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13. 海軍要塞ナバロン
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『海賊、麦わらの一味に告ぐ! お前たちは完全に包囲されている! 無駄な抵抗はやめて降伏しろ!』
命からがら青海にたどり着いた麦わら一味。
そんな彼らに訪れたのは、またしても災難だった。
周囲は崖に囲まれており、闇の中で、軍服が無数に浮かび上がる。
―――海軍に囲まれている。
誰もがそう思った瞬間、ルフィが一言……
「逃げろ!」
それが引き金となり、一味はそれぞれ、鉄砲玉のようにメリー号から飛び出していった。
……のちに海兵たちが乗り込んでくる頃には、メリー号はもぬけの殻だったそうな……
「はぁ~死ぬかと思った……」
「災難ね」
「(コクン)」
島の一角。
ウソップ、ロビン、ティオは、ひと気のない崖の上から、ライトアップされたメリー号を見つめていた。
夜風が辺りの草木を揺らす。
「にしてもよ~、ここは一体どこなんだ? 妙に海軍の奴らが多いが……」
「ここ、かいぐんほんぶ、だい8しぶ。てっぺきの、まもり、ほこる、ようさい。かいぞくの、しんにゅう、ゆるさない。いちど、さそいこんだ、かいぞくも、にがさない。つうしょう、はりねずみ」
「なにぃっ!?」
「私も話には聞いたことがあるわ。要塞ナバロン。難攻不落と言われる、海軍最強の要塞だとか」
「おいおいマジかよ~。何だってそんなとこに落ちてきちまったんだ俺たちはぁっ! 脱出できるわけねぇじゃねぇか~。それに、あんなにスポットライト当てられてたら、メリー号に近づくこともできねぇし」
とりあえず、ロビンが能力でメリー号の様子を探った。
「……なるほど。船員が1人もいないから、海軍はメリー号を、幽霊船だと思っているらしいわ」
「何だと!? 失礼なっ、訴えてや…むぐっ」
つい大声を出してしまったウソップの口を、ロビンが手を咲かせて塞ぐ。
「でも、そう思ってくれた方が、私たちにとってもメリー号にとっても安心よ。時間が稼げるわ。……そうと分かれば、ふふっ」
少しして、メリー号から海兵の悲鳴が聞こえた。
「「ぎゃあああああっ!」」
どうやら、幽霊船の疑いを色濃くするため、ロビンが悪戯したらしい。
「とりあえず、脱出に必要な情報を手に入れることが先決ね」
「ようさいの、みとりず、こんな、かんじ」
「「?」」
いつの間にか、ティオが地面に要塞の見取り図を書いていた。
形状はまるでドーナツ。
高い岩壁に囲まれて、湖のようになっている海の真ん中に、要塞の本館が建っている。
外海と繋がる出入口は一箇所しかない。
「いま、ここ、いる。これ、しれいかんの、へや。じょうほう、てにいれる、なら、このちかく、めざすべき。それと、ここの、しれいかん、じょなさん、ちゅうじょう、あたま、いい。いろんな、わな、しかけてくる。きをつけて」
図のあちこちを指して、情報を与えてくれるティオに、ロビンが静かに訊いた。
「いいの? そんなこと教えて。私たちは敵なのよ?」
「……」
「そういやそうだな。空島んときは互いに利害が一致してたから、ギブアンドテイクでやってたが、今度は状況が違う」
「……わか、てる」
ティオはいつもの無表情に影を落として、2人に背を向けた。
「これは、てぃおのこと、ここまで、つれてきて、くれた、おれい。……だから、」
続く一言を考えると、胸の奥が痛くなった。
「いままで、ありがとう。……ばいばい」
"ボンッ"と、お馴染みの音がして、ティオの姿は鳥に変わった。
小さな黒い体は夜空に舞い上がり、闇にまぎれてどこかへ飛んでいく。
ロビンとウソップは、しばらくその背中を見送った。
「……最後、私たちの方を向かなかったわね」
「そうだな。……いつの間にか忘れてたぜ。ティオが海兵だったってこと」
「少し、寂しくなるわね……」
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