第三話
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事件から一週間経った学園
その日の朝はシングル昇格者の部屋、食事、おこづかいに歓喜する蜜柑の声から始まった
だがシングルどころかトリプルである蛍はそんな親友に
「…すこぶるウザイわねアイツ」
と毒を吐く
「シングル風情が何自慢気に」
「バカなんだから仕方ないよ」
続いて毒を吐くのが上からスミレ心読み君
そんな朝を迎えた蜜柑は足取り軽やかに学校へ登校すると一週間休んでいる間に学園は文化祭直前モードだった
「おはよーっ」
「あっ蜜柑ちゃんだ!!
もう学校出てこれたんだねーっっ」
教室に入って来た蜜柑にクラスの皆が寄って来ては蜜柑の身体のことを心配する人もいれば事件のことを知りたがる人までいて反応は様々
いつの間にか「佐倉蜜柑シングル独演会」というのが始まっていた
それを心良く思わない棗の周りにいたとりまき達が悪態をついていると教室の扉が開く
見るとそこには
「「ルカぴょん/君」」
が立っておりさらにその後ろには
「棗さんっ」
今回の事件の中心人物の棗もいた
「棗君っっ」
「体はもう大丈夫なんすか!?」
「あぁ」
「よかったーっ!!もう学校来れるんすねっ」
棗、流架のファンクラブの会長であるスミレを始め とりまき達が棗に駆け寄って来る
棗と目が合った蜜柑は笑顔を向けるが当然ながら棗は無視
だが
「……おはよ」
流架が僅かに微笑みながら蜜柑に挨拶する
「おはよ」
勿論蜜柑は満面の笑顔で答えた
ガラッ…
そして再び教室の扉が開いて今度は凛が入って来る
その瞬間明るかった教室の空気が僅かに変わった
『………』
しかし凛はそんなことは微塵も気にせず自分の席へと向かう
一応凛も今回の事件の中心人物である
皆もそのことは知っているが未だに凛とクラスメイト達との間には深い溝があるようだ
「ウチ凛がクラスの皆とも仲良くなれるよう頑張る!!」
凛が学園に来た日に鳴海に言った言葉を思い出した蜜柑
「(ウチが凛とクラスのみんなを仲良くさせなん…)」
「凛おはよっ」
そう決心すると笑顔で凛に声をかけ挨拶する蜜柑
一方凛はというと僅かに驚いたように蒼い目を見開くがすぐに顔を反らして席に着いてしまう
肩を落とす蜜柑だが凛には以前のような人を寄せ付けない刺々しさが少しばかり消えていたことに気付いていなかった
――――………
「今週から文化祭直前ということで授業は2限目まで。それ以降は能力別クラスで文化祭準備に当てて下さい」
「ではみなさんごきげんよう!体質系の皆はまた能力別クラスでお会いしましょう!」
朝のHRが終わると上機嫌で教室を後にして行った鳴海
噂では体質系のパフォーマンス祭の出し物であるミュージカルを鳴海が演出をするらしい
鳴海が去った後の教室では蜜柑達が文化祭について話し合う
蜜柑は蛍に話し掛けるが教室の隅で模擬店祭の準備で何やら凄い物ばかりを製作中
そして委員長は意外にも模擬店祭でお化け屋敷の担当のよう
「ウチは…」
蜜柑も特力のする出し物について話そうとするが
「こーらお前ら技術系の生徒達もう先輩達みんな教室に集まって作業始めてるぞ」
教室にやってきた技術系クラスの担当教師の岬によって遮られた
「じゃーねー蜜柑ちゃん」
「あ、うんバイバーイ」
蛍を含め技術系の子達が去った後蜜柑は流架に話し掛ける
「ルカぴょんは何やんの?」
「え、別に…」
「ルカ君はあたしと一緒にパフォーマンス祭のミュージカルに出演するのよ。ルカ君何と主役よ!?」
「ミュージカルの主役!?」
思わずおかしな想像をした蜜柑は流架に怒鳴られたのだった
「えっとねーウチは―」
「あら。潜在系の子達まだこんな所にいたの?」
今度こそ出し物のことを話そうとするがまたしても蜜柑の話は潜在系担当教師のセリーナ先生に遮られた
「あ、じゃあ蜜柑ちゃんまたね」
寂しそうに手を振り見送る蜜柑だが準備の為に自分も特力の教室へ向かう
久々の特力へ向かう蜜柑
「……しかしなんとなくみんなが羨ましくなってしまったよ」
蜜柑は特力へ行く途中そんなことを考えていた
「能力別クラスの担任の先生かぁ。そのクラスの子達と一丸となって頑張って応援してくれる先生…」
そこで蜜柑はふと気付く
「特力系てそんな先生いない…」
あら悲し~
みそっかすクラスには先生すらいないのねぇ~
何処からかそんな歌が聞こえた気がした
――――………
カチャ…
蜜柑の気持ちを反映するかのような暗い音で特力の教室の扉が開く
「おーチビ来た来たっ」
作業をする翼が声をかける
「みなさんごきげんよー…。今日からまた張りきって準備頑張りまーす…」
「……どーしたんだお前」
蜜柑のテンションの低い理由を知るはずもない翼は首を傾げた
「ちょーどよかった紹介するよ。おーいのだっち」
「はーいあ!」
「ぎゃっ!」
翼に呼ばれた人物は振り返ったがぼーっと立っていた蜜柑にぶつかってしまう
「何やってんだよ。のだっちー」
「(……のだっち?)」
翼の呆れ声に続いて周りに笑い声が上がる
「のだっちこれうちのルーキー。チビ特力クラスの担任タイムトリッパーの野田先生」
「よ…よろしく」
突然の特力系クラス担任の先生の登場に蜜柑はただ驚くばかり