「大丈夫か？」

傷口も塞ぎ痕になることもなく消えていった。服を元通りに着せ鶴丸国永の安否確認をする。

「…終わった？」

チラッとエプロンの隙間から少しだけ顔を見せる。

「終わった終わった。」

そう言うと鶴丸国永は涙を流した。

「ッどうした？どこか痛かったか。」

エプロンを引っ張り顔全体が見えるようにした。ボロボロと泣く姿に俺は申し訳なくなって。

「ごめん。」


「違っ…！安心、したんだ…っ」

勢い良く上体を起こしゴシゴシと目を擦っていた。安心？

「…そんな強く擦ると腫れるぞ。」

腕を掴んで目から遠ざけた。

「～ッ！…主見ると泣けてくる。」

「意味わかんねぇ。」

そのまま引っ張る。

「おぁっ…？！」

バランスを崩し俺の方へと倒れた。

「何をすればお前は泣き止む？」

俺の顔を見たら泣くって…俺、できることないよな。

腹辺りにいた鶴丸国永がよじ登って俺の肩に頭を乗せた。

「だ、抱きしめて…ください…」

逆にそれだけでいいのか？

「わかった。」

鶴丸国永の背中に腕をまわした。



「無理はしないこと。」

「…はーい。」

今たっぷり説教中。といっても、抱きしめながらなんだが。

「それと…」

「ま、まだあるのか？！」

バッと俺の肩を掴んだ。

「他の奴らを庇って自分だけ大怪我しないこと。」

「なんで知って…？！」

「見たらわかる。」

目をパチクリさせた。

「主…！」

鶴丸国永は嬉しそうに微笑んだ。

「そろそろ他のやつらの様子も見に行かないと。」

「俺も行くぞっ！」

バッと立ってピースをしていた。

「はいはい。」

俺も鶴丸国永に続いて立ち上がった。



「あーるーじー！」

「急に抱きつくな！」

「お！驚いたか？」

「すげー驚いた。」

「さすが俺！」

後ろから抱きしめられたまま廊下を歩いた。こんなに懐かれるとは思わなかった。嫌ってわけじゃねぇしいいんだけど。

「なぜ笑ってるんだ？」

「笑ってない。」

「なに？！」

元気になってひとまず安心した。