こんのすけに聞いたら、歴史修正主義？の活動を阻止するために刀剣男士が戦って、サイコロの出た目でルートを決めるという軽率な判断で行動する仕事らしい。

「普通に行かせないだろ。」

真顔で言った。

「…なぜだ。」

俺を睨んでるように見える。

「…怪我させたくないな。」

「別にいいだろ。」

「よくない。」

「…はぁ？俺は戦いてぇんだよ！」

「わざわざ怪我するってわかってんのに行かせる方がおかしいだろ！」

「え、えと…あの…」

「怪我すんのは当たり前だ！」

「だから、俺は怪我させたくないって…」



「だったら！俺たちは何のためにいるんだよッ！」

気づくときには遅かった。

「…う…怖い、です…」

「…ッ！」

五虎退を泣かせてしまった

「主も同田貫殿も、一旦落ち着きましょう？」

俺が、泣かせた

「…ッ俺は！お前を主として認めねぇ！」

襖を乱暴に開けて広間から出て行った。再度静かになる。俺は深呼吸をした。

「内番やってくれる人はお願い。その他は頼み事があるかもしれないが、そのときは頼む。朝から元気に頑張ろう。」

みんなにも迷惑かけてしまったな。

「…五虎退。」

泣いている五虎退を右腕で抱きかかえ俺も広間を出た。ひとまず審神者部屋に連れて行く。

「五虎退、大丈夫か？」

ソファーに座り五虎退を膝の上に乗せた。まだ泣いている。

「主様…喧嘩は、ダメ…です。」

俺が五虎退を抱きしめると五虎退は抱きしめ返してくれた。

「…ごめん。」

俺が子どもを泣かせることは今までなかった。初めてでどうしたらいいかわからない。

いつも五虎退の周りにいる虎が俺のエプロンの裾を口で引っ張った。

「虎さん、怒らないでください。」

怒ってるのか。

「すまんな、虎さん。主人を泣かせちまって…」

虎の頭を撫でようと手を近づける。



「いてっ。」

噛まれた。結構深く。

「ああ…！ごっ、ごめんなさ…」

五虎退は血が出てる手を握ってまた薄っすらと涙を浮かべていた。

「大丈夫だよ。先生、全然痛くな…あ。」

「せんせい…？」

いつもの癖で自分のことを先生と言ってしまった。

「うん。先生ってわかるか？」

「わかります…！みんなに、お勉強を…教える人っ…！」

「正解。俺は最近まで先生だったんだよ。」

「わぁ！すごいですね…！」


その後もしばらく話をしていたら五虎退は膝の上で寝てしまった。

「はぁ…」

噛まれた手を見れば先ほどよりも血が溢れ出ていた。