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左右を見ずに突き進む
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(和泉守side)
力が欲しい。
国広がこんなに苦しんでいるのに、人間の姿にもなれず、隣で刀としているだけ。
あの日、先に刀に戻った国広は涙を流しながらオレに笑った。熱を持ったままの刀はとても重みを感じた。
何も考えず、必死に守った。
オレが刀に戻るまで、どんなことが起こっても国広を誰にも触れさせなかった。
時が経つにつれ国広の声が聞こえなくなり、オレらの終わりが見えてきた時。
この世は残酷だった。
一筋の光が差し込んでオレは瞼を開く。
視界に入るのは明るい日差しと緑生い茂った庭、温かな風。
人間の姿になった、と自分の手元を見ると刀を握りしめていた。まだ熱い刀。
オレだけ目が覚めてしまった。
「国広…」
もう一度国広をこの手で抱えれる嬉しさと同時に何もできないオレの不甲斐なさが襲ってきた。
人間が動いた気配で顔を上げると、真っ直ぐオレの目を見ていた。
「渡せ。」
いくら踏ん張って抵抗しても体が勝手に動く。
国広が、人間の手に渡ってしまう。
オレが弱いせいで国広が目の前で殺される、
『かねさん』
声が聞こえた。
突如桜が刀を包んで影が現れる。
「うそだ…」
起こった出来事に頭が真っ白になり動けずにいる間に、人間は表情ひとつ変えずに国広を抱き上げ運び始めた。
重い足を動かして無我夢中で後ろを追った。
力が欲しい。
国広がこんなに苦しんでいるのに、人間の姿にもなれず、隣で刀としているだけ。
あの日、先に刀に戻った国広は涙を流しながらオレに笑った。熱を持ったままの刀はとても重みを感じた。
何も考えず、必死に守った。
オレが刀に戻るまで、どんなことが起こっても国広を誰にも触れさせなかった。
時が経つにつれ国広の声が聞こえなくなり、オレらの終わりが見えてきた時。
この世は残酷だった。
一筋の光が差し込んでオレは瞼を開く。
視界に入るのは明るい日差しと緑生い茂った庭、温かな風。
人間の姿になった、と自分の手元を見ると刀を握りしめていた。まだ熱い刀。
オレだけ目が覚めてしまった。
「国広…」
もう一度国広をこの手で抱えれる嬉しさと同時に何もできないオレの不甲斐なさが襲ってきた。
人間が動いた気配で顔を上げると、真っ直ぐオレの目を見ていた。
「渡せ。」
いくら踏ん張って抵抗しても体が勝手に動く。
国広が、人間の手に渡ってしまう。
オレが弱いせいで国広が目の前で殺される、
『かねさん』
声が聞こえた。
突如桜が刀を包んで影が現れる。
「うそだ…」
起こった出来事に頭が真っ白になり動けずにいる間に、人間は表情ひとつ変えずに国広を抱き上げ運び始めた。
重い足を動かして無我夢中で後ろを追った。