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7. 雨
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その頃。
「……ん…」
ミシャは自室で目を覚ました。
まだ開かない目をこすりながら、むっくり体を起こす。
"サァーーー……"
雨の音が耳を占領し、ほとんど何も聞こえてこない。
(……そういえば、雨か…)
ミシャは朧げに目を開いた。
…しかし。
「……ん、あれ…」
何も見えない。
視界はほぼ真っ暗だ。
(…結構寝てたんかにゃ。…薬、切れてる)
ミシャは手探りで、サイドテーブルを探す。
ベッドの上に散乱した置き物たちに手が当たりながらも、何とかテーブルを見つけた。
(薬…薬……)
手探りで、1つだけ残っているはずの薬包を探す。
が…
"トンッ――――――パシャッ"
手がコップに当たり、水の零れる音がした。
「んにゃ…」
何だか嫌な予感がして、テーブルの上をペタペタ触ると、水に濡れた薬包紙が、指に触れる。
「しまった…」
残り1つしかなかった薬を、あろうことか水に浸してしまった。
錠剤が苦手なミシャは、いつもガラクに粉薬を頼んでいる。
それが今回は仇となった。
薬は水に溶け出し、テーブルから滴り落ちていく。
いつもなら、耳と鼻だけで薬室まで行けるのだが…
「……ど…しよ……」
目はもちろん見えない。
耳も雨音以外は聞こえない。
雨の湿気の匂いで、鼻も利かない。
―――もう、世界の輪郭が分からない。
「や、やだ……だれか……っ」
"ドタタッ"
ミシャは恐怖に駆られ、ベッドから転げ落ちた。
「いっ…」
左手首に痛みが走る。
上手く受け身を取れなかったせいか、手首を傷めたようだ。
「……っ」
ミシャは部屋の扉を探して、左手をかばいながら床を這い始めた。
散乱した置き物たちをガラガラと掻き分け、ただひたすら前に進む。
その方向に扉があるかは分からない。
ただ、壁に当たればそこから辿れる。
ミシャは壁に当たるまで、前進し続けた。
"ゴツッ"
「いった…」
何かが、額に当たった。
ミシャは打ったところを左手の甲で押さえ、右手を前方に伸ばす。
…そのとき。
ミシャには分からなかった。
今ミシャがぶつかったのは、部屋の中で一番大きな置き物だったこと。
それがぶつかった衝撃で、ミシャの方に倒れてきていたことも。
"ギシッ、ギギギギィィッ……"
「!」
何かが倒れてくる気配を感じた時には、もう遅かった―――
"ドゴ…ッ"