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10. 絶対的な力
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雷の音が止む頃、エネルはティオの頭を離した。
"ドサッ"
黒こげになったティオが、力なく地に横たわる。
ゾロの額に血管が浮かび上がった。
「……テメェ……子供だぞ」
エネルは飄々とした顔を向ける。
「何を言う。私は挑んでくる子羊を差別しない。例えそれが子供であろうと……」
エネルが視線を投げたのは、ティオに逃げるよう言われた、ラキ。
腰を抜かして座り込んでいる。
「女であろうとな」
「おいラキ! 早く逃げろ! おい!」
「
"バチバチッ…ズドォンッ!"
ティオの時よりは小さな、それでも鼓膜を揺らす轟が辺りに響きわたった。
「ヤッハッハッハッ、ヤッハッハッハッハッ!!」
"バチチッ"
高らかな笑い声を残して、エネルはどこかへ消えていった。
「……アレが神だと? ……早くここを出てあのチビを拾わなきゃならんが、その前に、仕事を一つ済まさねぇとな」
ゾロが刀を構え直すのと同時に、ワイパーも武器を取った。
「「うわばみ!!」」
「その腹ん中に用がある!」
「邪魔をするな青海人!」
「テメェこそ邪魔すんじゃねぇ!」
ゾロとワイパーは武器を交えながら、うわばみへと向かう。
もちろんオームもそこへ攻撃を仕掛けた。
「ホーリー! お手だ!」
「ワンッ!」
"ドゴォッ"
降ってきた前足の下敷きになり、神官がまた1人減る。
「あと6人と、2匹」
うわばみに向かおうとするゾロだが、ことごとくオームの攻撃に邪魔をされる。
これは、オームを倒してからうわばみに専念するほうが早いのかもしれない。
そう思い、剣の矛先を変えた。
「
「!?」
オームの声と遺跡の砕ける音を頼りに、死角からの攻撃をよける。
そして場所を変えて隠れるのだが、また攻撃を受ける。
そんなことを繰り返した。
「……くそっ、どうなってんだよ。何で俺の居場所が分かる。あのチビと同じ能力でも持ってんのか?」
「メエェッ! くたばれ、青海人!」
「オメェに用はねぇよ!」
"バキッ"
もはや斬る必要もない。
ゾロは拳一つで神官を沈め、オームからの攻撃に備えて場所を移動した。
その途中でオームを見つけ、オームに背後から襲いかかるシャンディアを見つける。
アイツがゲリラに気を取られた隙に……
そう思い、オームがシャンディアを斬ったその瞬間を狙って飛び出す。
「二刀流……」
しかし、オームは心網が使える。
もちろんゾロの奇襲にも気づいていた。
「
「高波!」
"ズガァンッ"
痛い音が響きわたった。
今までずっと鞭のように伸びていたオームの刀が、まるで壁のように平べったくなったのだ。
ゾロは技を引っ込められず、頭からその壁に激突する。
まるで鉄に頭をぶつけたような感覚。
酷い痛みと目眩を感じた。
「この剣は鉄雲。雲に決まった形があると思うか?」
「……ンのっ、やろっ」
「
「うおっ」
「
「く……っ」
ゾロはどの攻撃も紙一重でかわしていく。
そして一度場所を変えるため、走り出した。
「フン……俺にはお前の位置が分かるというのに」
オームは余裕とでも言いたげに、ゆったりとした足取りでゾロを追う。
……しばらく走ると、ゾロは止まった。
レンズの割れたゴーグルを外し、いつもの黒い手拭いを頭に縛る。
「……」
眼前には、遺跡の壁。
やがて、その壁の向こうにオームの気配がやってきた。
「残り、3人と2匹。じきに2人と2匹だがな。……お前が青海人の要のようだ。仲間諸子共々よくやった。だが、既にお前の心臓に狙いを定めている。神に祈れ。青海の剣士」
「バーカ。俺は一生、神には祈らねぇ」
「悲しいな。人は所詮早く死ぬか遅く死ぬかの違い。ならば好きにしろ」
「小賢しい説法は飽き飽きだ。俺にはお前は見えねぇが、その伸びる剣が居場所を教えてくれるよ」
「フン、分かった瞬間が貴様の死ぬ時だ!」
オームは、壁の向こうにいるゾロ目掛け、鉄雲の剣を伸ばす。
「一世三十六煩悩、二世七十二煩悩、三世百八煩悩……」
念仏のように唱えながら、ゾロもまた剣を構えた。
そして壁を突き破った鉄雲を見た瞬間……
「三刀流……百八
放たれた新技は、オームの鉄雲を弾いてオーム自身へと飛んでいく。
"ズバンッ!!"
鋭い音と、震える空気。
「ぐぁっ……」
"ドサッ"
オームは倒れた。
「この、俺、がっ……青海人、なんぞにっ」
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