夢主たちの名前を決めて下さい。
第三巻
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
飲み屋の大部分を貸し切っての宴会は、深夜0時を回っても続いていた。
「ぷは~ぁ!」
閻魔も相当酔っぱらってきている。
「飲み明かすのって、日本の伝統って感じするな~」
隣の鬼灯は、
「伝統じゃありません。因習ですよ」
「あ、そうだ! 聞いてよ鬼灯君! みんなにも聞いてほしいなァ。孫の坊がね? わしを指さして、地獄行き~って言うんだ~!」
"パンパンッ"
鬼灯が手を叩いた。
「ほらほら、空気なんて読まなくていいですから。帰りたい人は帰りなさい。……今帰らないと、大王のお孫様語りが始まりますよ?」
"ガタッ、ガタガタッ"
「「「帰るぞおおっ!」」」
「タイミング作ってくれてありがとうございます! 鬼灯様!」
獄卒たちは、一人残らず帰っていった……
「みんな、わしの話そんなに嫌なの……?」
「まったく、これじゃ叫喚地獄の亡者共と同じですよ」
鬼灯は、チラリと膝上の椿を見下ろし、顔に掛かっていた髪をどけてやる。
桃太郎が首を傾げて訊いた。
「叫喚地獄ってどんなとこなんですか?」
「まぁ、平たく言うと、酒乱の堕ちる地獄です。あそこの16小地獄は全て酒絡みで、いわゆる酒乱の巣窟なんです」
「へぇ~」
"ガラララッ!"
突然、飲み屋の戸が開く。
「あ! 良かった、まだいらっしゃったんですね! 大王! 鬼灯様!」
「「?」」
戸口に現れたのは、息を切らせている獄卒。
「大変です! 叫喚地獄の亡者共が、雑用係・
聞いた途端、鬼灯は眉間にしわを寄せて立ち上がる。
「どういうことですか!」
膝に寝かされていた椿は、勢いよく床に転がった。
「ぅぶっ………痛ってぇ……」
頭をさすりながら、不機嫌そうな顔で起き上がる。
何ごとかと、戸口の獄卒と、傍に立つ鬼灯を交互に見た。
「せっかく
閻魔と桃太郎が呆れた目をする。
「鬼灯君、そんな風に捉えてたんだ……」
「そして八岐大蛇は雑用なんだ……」
そこへ、ウサギ型にカットしたりんごを持って、白澤が近寄ってくる。
「何々? リハビリ? 雑用?」
「うわ、上手いっすね~」
「えへへ~」
鬼灯は獄卒から状況を聞き出した。
傍に居る椿の耳にも入ってくる。
「―――という感じで、『帰って来たヨッパライ』フルコーラスで、ドンチャンベロンベロンです!」
「おー、懐かしい歌だな」
「歌詞は微妙にマッチしていますが、地獄に居ながら『天国良いとこ』などと歌われては屈辱です!」
白澤が半目を向けた。
「正確だけどよく分からん分析するなぁ……」
鬼灯は金棒を手に取る。
そして、小声で椿に尋ねた。
「……今日、昼からでしたよね。起きたのはいつです?」
椿はハンマーを担いで答える。
「……12時だ。朝4時まではギリいける」
「……明日、というか今日は休みにしておきますから、出来る限り手伝ってくれますか」
「……あぁ。……終わる前に寝ちまったら悪い」
「……構いません」
二人は上がり縁で草履を履いた。
「鬼灯君、椿ちゃん! わしも行くよ」
そう言う閻魔に、二人は鏡合わせのように振り向く。
「大王はここに居ろよ」
「ボスは会議室に居ていいのです。事件が起こっている現場へは、私たち部下が向かうものですから」
「君たち……。カッコよく言ってるけど、要するに、厄介払い!?」
「はい。目立つし邪魔です」
「機動力もねぇしな」
二人は、知らせに来た獄卒と共に、店を飛び出した。
桃太郎が声を掛ける。
「あの! 何か手伝いましょうか!」
走りながら鬼灯が答えた。
「危険ですから、ついてこなくていいです」
「え、あぁ、はい……」
鬼神に危険と言われれば、何となく身が引ける。
「ん~でもねぇ……」
「ぅおうっ、白澤様!? いつの間に横に……」
「ついてくるなって言われると、行きたくなるよね~」
「え、いや、でも……」
「ん…んん……白澤さま?」
白澤の腕の中で、黄色の兎がもぞもぞと動いた。
「あ、おはよ~薺ちゃん。頭痛くない?」
「はい、だいじょうぶですけど……。……え? わたし、いままで何を……?」
「それは道すがらね~。行くよ桃タロー君」
「……は、はぁ……分かりました」
というわけで、三人、もとい二人と一匹も、叫喚地獄へと向かった。