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10. 絶対的な力
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「倒した、の……?」
誰もがそう思った。
……しかし、現実はそう甘くない。
"バチッ…バチッ…バチッ"
規則正しく雷を放出するエネルの体。
それはまるで鼓動のよう。
「まさか、自分で心臓をマッサージして……」
エネルはゆっくり起き上がった。
「人は神を恐れるのではない。恐怖こそが神なのだ」
それはもう化け物というにふさわしい所業。
「う……ぐふっ……」
ワイパーはリジェクトの反動で血を吐く。
「ほら言わんこっちゃない。だからやめておけと言ったのだ。戦士ワイパー」
「俺の名を…気安く、呼ぶな! ……故郷を奪われたっ……カルガラの無念を継いで400年。先祖代々、ただこの場所を目指した。……やっと、辿り着いたんだ!」
「ふむ……さっきのは効いたぞ、ワイパー。海楼石とはくだらんマネをしてくれた。しかもリジェクトなど、並みの人間では一発で自殺行為のはず。二発打ってまだ立ち上がるとはさすがじゃないか。……だが、相手が悪い」
"ドンッ"
エネルは棒で太鼓を叩いた。
途端に太鼓は青白い光を放つ。
「太鼓が……鳥、に……」
「3000万ボルト、
鳥の形をした雷は、まっすぐワイパーを通り抜けた。
「ぐああぁっ!」
その隙をついて、ゾロが走り出す。
ワイパーが使っていた、海楼石入りのウェイバーを手にした。
「この中に海楼石が入ってんだな!」
「貴様もか、青海の剣士」
「殺らなきゃ殺られんだろ!」
"ドンッ"
エネルが別の太鼓を叩くと、それが今度は虎になる。
「
「う、ぐああぁぁっ!!」
「ゾロ!」
"ドサッ"
ついにゾロまで倒れ、その場にはナミとエネルだけになった。
これまでに感じたことのない恐怖で、ナミは背筋が凍るのを感じる。
「ひ……っ」
エネルはそんなナミの恐怖を知ってか知らずか、ゆったりと近づいてくる。
ナミは腰が抜けてそこから動けずにいた。
ゾロ、ロビン、チョッパー、ティオ、ガン・フォール、ワイパー。
その場にいた者たちが、今となっては全て黒こげの炭だ。
そんな極限の恐怖の中で、ナミが身を守るために出来たことはただ1つ。
「ぁ……わ、わたし……」
「……」
「連れてってください! あなたの…夢の、世界へ! ……ダメですか?」
一応生き残ったんだ。
まだ一緒に行く権利はあるはず。
一緒に行くと見せかけて、どうにかして逃げ出そう。
そう考えた上での発言だった。
「フン、よかろう」
「ありがとうございます!」
ナミは精一杯の作り笑いを浮かべて見せた。
そして、歩き出すエネルの後ろを、ウェイバーを引きながらついて行く。
「持っていくのか? そんなものを」
「えっ、あぁ、はい! お気に入りなんです、コレ!」
「……まぁ、構わんが、我々が行く場所では使えんと思うぞ」
「あ、ははは……」
―――かつて黄金郷と呼ばれたシャンドラの遺跡。
敗北し、伏した戦士達の間を、砂塵が静かに抜けていった―――。
→ 11. 空島最終決戦
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