夢主たちの名前を決めて下さい。
第三巻
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平日の昼間、うさぎ漢方『極楽満月』にて。
「えっと、石膏と当帰を同量ずつ……」
桃太郎は店でひとり、昨日教えられたばかりの漢方薬を試作していた。
白澤は地獄の花街に、薺は兎たちを連れて、畑の手入れに出掛けている。
桃太郎は店番をしながら、薬の勉強をしているところなのだ。
そこに……
「ごめんくださ~い……」
いかにも元気のなさそうな声が聞こえた。
「あ、は~い! いらっしゃいませ~」
桃太郎は一旦手を止め、出迎えに行く。
「……胃薬、あるかい?」
腹部をさすりながら訊いてきたのは、猫又。
『週刊三途之川』編集部の記者、小判だ。
「あぁ、はい、ありますけど……。どういった症状で?」
「いやァ先日、胃に穴が開きまして……」
「えっ、そうなんですか!? それは大変でしたね」
「それで薬をと……」
「あー……五分ほど待ってて貰ってもいいですか? 今、処方の出来る者を呼んできますんで」
「うん? アンタ薬剤師じゃにゃいのかい?」
「俺はまだ見習いで、医薬品の販売許可がないんです」
「ほ~、そうだったんかい」
「すいません、すぐ戻りますんで、お好きなところに座って待っててください!」
「あいよ~」
桃太郎は小走りで畑へと向かった。
五分ほどして、薺を連れて戻ってくる。
「お、来た来た」
カウンター席に座って待っていた小判は、くるりと振り向く。
薺が息を切らせて駆け寄った。
「す、すみませんっ、おまたせしました!」
「イヤイヤ、構わんぜ?」
「あ、小判さんでしたか! いつも白澤さまがお世話になっております」
「わっちは何もしてにゃーよ。
「今まさに、衆合地獄です」
「かァ~、飽きないねぇあの人も」
「それで、胃に穴があいたとうかがいましたが、そのげんいんは判明していますか?」
「そらもうハッキリと。冷血闇鬼神から受けたストレスでさァ」
「や、闇鬼神……?」
何だか、とてもよく知っているような……
薺は処方用のメモを取りながら、問診を続けた。
「……なるほど、ストレス性の胃潰瘍ですね。どちらかというと、体力はある方ですか?」
「んー、まぁ、記者だしねぇ。そこそこあるとは思うぜィ?」
「わかりました。では、
薺は薬品棚に駆け寄り、迷うことなく薬を出してきた。
それを一定量ずつ薬包紙に包み、『処方箋』と書かれた袋に入れる。
「ふくろにも書いてありますが、一日三回、食前に一包お飲みください。ゆのみ六分目ほどのお湯にといて飲むと、効果的ですよ!」
「そうかい、ありがとさん」
「まずは二週間ほど、様子を見ましょう。もし万が一、おからだに異常がでましたら、すぐにご連絡ください。異常がなければ、また二週間後におねがいします」
「あいよ。また頼みまさァ」
店の出口へ歩いていく小判を、薺は戸口まで見送った。
「おだいじに~!」
翌日。
小判はいつも通り、猫又社に出社した。
「吾輩は、
「……はい、知ってます」
「名前はもうある。クシャミです」
「いや、だから知ってますって、クシャミ
「やだ! 新入社員が居る限りやる!」
「……もう合いの手入れんのも骨が折れる」
「るっせー! オメェが撮ってきたババァの裸で、こっちゃキャットタワーから落ちて前足折ったんじゃ!」
「えっ、それが理由だったんすか!?」
「奪衣婆すげぇ!」
「あの長靴履いて巨人を倒したと言われる
「あれ?
「イヤ、100万回生きたんだろ?」
「違うわよ。イッパイアッテナと友達だったのよ」
「オイ、全部違う作品だぞ。……いいから、小判! オメェはさっさとピーチ・マキ撮ってこい! シングルが結構売れてんだよ!」
「アイツCDなんて出したンかい……」
小判は
♪ キャラ~メル~、天国~
あまくて~、やさしい~、ねっとり感~
「……」
"カチッ"
小判は無言で、プレイヤーを止めた。
アイドルらしいパッケージを、半目で見つめる。
(どうなんだろ、これ……)