第一話
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ー…アリス学園
それは天賦の才能を持つ人達が集まる全寮生の国立学校
――――………
初等部B組の教室は何やら朝から騒ついていた
「なぁ蛍転校生って一体どんな人やろな」
蜜柑は自分の隣に座る親友蛍に話し掛ける
「さぁ興味ないわ」
蜜柑の質問に素っ気なく答える蛍は机に向かって新たな物を製作していた
超聴覚のアリスを持つ生徒の一人がB組に転校生がやって来ると言う情報を聞きつけた為に朝から教室はいつにも増して騒がしい
ガラ…
「はーい皆席に着いて下さーい♡」
相変わらずの高いテンションで教室に入って来たのは担任の鳴海
その声で皆自分の席へと戻る
「えー皆さん既に知っていると思いますが今日はB組に転校生が来ます」
鳴海の言葉に再び騒つく教室
「はいはい静かに。じゃあ入って来て」
パンパンと手を叩き注意すると扉に向かって声をかける鳴海
すると
ガラ…
扉が開き一人の女子生徒が入ってきた
「今日から皆と一緒にこのクラスで勉強する安藤凛ちゃんです」
転校生の名前を鳴海は黒板に書く
『………』
紹介された少女は無表情のまま教卓の前に立つ
皆転校生の容姿に騒つく
少女はセミロングの黒い髪をしており その長い前髪の間から蒼色の鋭い眼をし教室を見渡す
それだけならば皆騒ぐことはない
皆が気になるのは少女―凛の左頬である
周りよりも白い肌をした凛の左頬にはまだ幼い彼女には不釣り合いな十字架にも似た痣があった
「なぁあの転校生の頬っぺの痣って…」
「罰則印だよね…」
「じゃあ問題児ってこと…?」
ヒソヒソと凛に対しての不安を語る生徒達
「(翼先輩と同じ罰則印持ちや。でも何でやろ…?)」
蜜柑が疑問に思っている隣では 棗が眉を寄せて凛を見つめていた
「凛ちゃんは学園に来たばかりで分からないことが多いと思うので皆で色々教えて上げて下さい」
「先生ー!!安藤さんは何のアリスなんですか?」
「星階級はいくつですか?」
口々に質問をし出す生徒達
「早速きたねお決まりの質問。えー凛ちゃんは“アリスの能力に底がないけれど寿命を縮めない”と言う 非常に珍しい能力の形をしているので星階級は初等部で四人目のトリプルです」
鳴海の言葉に今までよりも騒つく教室
「トリプルってことは蛍と委員長と一緒や!」
蜜柑もクラスの皆と同様驚きの声を上げた
「アリスは何なんですか?」
「はいはい。皆色々質問があると思うけど残りは休み時間に本人に聞いて下さいね」
止むことのない質問に終止符を打つ鳴海
「じゃあまず凛ちゃんのここでの生活を指導する係パートナーを決めたいと思います。誰かやりたい『……ない…』!?」
鳴海の声を遮って何かを言った凛
だが全部聞き取れず鳴海が首を傾げていると凛はさっきよりもはっきりと言った
『そんなのいらない…』
凛の始めて口を開いて言った拒絶の言葉に教室は静かになる
教室には僅かに気まずい空気の流れた
「じゃあパートナーはなしで次は席を決めまーす!!」
鳴海はこの気まずい空気を打ち消すようにいつものテンションのまま話を進める
鳴海のテンションに連れられて 気まずかった教室の空気は徐々に明るくなった
気まずい空気を作った張本人凛は大して気にする様子もなく立っていた
「それじゃあ凛ちゃんは一番後ろの窓際に座ってね」
鳴海が言われ席に向かう凛
教室の一番後ろの窓際には現在一人の男子しか座っていなかった
「よろしく」
男子生徒は愛想よく挨拶をしてきたが凛はそれを完全無視して席に着いた
「安藤さんって何か感じ悪いね」
「やっぱ問題児なんだよ」
「あまり近寄らないでおこう」
ヒソヒソと陰口を呟く生徒達
聞こえているのかいないのか凛は鳴海が話している間窓からの景色を見つめ外から差し込む陽の光に目を細めていた
休み時間
凛は今だに一人席に着いたまま窓の外を見ていた
休み時間には転校生に興味津々のクラスメイト達がよく寄って来るものだが凛の周りにはクラスの誰一人近寄ろうともしない
パートナーの拒否とクラスメイトへの無視そして罰則印
自己紹介という短い時間の間でB組の生徒のほとんどが凛に対し嫌悪感を持つようになった
しかしそんな凛に嫌悪感を抱かない生徒が二人…彼女に話し掛けてきた
「ウチ佐倉蜜柑って言うねん!
これからよろしくな!!」
「僕は学級委員長の飛田裕です。何か分からないことがあれば遠慮なく聞いて下さい」
蜜柑と委員長だ
『………』
凛は横目に蜜柑と委員長を見る
その眼は始めのときと変わらず酷く冷たく鋭い瞳だった
「ウチのことは蜜柑でいいからウチ凛って呼んでええかな?」
『勝手にすれば…』
凛は突き放すように言う
だが蜜柑はめげずに話し掛ける
「ウチのアリスは無効化のアリスなんやけど#NAME1##はどんなアリスを持ってるん?」
『教えたくない』
「そんなこと言わんでもええやないかぁー」
『知らない方がいいよ…』
「え……それってどういう意味や?」
蜜柑の質問に凛が黙ったまま俯いていると
「そんなこと言って本当は大したことないアリスじゃないの?」
厳しい声がした
声のする方を見ると両腕を組んだスミレが椅子に座る凛をどこか偉そうに見下ろす
「第一“能力に底が無いのに寿命を縮めない”なんて 聞いたことがないわ。嘘でもついてるんじゃないの?」
『………』
「あなたいい加減勿体ぶってないでアリスを見せたらどうなの?」
『…面倒くさい』
「あら?それは自分のアリスに自信がないってことかしら?」
『……くだらない…』
ボソッと一言呟くと凛は席を立ち教室から出ようとする
だが
ガシッ…
『…!!』
一番後ろの席の横を歩いていると突然その席に座っていた棗に腕を掴まれた
『何?』
「答えろ。お前のアリスは何だ?さっさと答えねぇと燃やすぞ」
『お前に教える義理は無い』
「燃やされてぇのか?」
『出来るのならやってみれば?』
棗の紅い眼と凛の蒼い眼が互いを鋭く睨む
二人の間に流れる一触即発の空気にクラス全員が二人の様子を凝視した
「待って棗君!!凛ちゃんは学園に来たばかりでまだここの環境に慣れてないんだよ……!!」
「そや!棗止めろ!!」
蜜柑と委員長が声を上げる
「止める必要ないわ。トリプルを貰える程の実力があるならアリスくらい見せてもいいじゃない」
スミレが蜜柑と委員長に抗議すると棗は凛の腕を離した
「でも棗君のそういう優しい所も素敵よね」
スミレの豹変振りに周りは呆然とする