皆がまだ寝ている午前4時。流石に三日月宗近も寝ていた。今のうちに本丸を出る。

「おはようございます、海崎様。」

「おはようございます。よろしくお願いします。」

この運転手さんは気の毒だなって思った。こんな朝早くに俺のわがままを聞いてもらって。

「さぁ、どうぞ。」

「すみません。」

ドアを開けてくれたから急いで車の中に入った。置き手紙はやったし大丈夫だよな。

俺は今日、前に働いていた保育園へ行くことにした。


「審神者さま！おはようございます！」

「わっ、」

助手席から俺に飛びついてきたのはこんのすけだった。運転手さんから事情を聞いて、一緒に行くと言ってくれたらしい。

「眠いのでしたら、わたくしに寄りかかってもいいのですよ！」

「潰れるだろ。」

「なぬ？！」

こんのすけは眠くないのか？そんなことを思いながら外を眺める。ふと、こんのすけを見てみると寝ないように頑張っていた。カクンとなる頭を必死に横に振ってる。

「…こんのすけが眠いんだな。」

こんのすけを膝の上に乗せた。

「っえ？！さ、審神者さま？！」

半開きだった目を見開いて俺を見た。

「…一緒に寝よう。」

こんのすけの頭を撫でる。

「はいっ！」

保育園に着くまでこの体勢でいた。




「海崎様、こんのすけ様、起きてください！」

運転手さんに肩を揺らされ目が覚めた。いつの間にか寝ていたようだ。こんのすけも目をシパシパしていた。

「着きましたよ。」

「…！」

窓から見てみると俺が働いていた保育園があった。

「帰りは今日の午後五時ころに迎えに来ます。」

「園長先生には伝えております！」

「…そうか、ありがとう。」

車から降りて礼を言う。スッキリした顔のこんのすけはピシッと右前足を顔へもって行き敬礼のポーズをした。

「何かありましたらわたくしをお呼びください！」

「わかった。」

こんのすけ達が戻っていく姿をずっと見つめた。