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9. 神
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……なるほど、これが神と呼ばれる男か。
ビリビリ鳴っているのが、ロギア系の悪魔の実、ゴロゴロの実によるものであることは分かる。
ロギア系との戦い方も心得はある。
……けれど。
ティオは直感した。
―――勝てない、と。
「……はやく、にげて」
「え……」
ティオは唖然とするラキを置いて、単身でエネルの元へ歩み始めた。
勝てないことは百も承知。
でも、あの人を逃がすための時間稼ぎくらいは、と考える。
「幼いながらも大したものだ。この私に牙を向けてこようとは」
エネルは当然、余裕な表情。
対してティオは緊張を隠せない。
開いてしまった銃痕の痛みも、溢れ出る血も、今のティオは気にならなかった。
"―――スッ"
先手はエネルだった。
指をさすように、ティオに人差し指を向ける。
その瞬間……
「
「……何?」
"シュッ……"
"ズドォンッ"
エネルの指から放たれた雷は、遠方の島雲に当たって弾けた。
そして伸ばされたエネルの腕には、いつの間にかティオがしゃがむように乗っている。
「はっ」
"バキッ"
「ぐっ……?」
ティオはエネルの顎を狙って回し蹴りを繰り出すと、即座に離れて元の間合いへ戻った。
顎を横に蹴られたことで、エネルは脳が揺さぶられる気持ち悪い感覚を味わった。
しかし、その程度で倒れる男ではない。
「……貴様っ」
エネルは怒気と驚愕の混ざった表情を見せてから、ティオの方へと踏み込んだ。
雷の力を利用しているため、常人のそれより遥かに速い。
「……っ」
ティオは覇気と
ティオの頭を鷲掴みにしようとしたエネルの手は、空振った。
エネルはすぐさま方向転換し、ティオの方へ踏み込む。
また自分の頭へ伸びてきた手をいなすようによけて、ティオは
"ドスッ"
鳩尾にクリーンヒットする。
「くっ……」
ティオはまた十分な間合いを取った。
「……お前、もしや
「……」
「いや、それより……なぜ雷である私に触れられる!」
エネルは、
ゆえに、ティオがエネルに触れられる力が武装色の覇気だなんて、知るわけがない。
いよいよ焦ってきたエネルは、さらなるスピードを出し始めた。
ティオは見聞色の覇気に全神経を注いで、光速に近い攻撃をよけ続ける。
しかし、よけきれないものは弾くしかない。
"バシッ"
伸ばされたエネルの腕を、ティオは自分の腕で受け止めた。
そして弾こうとしたのだが……
"ビリリ…ッ"
「……っ」
エネルが帯びている雷で体が痺れる。
いくら武装色の覇気でエネル自身の身体には触れられても、発せられる雷そのものには対処できない。
エネルは無意識に雷を帯びているため、触れるだけで軽く感電してしまうのだ。
それを発見したエネルは、心底楽しそうにニヤリと笑った。
「なるほど、お前は触れることが出来るだけで、雷が効かないわけではないのだな?」
「!」
"ガシッ、メキメキッ"
「うあぁっ」
隙ができてしまった一瞬で、大きな手に頭を鷲掴みにされ、頭蓋骨が悲鳴を上げる。
「おい!」
ゾロは慌ててティオを見た。
今まで一度だって、ティオの叫び声を聞いたことはない。
それどころか、焦った顔さえ見せることはなかった。
そんなティオが……
「ヤッハッハッハッ! 単純ではないか。こうして捕まえてしまえば、あとは与える攻撃をするのみ!」
エネルが手に力を込めると、ティオの頭蓋骨がさらにミシミシと鳴った。
「あぁあぁぁっ」
エネルの手から逃れようにも、意図的に送られる軽い電撃で体がしびれ、動かせない。
「くそっ」
「よそ見してる暇はないメェ!」
「るっせぇ!」
"ズバンッ"
「メェ…ッ」
神官を一撃で斬り伏せたゾロは、檻に駆け寄り斬りつける。
しかし、そんなもので壊れる檻なら苦労はしない。
「さて、貰った分はきっちり返さなくてはなぁ」
言って、エネルはティオに攻撃されたところを、空いた手で撫でた。
「500万、1000万、2000万……」
カウントすると共に、エネルの体内で蓄電が行われていく。
「2000万ボルト」
「う…あ、ぁ……」
くっと、ティオの頭を掴む手に力が入った。
エネルは満面の笑みを浮かべて、一言……
「
"ズドオオオォォォォンッ!!"
「ティオ!!」
巨大な轟の中で、ティオにはゾロの呼ぶ声が、微かに聞こえた。
→ 10. 絶対的な力
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