レッスン
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『冬雅を独占できるから。』
あの時、なぜそう思ったんだろうか。
前々から冬雅のことは有名で、教えて欲しいやら専属で来て欲しいなどの声が聞こえていた。二年に上がりプロデュース科に来た冬雅をすぐに専属にさせたのは朔間先輩だ。
外見は大人しそうな美形でいつも柔らかい表情をする。同じくらいの身長。あと、細い。そんなやつがUNDEADの曲を踊れるのか俺も不安だった。大神は使えねぇだろって言っていたが、実際は俺らの技術を上回るキレの良さ、動き。雰囲気が空気が一気に変わった。
同じ年とは思えなかった。憧れた。だから練習の時は必ず行った。ここで『UNDEAD専属指導者』という肩書きが役に立っている。ほぼ俺だけに教えてくれていたんだ。よく皆に羨ましがられた。少しの優越感。
「冬雅先輩がついに教えてくれたんだぜ!」
「教え方上手だからすぐ覚えられるのよ!」
「……。」
最近冬雅がUNDEADの専属を辞めた。各ユニットを回って教えている。メンバーも噂で耳にしたようだ。
言われた時は焦った。UNDEADで教えるのが飽きたんだろうか。メンバーが練習に来ないからか。どちらにせよ冬雅がそういうのなら仕方ないと思った。…が。
冬雅の話が出る度に胸の奥がツキンと痛む。
他の表情をして踊る姿が嫌だった。UNDEADだけ、俺だけ見てくれれば…
気持ち悪いな、俺。
約二週間に一回のペースになってしまったレッスンをいいものにするためにできる限りのことを精一杯したが、気持ちが踊りに現れてしまった。
モヤモヤとした感情。冬雅にも何かを迷ってると言われた。全然スッキリしないし思い通りにならず、少しばかりイラついてしまう。そこから冬雅に合わせる顔がなくレッスンも躊躇った。
時間が経ってこの変な感情の意味が分かったのは、鳴上と冬雅の二人きりの場面を見てからだった。
二人で楽しそうに笑って、抱き合って。そこからは知らない。踵を返してその場所から逃げた。頭が岩で殴られたような痛みが生じる。
悔しい、悲しい、苦しい。やっと自分が冬雅に対して思っていた感情が分かった。これが──
あの時、なぜそう思ったんだろうか。
前々から冬雅のことは有名で、教えて欲しいやら専属で来て欲しいなどの声が聞こえていた。二年に上がりプロデュース科に来た冬雅をすぐに専属にさせたのは朔間先輩だ。
外見は大人しそうな美形でいつも柔らかい表情をする。同じくらいの身長。あと、細い。そんなやつがUNDEADの曲を踊れるのか俺も不安だった。大神は使えねぇだろって言っていたが、実際は俺らの技術を上回るキレの良さ、動き。雰囲気が空気が一気に変わった。
同じ年とは思えなかった。憧れた。だから練習の時は必ず行った。ここで『UNDEAD専属指導者』という肩書きが役に立っている。ほぼ俺だけに教えてくれていたんだ。よく皆に羨ましがられた。少しの優越感。
「冬雅先輩がついに教えてくれたんだぜ!」
「教え方上手だからすぐ覚えられるのよ!」
「……。」
最近冬雅がUNDEADの専属を辞めた。各ユニットを回って教えている。メンバーも噂で耳にしたようだ。
言われた時は焦った。UNDEADで教えるのが飽きたんだろうか。メンバーが練習に来ないからか。どちらにせよ冬雅がそういうのなら仕方ないと思った。…が。
冬雅の話が出る度に胸の奥がツキンと痛む。
他の表情をして踊る姿が嫌だった。UNDEADだけ、俺だけ見てくれれば…
気持ち悪いな、俺。
約二週間に一回のペースになってしまったレッスンをいいものにするためにできる限りのことを精一杯したが、気持ちが踊りに現れてしまった。
モヤモヤとした感情。冬雅にも何かを迷ってると言われた。全然スッキリしないし思い通りにならず、少しばかりイラついてしまう。そこから冬雅に合わせる顔がなくレッスンも躊躇った。
時間が経ってこの変な感情の意味が分かったのは、鳴上と冬雅の二人きりの場面を見てからだった。
二人で楽しそうに笑って、抱き合って。そこからは知らない。踵を返してその場所から逃げた。頭が岩で殴られたような痛みが生じる。
悔しい、悲しい、苦しい。やっと自分が冬雅に対して思っていた感情が分かった。これが──