐い所アル。故郷(くに)帰りたい」
「バカだなオメー。この国じゃよォパンチパーマの奴と赤い服を着た女の言うことは信じちゃダメよ」
今まで黙っていた銀時が入っていたゴミ箱から顔を顔を出し口を開く
「まァてめーで入りこんだ世界だ。てめーでおとし前つけるこったな」
「オイちょっと」
ゴミ箱から出た銀時は薄情にそう言うと新八が呼び止めるのも聞かずささっと行ってしまうのだった
『アレ?赤い服を着た女って私も?』
――――⋯⋯⋯
「バカですかァァお前ら!!娘っこ一人連れ戻すのに何か手こずってんの!?」
その頃ある団子屋でアフロ程のボリュームのあるパンチパーマの頭をした男が団子を片手に声を荒げ怒鳴っていた
この男こそが三食鮭茶漬けで少女を誘った人物であり彼の前には銀時達を取り逃がした同じくパンチパーマをした部下達が並ぶ
「それでも極道かバカヤロォォ!!それでもパンチパーマなのかコノヤロー!!」
「しかし兄貴ィ相手はあの夜兎族ですぜ。俺らが束になったってどーにも…」
「バカですかァお前は!!」
ガッ
兄貴と呼ばれた男は部下の一人を殴り飛ばす
「だからこそだろーが!!あの怪物娘うまいこと使えば我ら班池(ぱんち)組は天下とれっかもしれないんだぞ!?奴らの種族はもう絶滅しかけてんだ。どれだけ希少価値があると思ってる」
「こっちの手に戻ってこねーようならよォ。もう構わねェ殺(バラ)せ」
「アレが他の組織に渡りゃとんでもねェ脅威になる。利用価値のねェ大きな道具は処分した方がいい」
男はそう言うと団子の串を投げ捨てた
――――⋯⋯⋯
場所は変わってとある駅のホーム
そこに置かれた一つのゴミ箱がガタゴトと揺れる
「なんとかここまで来れた。周囲にパンチパーマの影はない?」
「ないネ。大丈夫ヨ」
『オールクリア』
中には新八と少女と才花の三人が入っていた
このゴミ箱に隠れながらパンチパーマのヤクザの目を掻い潜りどうにかここまで来たのだ
「ここから電車に乗ればターミナルまですぐだ。故郷(くに)に帰れるよ」
ゴミ箱の蓋を上げ顔を出して言うのは新八
「それにしてもアイツ…
本当に帰るなんて…薄情な奴だ」
アイツとは勿論一人先に帰って行った銀時のこと