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1. アラバスタ戦線
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ティオは無表情のまま、レインディナーズへ飛んでいく。
濃紺の翼で風を切りながら、ビビの記憶から得た情報を脳内で整理していた。
バロックワークスとクロコダイルには密接な関係があった。
というより、クロコダイルこそがバロックワークスのボスだった。
社員数 約2000人の、秘密犯罪会社、バロックワークス。
社長のMr.0、すなわちクロコダイルと、Ms.オールサンデーなる副社長を筆頭に、幹部は24人のエージェントである模様。
その下に200余名のビリオンズ、1800余名のミリオンズがいるらしい。
ビビは3年前、その中にMs.ウェンズデーとして家臣と共に潜入し、クロコダイルの動向を調査していたようだ。
クロコダイルは、アラバスタに内乱を起こして、王座にちゃっかり座れるような計画を、4年間かけて実行してきたらしい。
つまり、国の乗っ取り―――。
しばらくして、ティオはレインディナーズ最上階に辿り着いた。
鳥のままで開いている窓の淵にとまり、中をそっと覗く。
部屋の奥に人影が2つ見えた。
椅子にどっかりと腰を据えた男と、その傍に立つ女性。
「……」
一目見ただけで、男がクロコダイルであることは分かった。
ということは、女性の方はMs.オールサンデーだ。
(にこ・ろびん……)
わずか8歳にして、懸賞金7900万ベリーの賞金首になった彼女を、ティオが知らないはずがない。
なんと、Ms.オールサンデーはニコ・ロビンだった。
最悪の2人が手を組んでいる。
しかし焦ることなく、ティオは平然とカーテンの影で変身した。
"ポン……"
小さな音と煙と共に、鳥から鼠に変わる。
体長6cm程の、ふとすれば見落としてしまうような姿だ。
ティオの捜査スタイルは、見つからないことが基礎基本。
潜入時は必ず、鼠に変身する。
「……」
カーテンに隠れて変身した上に、窓から入るこの騒音。
気づかれはしないだろう。
「……騒がしいな」
クロコダイルが、新しい葉巻きに火を灯しながら言うと、ロビンが答えた。
「ふふ……どうやら麦わらの一味がここへ入り込んできたようね。一階で大騒ぎしてるわ」
「フン……相変わらず気色悪い能力だ」
どうやらロビンが、能力で階下を覗き見たらしい。
「VIPルーム、でいいのよね?」
「……あぁ、そうだな」
「了解。ではすぐに」
ロビンは部屋を出ていった。
"バタン"
期せずして、クロコダイルは1人になった。
情報を集めるなら今のうちがいい。
ティオはできる限り足音を立てずに、壁に沿って歩を進めた。
鼠になるのは見つからなくていいが、走らなければならない距離が長いため、利便性はどっちもどっちといったところだ。
(ほんだな……)
ちらりとクロコダイルの動向を確認しつつ、部屋の隅の本棚へ向かう。
部屋は明かり一つついておらず、真っ暗に近い。
ティオにはこれ以上ない絶好の機会だ。
小さな手足で本棚をよじ登る。
すると、本と本の間に、鼠なら通れるくらいの隙間を見つけた。
ティオは迷うことなくそこに潜り込む。
(みつゆでんぴょう? ひんめい、だんすぱうだー……。きんしのくすり、やみとりひき)
強制降雨薬、ダンスパウダー。
世界政府が禁止している薬品の一つだ。
思わぬ収穫に、ティオはクロコダイルの狙いの深淵を覗き見た気がした。
さらなる情報を集めようと、再び本棚を登り始める。
三段目の棚に前足をかけた、そのとき……
"ズササッ"
「!」
いきなり何かに囲まれる感覚に陥った。
胴体に巻き付く砂。
疑いようもなく、クロコダイルの仕業だ。
調査対象に見つかるなど、ティオにとっては初めてのこと。
さすがは王下七武海だと、捕まったにもかかわらず、ティオの頭は冷静だった。
「ほう、お前が噂に聞く諜報員か? そろそろ政府が送り込んでくると思ってたぜ」
ティオは何とか砂から逃れようともがくけれど、クロコダイルがそれを許すはずもない。
"グギュッ"
「ぎ……っ」
砂に圧迫され、ティオはぐったりと砂に身を預けた。
朦朧とする意識の中、尻尾を掴まれてぶら下げられる。
"ガチャ"
ロビンが戻ってきた。
「予想通り、彼らは地下の檻に……何なの? それ」
「海軍の諜報員だ」
「あら、そんな鼠が?」
「悪魔の実の能力者さ。……ククッ、偽物だけどな」
「偽物?」
ティオは尻尾を掴まれたまま、どこかへ連れていかれた。