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9. 共に歩む決意
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鳥による通信手段の考試から、3日後。
「う~~…私1人で王子一行を島にお連れするなんて…」
「そんなに緊張すると持たないよ? キハル」
「だって白雪っ、殿下よ殿下!」
「そうだけど」
「だぁいじょうぶにゃって、ハルちゃん。それより、ハイこれ、頼まれてた笛と鈴」
ミシャはキハルに、胡桃石を削って作った笛を1つと、鈴を4つ渡した。
「頼まれた通り、笛と鈴は全部同じ音がするように作ってあるにゃ。島に帰ったら試してみて?」
「うん、ありがとう…。あ~~ミシャ! やっぱり一緒に島まで来てくれない!? 道中1人なんて心細いよ~」
「それは無理にゃ……ミーもこっちで仕事あるし」
「って言ってる間に、来たみたいだよ~?」
オビが城の方を指す。
ゼンとミツヒデと木々が出てきた。
「キハル殿、待たせてすまない。出発できるか?」
「あ、はい! 殿下!」
緊張気味に背筋を伸ばすキハル。
そして、同じように緊張した顔になる白雪。
オビとミシャはちらりと白雪を見た。
明らかに様子がおかしい。
ゼンはキハルと話した後、白雪の方を向く。
その瞬間、白雪は肩を揺らした。
「キハル殿の見送りか? 白雪」
「う、うん、うん、そう」
「怪我の具合はどうだ?」
「あっ、大丈夫、リュウが診てくれてるっ」
「そうか、良かった」
2人の様子を見ていたオビは、ミシャの手を掴む。
「んにゃっ、
そのまま手を引き、ミツヒデと木々に近寄っていった。
「お嬢さん、考試終わってから変ですよね」
「まぁ、確かに。…でも、ゼンは見た感じ普段通りなんだよな…」
「そこが妙ですよねぇ」
「ゼンが何か言ったかしたんでしょ」
「何を!?」
「やっぱりそう思います? …ってわけでミシャ」
「にゃ、
「白状するときだぞ?」
「べ、別にミーは、
「お前、仕事以外だと嘘ヘタだな」
「知らにゃーよ! ゼンに訊いて!」
ミシャはオビの腕を振りきり、ぷいっとそっぽを向いた。
「おい、何集まってんだ? もう行くぞ?」
…というわけで、ゼン、ミツヒデ、木々は、キハルの案内でユリス島へと出発した。
それを、白雪とオビとミシャは見えなくなるまで見送る。
「は~……俺もついて行きたかったかな~。……まぁそれはいいとして。ねぇお嬢さん。ココクの見張り台で主と2人きりになったときさぁ」
「!」
「ひどく叱られでもしたぁ?」
「えっ? や、してないよ!?」
「はははっ、だよねぇ? そんなことじゃないよねぇ?」
「えっ? う、うん……あっ、わ、私! 仕事の時間だからまたね!」
「え、ちょ、おーい!」
白雪は一目散に逃げていった。
「やりづらいなぁ…」
ミシャが、頭の後ろに手を組んで歩き出す。
「女の子に妙にゃこと訊くからにゃよ」
オビはその後をついて歩いた。
「なー、ホントに何があったんだよ。このままじゃ仕事に支障出るからさぁ」
「にゃから本人に訊けっての」
「あんましそういうこと言ってるとォ…」
「!」
オビは後ろからミシャに抱きついた。
そして…
「にゃははははっ、んにゃっ、やめろっ!」
思いっきりくすぐり始めた。
「主たちから聞いたんだよね~。ミシャはくすぐられるのに弱いって。ほ~れほれ」
「にゃっはっはっ、ひぁっ、分かった! 話すから! ひぐっ、にゃめてっ!」
オビはくすぐるのをやめ、ミシャを腕の中に捕えたまま、耳元で囁いた。
「…で? 何があったわけ? あの2人」
「!」
いつの間にか後ろから抱き締められていたことに、今さら気づき、ミシャの心臓は煩く鳴り始めた。
「聞いてる? ミシャ」
ミシャはハっとして、視線を彷徨わせながら呟いた。
「じ、実際に見たわけじゃにゃーけど…」
「分かってるよ」
「……ちゅー…したんにゃと思う…」
「え、主がお嬢さんにっ?」
「断りもにゃくしたこと謝るとしたら、そのくらいじゃにゃー?」
「それでお嬢さんが変になったのか…」
「けど、あんにゃに雪ちゃんのこと大事にしてたゼンが、雪ちゃんに断りもにゃくそんにゃことするにゃんて」
「んー…」
オビはミシャの頭に顎を乗せて、空を見上げた。
…思い出される、何週間か前の夜会の日。
自分も、同じことをやらかしかけた。
(意外と自制利かないもんなんだよね~…)
「オ、オビ」
「ん~?」
ミシャは照れ隠しに、自分を捕まえているオビの腕をパシパシ叩いた。
「あ、頭重い。……あと、そろそろ雪ちゃんの護衛に行かにゃーと」
「あぁ、はいはい」
オビが腕を緩めると、ミシャはするりと抜け出して、足早に薬室へと歩き始めた。
オビは自嘲気味な笑みを浮かべてため息をつき、ミシャの後をついていった。