あまり名前は出てきません
左右を見ずに突き進む
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いい空気が流れている。
1番広いであろう部屋を掃除しなくてもいい、なんてありがたい。身構えて最後に回してしまっていたからな。
一度この大広間で今いる刀剣男士たちを集めて初めまして会をしないとだよな。まだ俺自己紹介してない。みんなのことも知らない。
「国広っ…」
後ろで誰かの名前を呼ぶ声が聞こえた。
クニヒロはもちろん俺ではない。
振り返ると先程刀を置いた場所に、髪の長い人が一振りの刀を抱き込むように強く握りしめていた。
「国広…絶対折れるなよ…っ頼む…」
とても悲しい声だった。
小さな掠れた声だけど、必死に語りかけている。
もしかしてその刀、熱くなっていた方の刀では。
一歩足を踏み出すと床がギシギシっと音を立てた。あとで畳総入れ替えだな。
その音で長髪の人がバッと顔を上げた。
目が合うと刀を抱え直して、渡さないと言わんばかりに後退りをする。
俺がその刀を預かってこんのすけに「渡せ」ればなにか原因がわかるかもしれない。
手を前に出すと意外とすんなり渡してくれた。
もっと渋られると思ったのに。
刀を受け取った瞬間、桜の花びらが舞った。
「国広っ!!」
ふらっと揺れた影を抱き止める。
刀が人の姿になったと理解するのに時間はかからなかった。
だが様子が変だった。
力なく俺に寄りかかるこの人は、苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。顔が真っ赤で、汗も出始めた。
俺はこの人を肩に担ぎ急いで審神者部屋へと戻った。緊急だからこの運び方でも許して欲しい。
刀でも熱って出るんだ。不思議。
1番広いであろう部屋を掃除しなくてもいい、なんてありがたい。身構えて最後に回してしまっていたからな。
一度この大広間で今いる刀剣男士たちを集めて初めまして会をしないとだよな。まだ俺自己紹介してない。みんなのことも知らない。
「国広っ…」
後ろで誰かの名前を呼ぶ声が聞こえた。
クニヒロはもちろん俺ではない。
振り返ると先程刀を置いた場所に、髪の長い人が一振りの刀を抱き込むように強く握りしめていた。
「国広…絶対折れるなよ…っ頼む…」
とても悲しい声だった。
小さな掠れた声だけど、必死に語りかけている。
もしかしてその刀、熱くなっていた方の刀では。
一歩足を踏み出すと床がギシギシっと音を立てた。あとで畳総入れ替えだな。
その音で長髪の人がバッと顔を上げた。
目が合うと刀を抱え直して、渡さないと言わんばかりに後退りをする。
俺がその刀を預かってこんのすけに「渡せ」ればなにか原因がわかるかもしれない。
手を前に出すと意外とすんなり渡してくれた。
もっと渋られると思ったのに。
刀を受け取った瞬間、桜の花びらが舞った。
「国広っ!!」
ふらっと揺れた影を抱き止める。
刀が人の姿になったと理解するのに時間はかからなかった。
だが様子が変だった。
力なく俺に寄りかかるこの人は、苦しそうに荒い呼吸を繰り返している。顔が真っ赤で、汗も出始めた。
俺はこの人を肩に担ぎ急いで審神者部屋へと戻った。緊急だからこの運び方でも許して欲しい。
刀でも熱って出るんだ。不思議。