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13. 海軍要塞ナバロン
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闇にまぎれたティオは、ひそかにメリー号を目指していた。
海軍に帰ろうにも、今の自分は制服を着ていないし、海兵としての証明書もない。
すべてはメリー号のクローゼットの中だ。
ティオは、唯一スポットライトの当たっていないマストの先端に降り立ち、鼠に変わった。
そこから影を縫うように甲板へと降り、見張りの海兵たちの目を盗んで船室に入る。
諜報員として様々な場所に潜んできたティオには、ザルも同然な警備だった。
「……」
人間に戻り、クローゼットを開けたティオは少しだけ固まった。
懐かしい白と青の制服。
着なくなってから、まだ一週間も経っていないのに、何年も着ていなかったような不思議な感覚がした。
胸の痛みが酷くなり、鼻がツンとして、目が熱くなる。
こんなときに、頭をポンポンと叩いてくれるあの大きな手が恋しくなるのは何故だろう。
「……っ」
ティオは嗚咽を必死に噛み殺し、手早く着替えを済ませ、もう一度鼠に変身した。
海兵の死角を縫うように進み、マストの先端で再び鳥になると、闇に向かって羽ばたく。
これからのことを思うと、いつもより3倍は羽が重い気がした。