噂の生地屋さん
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寒さが厳しい今日。いつもと変わらずお客さんが来てたくさんの生地を買ってくれた。今は閉店間近で人もいない。
仕立て作業をしていたら静かに扉が開いた。
「…こんばんは。」
優しく、落ち着いた声色なこの人。
「いらっしゃいませ、月岡さん。」
「こんな遅くにごめんね。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
ふわりと笑った。なんかすごくここに合ってる。
「…やっぱり、皆が言ってた生地屋さんってここだったんだ。」
周りを見渡して懐かしい、と呟く。
「ここ、知ってました?」
俺が継いでからは月岡さんは見たことなかったはず。
「あの人は裕くんのお父さんでいいのかな。」
…あ。
「親父が居た時、来てたんですか。」
「うん。大学時代にお世話になったよ。」
この人、親父のこと知ってるんだ。
「すごい…全然変わってない。ここの雰囲気が好きで、よく来てたから。」
近くにあった布を撫でている。
「…親父、どんな人でした?」
「え?」
手を止め首を傾げた。
「感謝しきれないくらい良くしてもらったかな。本当に優しくて。」
俺よりも詳しい。
「そう、ですか…」
「……。」
月岡さんが俺の顔を覗き込む。
「…裕くん。」
「は、はい。」
真剣な表情だから少し焦ってしまった。
「お店の仕事が終わったら飲みに行かない?」
「え?」
「元々誘うために来たんだ。すっかり忘れてたけど…」
「あの…」
「左京さんと東さんもいるよ。…どうかな?!」
月岡さんがずいずいと顔を近づけてくる。その度に俺は圧倒されて一歩後ろに下がる。
「…行きます。」
…大分、怖いです。
仕立て作業をしていたら静かに扉が開いた。
「…こんばんは。」
優しく、落ち着いた声色なこの人。
「いらっしゃいませ、月岡さん。」
「こんな遅くにごめんね。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
ふわりと笑った。なんかすごくここに合ってる。
「…やっぱり、皆が言ってた生地屋さんってここだったんだ。」
周りを見渡して懐かしい、と呟く。
「ここ、知ってました?」
俺が継いでからは月岡さんは見たことなかったはず。
「あの人は裕くんのお父さんでいいのかな。」
…あ。
「親父が居た時、来てたんですか。」
「うん。大学時代にお世話になったよ。」
この人、親父のこと知ってるんだ。
「すごい…全然変わってない。ここの雰囲気が好きで、よく来てたから。」
近くにあった布を撫でている。
「…親父、どんな人でした?」
「え?」
手を止め首を傾げた。
「感謝しきれないくらい良くしてもらったかな。本当に優しくて。」
俺よりも詳しい。
「そう、ですか…」
「……。」
月岡さんが俺の顔を覗き込む。
「…裕くん。」
「は、はい。」
真剣な表情だから少し焦ってしまった。
「お店の仕事が終わったら飲みに行かない?」
「え?」
「元々誘うために来たんだ。すっかり忘れてたけど…」
「あの…」
「左京さんと東さんもいるよ。…どうかな?!」
月岡さんがずいずいと顔を近づけてくる。その度に俺は圧倒されて一歩後ろに下がる。
「…行きます。」
…大分、怖いです。