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10. 絶対的な力
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その頃、ワイパーはバズーカを握り締めていた。
「一撃っ……散々バズーカを撃ち込んでも死ななかった空の主が! ……くそっ、これじゃ中のアイサまで!」
そこで、後方からの視線を感じ、ワイパーは振り向きざまにバズーカを放った。
"ズドォンッ"
背後にいたのはエネル。
しかして
「エネル!」
「ヤッハッハッハッ! 何をする。ひどい仕打ちじゃないか? 戦士ワイパー。せっかくお前のふるさとに招待してやったというのに」
「……」
「まぁそういきり立つな。しばし待て。ゲームはまだ終わっていないのだ」
「ゲームだと?」
「そう、他愛もないゲームさ。お前も、その後ろの面々もその参加者」
エネルの視線を追うように、ワイパーは後ろを振り返った。
ガン・フォール、ゾロ、ロビンが歩いてくる。
ナミはチョッパーとティオを抱えて、後ろの遺跡に隠れたままだ。
「ようこそ、栄えある生き残りの諸君。よくぞここまで辿り着いた。褒めてやろうじゃないか。ヤッハッハッハッハッハッ! ……なに、ちょっとした戯れだよ。お前らがこの島に入って3時間が経過したとき、82人のうち一体何人が立っていられるかというサバイバルゲーム。この私も含めてな? 途中参加者もいるが、それも認めている。私の予想は、生き残り5人」
それを聞いたナミは、眉をぴくりと動かし、その場の人数を数える。
(5人? ……ってことは、ゾロ、ロビン、変な騎士、バズーカ男にエネル。良かった、あたしには気づいてないみたい)
「あと3分で、その3時間が経つ。つまりこの場に6人もいてもらっちゃ困るというわけだ」
(げっ、バレてた……)
ナミは静かに涙を流した。
「神が予言を外すわけにはいくまい。絶対なのだから。……さて、誰が消えてくれる? そっちで消し合うか? それとも私が直接手を下そうか」
ゾロはロビンを見る。
「お前どうだ?」
「私は嫌よ」
「俺もだよ」
ワイパーとガン・フォールもため息をついた。
「俺もゴメンだな」
「吾輩も断固拒否する」
というわけで、4人の矛先は一つところへ向く。
「「お前が消えろ(あなたが消えて)」」
4つの指が、エネルを指した。
「クククッ……不届き。この私に消えろと? ……これはまた。ヤッハッハッハッ! さすがはゲームの生き残り共。だがお前たち、誰に物を言っているのか分かっておらぬようだな。お前たちはまだ、神というものの存在を理解していないようだ」
エネルの体内で蓄電が始まる。
「スカイピアの幸福を望む老いぼれに、ひたすら故郷を望む戦士、黄金を狙う青海の盗賊共。悩み多きこの世だ。子羊が何を望もうと構わんが、この国にはそもそもの間違いがある」
「くだらぬことを言っている暇があるのなら、さっさと神隊の場所を答えよ! 貴様の目的は一体何だ!」
「還御だよ、ガン・フォール」
「還御?」
「そうさ。神は暁光を得ると、帰るべきところへ帰る」
「帰る? スカイピアを去るということか?」
「そうだ。私には帰る場所がある。私の生まれた空島では、神はそこに、フェアリーヴァースにいると言われている。そこには見渡す限りの果てしない大地が広がっているのだ! それこそが私の求める夢の世界! アッパーヤードなどという小さなヴァースを奪い合うなどくだらぬ小事。……いいか? お前らの争いの原因は、もっと深いところにある。よく考えろ。雲でもないのに空に生まれ、鳥でもないのに空に生きる。空に根付くこの国そのものが、土台不自然な存在なのだ。土には土の、人には人の、神には神の帰るべき場所があるのだ」
「……! ……まさか貴様っ」
「まさかというほどのこともあるまい。私は神として自然の摂理を守る。ただそれだけのこと。……そう、すべての人間を、この空から引きずり下ろしてやるのだ!」
「貴様、この国を消す気か!」
「それが自然」
「くっ」
ガン・フォールはランスを構えた。
「思い上がるなエネル! 神などという名は、この国の長の称号に過ぎん!」
「そう、今まではな」
「人の生きるこの世界に、神などおらん!」
「元・神、ガン・フォール、お前、神隊を心配していたな。6年前、お前が敗れ私が預かっていた650名。今朝、ちょうど私が頼んだ仕事を終えてくれたよ。この島でな。……言っただろう? 今この島で立っているのはこの6人のみだと。残念なことをした」
「貴様っ……」
「別に好きで手にかけたわけではない。私のこれからの目的を話してやったら、奴らは血相を変えて挑んできたのだ。ヤッハッハッハッハッ!」
「エンジェル島に家族のおる者たちだぞ!」
「そうだな。早く家族も葬ってやらねば」
「貴様ァァ!!」
鎧が石を踏み込む音がした。
ガン・フォールはランスを構え、エネルへと突っ込んでいく。
しかし、雷であるエネルにその攻撃は当たらない。
「500万、1000万、2000万……」
ティオの時と同様に、エネルはカウントを始めた。
「2000万ボルト
"バリバリッ…ズドォンッ!"
「ぐっ…………無念っ……」
「うそっ、変な騎士!」
「ジジイ!」
「じいさん!」
「この世に神はいる。私だ」
ガン・フォールは倒れた。