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真澄side
ハルが好きだ。気づいたのは最近。最初は監督に似てる弟としか認識していなかった。人見知りで会話もできない俺に優しく笑ってくれた。
その笑顔は監督と違うなって思った。
そこから監督とハルは似ているようで似ていない所を見つけるようになった。
ハルは歯を出して笑う。料理が得意。スポーツが好き。背が高いから皆と話す時は少し屈む。ペースに合わせてくれる。
気がつけば常に目で追っていた。好きになっていた。ある夜、監督に相談した。弟のことが好きかもしれないと。監督は笑顔で協力すると言ってくれた。
嬉しい。アンタが応援してくれるとできる気がする。ちょくちょく監督の元へ行っては作戦を立て、失敗に終わっていた。そもそもハルと顔を合わせると身体が熱くなって逸らしてしまう。
作戦会議を監督の部屋でして帰る時、ばったりハルと会ってしまったことがある。「いづみの部屋で何してたの。」と聞かれた。言ったら好きだってバレるのと一緒。「別に。」と誤魔化した。ハルの前髪が影になって表情はわからなかった。
そして絶好のチャンスが訪れた。
ハルがソファで寝ていたんだ。手足を投げ出して無防備な姿で。近くに寄って覗いてみる。これで起きていたら恥ずかしい。確認のため、名前を呼んだが返事はなかった。
遠慮なくまじまじとハルを見た。普段見れない分、それ以上に。我儘だけど、少しだけ前髪に触れた。さらさらだった。
やっぱり監督に似てると思った。だけど、すっと伸びた鼻筋、角張った輪郭、形のいい唇、手も大きい。ハルはハルだった。
この唇で俺の名前を呼んでほしい、その手で撫でてほしい。
改めてハルを見たことで好きだという気持ちが更に大きくなって恥ずかしくなった。
うるさい心臓を沈めるために談話室を出て自分の部屋に行った。それでもドキドキうるさかった。
なぜかその日を境にハルが遅く帰ってくるようになった。夜中に帰ってきて、監督に怒られていた。「どこ行ってたの。」「遊んでた。」毎日のように続き、さすがに心配になった。
だから頑張って話しかけた。
「…ハル、」
おかえり。遅い。って言いたかった。
「…ごめん。」
俺を見た途端表情を歪ませて俺の横を通り過ぎた。なんで俺にごめんって言ったの。そんな痛みに耐えているような表情、見たことない。
ふわっと香った女物の香水で俺は頭が真っ白になった。
ーつづく?ー
ハルが好きだ。気づいたのは最近。最初は監督に似てる弟としか認識していなかった。人見知りで会話もできない俺に優しく笑ってくれた。
その笑顔は監督と違うなって思った。
そこから監督とハルは似ているようで似ていない所を見つけるようになった。
ハルは歯を出して笑う。料理が得意。スポーツが好き。背が高いから皆と話す時は少し屈む。ペースに合わせてくれる。
気がつけば常に目で追っていた。好きになっていた。ある夜、監督に相談した。弟のことが好きかもしれないと。監督は笑顔で協力すると言ってくれた。
嬉しい。アンタが応援してくれるとできる気がする。ちょくちょく監督の元へ行っては作戦を立て、失敗に終わっていた。そもそもハルと顔を合わせると身体が熱くなって逸らしてしまう。
作戦会議を監督の部屋でして帰る時、ばったりハルと会ってしまったことがある。「いづみの部屋で何してたの。」と聞かれた。言ったら好きだってバレるのと一緒。「別に。」と誤魔化した。ハルの前髪が影になって表情はわからなかった。
そして絶好のチャンスが訪れた。
ハルがソファで寝ていたんだ。手足を投げ出して無防備な姿で。近くに寄って覗いてみる。これで起きていたら恥ずかしい。確認のため、名前を呼んだが返事はなかった。
遠慮なくまじまじとハルを見た。普段見れない分、それ以上に。我儘だけど、少しだけ前髪に触れた。さらさらだった。
やっぱり監督に似てると思った。だけど、すっと伸びた鼻筋、角張った輪郭、形のいい唇、手も大きい。ハルはハルだった。
この唇で俺の名前を呼んでほしい、その手で撫でてほしい。
改めてハルを見たことで好きだという気持ちが更に大きくなって恥ずかしくなった。
うるさい心臓を沈めるために談話室を出て自分の部屋に行った。それでもドキドキうるさかった。
なぜかその日を境にハルが遅く帰ってくるようになった。夜中に帰ってきて、監督に怒られていた。「どこ行ってたの。」「遊んでた。」毎日のように続き、さすがに心配になった。
だから頑張って話しかけた。
「…ハル、」
おかえり。遅い。って言いたかった。
「…ごめん。」
俺を見た途端表情を歪ませて俺の横を通り過ぎた。なんで俺にごめんって言ったの。そんな痛みに耐えているような表情、見たことない。
ふわっと香った女物の香水で俺は頭が真っ白になった。
ーつづく?ー