あまり名前は出てきません
左右を見ずに突き進む
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(堀川side)
寒い。
呼吸ができず、体も重く感じる。
「…ぃ、…ろ!…」
無音だった世界に聞きなれた温かい声。
霞む視界を見渡す。
「国広っ!!」
「…あ、れ…かねさん…?」
いっぱいに広がる色のある世界。
眩しくて何度か瞬きをしても焦点が合わない。でもなんとなく、目の前には兼さんがいるとわかった。匂いと、気配。
「ばっ…かやろうっ!!」
また泣いてる、兼さん。
体を起こしたいのに動けない、何か言おうと口を開いても思うように声が出なかった。
大丈夫だよ、と言いたいのに。
「どれだけ、心配して…っ!!」
「あははっ。」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられて少し苦しかった。子供のように声を出して泣く兼さんが珍しくて少し笑ってしまった。
「起きたか。」
この声を聞いた瞬間胸辺りがあたたかくなった。じわじわと身体中に広がる。痛みもだるさも消えていく。
はっきりとしてきた視界の中で部屋に入ってくるヒトがいた。
「…あなたは、」
なぜ僕を助けようとしてくれたのですか。
枯れ果てたと思っていた感情が徐々に込み上がってくる。目から溢れる水が涙だと知った。
兼さんの隣に腰を下ろし僕を見下げるヒト。
あまり警戒していない兼さんに驚きつつ、手が僕の方に伸びてくるのを反射的に目を瞑った。
「ッ、」
「…熱は下がったな。」
ひやりと冷たい手が額に当てたれた。
残酷だ。このヒトは酷い。
僕たちに希望なんて言葉、ほしくなかった。
寒い。
呼吸ができず、体も重く感じる。
「…ぃ、…ろ!…」
無音だった世界に聞きなれた温かい声。
霞む視界を見渡す。
「国広っ!!」
「…あ、れ…かねさん…?」
いっぱいに広がる色のある世界。
眩しくて何度か瞬きをしても焦点が合わない。でもなんとなく、目の前には兼さんがいるとわかった。匂いと、気配。
「ばっ…かやろうっ!!」
また泣いてる、兼さん。
体を起こしたいのに動けない、何か言おうと口を開いても思うように声が出なかった。
大丈夫だよ、と言いたいのに。
「どれだけ、心配して…っ!!」
「あははっ。」
ぎゅうぎゅうに抱きしめられて少し苦しかった。子供のように声を出して泣く兼さんが珍しくて少し笑ってしまった。
「起きたか。」
この声を聞いた瞬間胸辺りがあたたかくなった。じわじわと身体中に広がる。痛みもだるさも消えていく。
はっきりとしてきた視界の中で部屋に入ってくるヒトがいた。
「…あなたは、」
なぜ僕を助けようとしてくれたのですか。
枯れ果てたと思っていた感情が徐々に込み上がってくる。目から溢れる水が涙だと知った。
兼さんの隣に腰を下ろし僕を見下げるヒト。
あまり警戒していない兼さんに驚きつつ、手が僕の方に伸びてくるのを反射的に目を瞑った。
「ッ、」
「…熱は下がったな。」
ひやりと冷たい手が額に当てたれた。
残酷だ。このヒトは酷い。
僕たちに希望なんて言葉、ほしくなかった。