夢主の名前を決めて下さい。
11. 空島最終決戦
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ツルが弾け、ワイパーは反動で気を失い、下層へ落ちてゆく。
「?」
爆発音に気づいて、下層でゾロの介抱をしていたティオは、上を見上げた。
「……」
落ちてくるワイパーを見つけると、鳥に変わって上昇する。
「何じゃありゃ! 見た感じはインパクトっぽかったけど……」
「なんて力なの……」
「ワイパー! どうしよう! このまま落ちたらワイパーが死んじゃう!」
アイサは一目散に駆け出した。
しかし、ウソップに止められる。
「大丈夫だ。下にティオがいる。ゾロの時みたく何とかしてくれるはずだ!」
雲の縁から下層を覗き込むと、案の定、ティオがワイパーの体を島雲に落ちるよう押しやっていた。
「よしっ、俺たちは離れるぞ! もうすぐツルが倒れる! ここにいちゃ危ねぇ!」
ウソップはアイサを抱えて、ロビンたちの方へ戻ってくる。
その背後で、ジャイアントジャックはミシミシと唸り、西へ倒れ始めた。
「よっしゃあ倒れろ! 頼むぞルフィ、ナミ! 飛べよ! エネルのとこまで!」
ウソップが叫んだ瞬間、アッパーヤードへの雷が量を増した。
どうやら自分の元へ向かっているルフィとナミに気づき、エネルが雷を集中させているらしい。
とはいえ、あとはルフィとナミを信じて待つしかない。
黄金の鐘の音が鳴るその時まで。
「やべぇ! 下層が見えてきた! このままじゃ下層にも雷が届く!」
「あそこにはワイパーがいるんだよ!?」
「ゾロもだ! くそっ、頼むぞティオ! 何とかしてくれぇ!」
ウソップたちの願いが届いてか、ティオは下層で奮闘していた。
(たかいとこ、ひらいしんに、して、かみなり、よけるっ)
エネルが意図的に狙って落とさなければ、雷は高いところから順に落ちる。
ならば、より低いところにいればいいだけの話。
ティオはゾロを引きずって、一番安全であろう場所に運び、続いてワイパーも運ぼうとした。
しかし……
(どう、して……)
ワイパーは自分の足で立っていた。
見つめる先は、空。
もう身体は限界を超えているはずなのに。
「無駄だ、エネル。お前には落とせやしないさ。誇り高い戦士達の歴史を、どこにあろうと力強く生み出し育む、この雄大な力を。お前がどれだけの森を焼こうと、どれだけの遺跡を破壊しようと、大地は、決して負けない!」
「……」
ティオも一緒になって空を見上げた。
ルフィとナミが、今どこにいるか分かる。
もう少しだ。
「行けええぇぇぇぇぇぇっ!
麦わらあああぁぁぁっ!」
ワイパーのその声は、届かない。
しかし"思い"は、何かの形となって届くはずだ。
「……あ」
ティオの覇気が感知した。
ルフィとナミが、ついにジャイアントジャックから飛び出したことを。
そしてルフィは、エネルの元ではなく、あの巨大な雷雲の塊へと突っ込んでいく。
ルフィの右手にくっついた黄金のせいか、雷雲の塊は異常な放電を始めた。
そして……
"ズドオオオォォォンッ!!"
雷雲の塊はアッパーヤードに届くことなく、割れた。
空が一瞬にして晴れ渡る。
「あお、ぞら……」
空島の、いつもの青空が、帰ってきた。
その晴れ空の中に、光るものが1つ。
「……る、ふぃ」
間違いない。
ルフィの右手の黄金が光っているのだ。
ティオは目を見開いてそれを見つめる。
自然と両手を胸の前で握っていた。
胸が詰まって息が苦しい。
心臓が痛いほど音を立てて脈打つ。
けれど、その感覚は何故か嫌ではなく、寧ろ心を掻き立てた。
「……なら、してっ……おうごんの、かね!」
ワイパーもルフィを認識し、今一度、空に向かって叫ぶ。
「鳴らせ! 麦わらぁっ!」
それから、ほんの数秒後―――
"ゴオオォン…"
―――響いた。