第二訓
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「ウチ姉上が今度はスナックで働き始めて寝る間も惜しんで頑張ってるんスよ…」
「アリ?映りワリーな」
ガンガン
「ちょっと!きーてんの?」
真剣な話をしているにも関わらず銀時は映りの悪いテレビを叩いており真面目に聞いてる様子は全くない
『左側叩いたら直るよ』
「オ…はいった」
しばらくすると砂嵐が消え見えてきたニュース映像には崩壊した家屋や電柱を背景に実況するアナウンサーの姿が映っていた
<ー現在謎の生物は新宿方面へ向かっていると
思われます。ご近所にお住まいの方は速やかに避難することを…>
「オイオイまたターミナルから宇宙生物(えいりあん)侵入か?最近多いねェ」
「宇宙生物(えいりあん)より今はどーやって生計たてるかの方が問題スよ」
ピンポーン
「「?」」
『ん?』
そんな会話をしていると万事屋にインターホンの音が鳴る
ダダダダダ
「金ならもうねーって
言ってんだろーが腐れババア!!」
ドガ!
すると玄関までダッシュし叫びながらドアに飛び蹴りをする銀時
「あれ?」
だがドアの向こうに立っていたのは家賃を徴収に来たお登勢ではなくグラサンをかけた一人の男で彼の顔には銀時の蹴りがヒットしていた
ドサッ
「局長ォォ!!」
「貴様ァァ!!何をするかァァ!!」
男が倒れると左右にいた部下二人が声を上げた
「スンマセン間違えました。出直してきます」
「待てェェェ!!」
謝罪するどころか何事もなかったかのように踵を返し再び家の中に戻ろうとする銀時に叫ぶ部下
カチャ
「貴様が万事屋だな。
我々と一緒に来てもらおう」
そして部下の一人が背を向けた銀時の後頭部に銃口が突き付ける
「…わりーな。知らねー人にはついていくなって母ちゃんに言われてるし妹にもそう教えてんだ」
「幕府(おかみ)の言う事には逆らうなとも教わらなかったか」
その言葉に振り向く銀時
「オメーら幕府の…!?」
「入国管理局の者だ。アンタに仕事の依頼に来た。万事屋さん」
―――⋯⋯
その後やって来た入国管理局の者達の車に乗り移動する銀時達
ちなみに才花は窓際でぼーっと外の景色を眺めていた
「入国管理局の長谷川泰三っていったら天人の出入国の一切をとり締まってる幕府の重鎮スよ」
銀時に顔を蹴られたグラサンをかける男は名を長谷川泰三といい幕府では中々地位のある人物の様子
「そんなのが一体何の用でしょう?」
「何の用ですかおじさん」
「万事屋つったっけ?金さえ積めば何でもやってくれる奴がいるってきいてさ。ちょっと仕事を頼みたくてね」
「仕事だァ?幕府(てめーら)仕事なんてしてたのか。街見てみろ天人どもが好き勝手やってるぜ」
「こりゃ手厳しいね。俺達もやれることはやってるんだがね」
銀時達三人の前の座席に一人座る長谷川は煙草を手に紫煙を吐きながら話す
「なんせ江戸がこれだけ進歩したのも奴らのおかげだから。おまけに地球(ここ)をエラク気に入ってるようだし無下には扱えんだろ」
「既に幕府の中枢にも天人は根を張ってるしな。地球から奴らを追い出そうなんて夢はもう見んことだ。俺達にできることは奴らとうまいこと共生していくことだけだよ」
「共生ねェ…んで俺にどうしろっての」
「俺達もあまり派手に動けん仕事でなァ。公にすると幕府の信用が落ちかねん」
「実はな今幕府は外交上の問題で国を左右する程の危機をむかえてるんだ。央国星の皇子が今地球(ここ)に滞在してるんだがその皇子がちょっと問題を抱えていてな…」
「それが…」
「余のペットがの~いなくなってしまったのじゃ。探し出して捕えてくれんかのォ」
仔猫を愛でながらそう言うのは側頭部分にだけモジャ毛を生やしたハゲ頭に謎の一本の触覚をぶら下げたデブの男ー
ザッ…
「オイぃぃぃ!!ちょっと待てェェェ!!」
男を見た途端銀時は『変な頭~』と物珍しそうに見ている才花の腕を引いてすぐさま新八と踵を返し帰ろうとする
どうやらこのデブが長谷川が言っていた問題を抱えた央国星の皇子のようだ
「君ら万事屋だろ?何でもやる万事屋だろ?いやわかるよ!わかるけどやって!頼むからやって!」
「うるせーな。グラサン叩き割るぞうすらハゲ」
「ああハゲでいい!!
ハゲでいいからやってくれ!!」
『ハゲでいいんだ』
帰ろうとする銀時の肩を掴み必死になって引き止める長谷川
「ヤバイんだよあそこの国からは色々金とかも借りてるから幕府(うち)」
「しらねーよそっちの問題だろ。ペットぐらいで滅ぶ国なら滅んだ方がいいわ」
「ペットぐらいとはなんじゃ。ペスは余の家族も同然のぞ」
「だったらテメーで探してくださいバカ皇子」
『頑張れーバカ皇子』
「オイぃぃ!!
バカだけど皇子だから!!皇子なの!!」
「アンタまる聴こえてますよ」
皇子をバカ呼ばわりする銀時と才花の口を塞ぎ怒鳴る長谷川だが彼も二人以上の大声で同様に皇子をバカ呼ばわりしており新八が突っ込む
「大体そんな問題
アナタ達だけで解決できるでしょ」
「いやそれがダメなんだ。
だってペットっつっても…」
ズズン
「!!」
その時突如大きな地響きがしたかと思えば近くにあった建物が崩壊する
「おぉーペスじゃ!!ペスが余の元に帰って来てくれたぞよ!!」
嬉しそうに声を上げる皇子
「誰か捕まえてたもれ!!」
そこにいたのは大きさ数十メートルはありそうな巨大なタコのような姿をした化け物だった
「ペスぅぅぅ!?ウソぉぉぉぉ!!」
「だから言ったじゃん!!だから言ったじゃん!!」
ペットとは名ばかりの巨大過ぎるペスのまさかの姿に悲鳴を上げる新八
「あっ!!テレビで暴れてた謎の生物ってコレ!?こんなんどーやって捕まえろってんスか!!っていうかどーやって飼ってたわけ!?」
「ペスはのー秘境の星で発見した未確認生物でな。余になついてしまったゆえ船で牽引してつれ帰ったの<ドゴッ>じゃふァ!!」
「全然なついてないじゃないスか!!」
言葉とは反対に真っ先にペスの長い一本の足に叩き飛ばされた皇子