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9. 神
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オームの命令で、ホーリーが走り出した。
その足元で、カチカチと罠のスイッチが入っていく。
どうやら罠を狙って踏んでいるらしい。
「……」
ティオは再びチョッパーを抱きかかえ、罠が完成していくのを見ていた。
有刺鉄線が一本、また一本と姿を現し、うまい具合に交差して網になっていく。
最終的には、有刺鉄線のドームが完成した。
「別に囲いなんかしなくても、逃げやしねぇぞ?」
「愚か者メェ! 逃げられぬだけにあらず!」
「囲うものは白い茨だぞ、メェ!」
「それが何だってんだ」
「さわったら、けがする。それだけ」
「全部片付いたらどっから出りゃいんだ?」
「そんなのは終わってから考えろ。あと、9人と2匹だ」
戦う意思のないティオも、数に入ってしまったらしい。
神官、シャンディア、青海人。
三つ巴の戦いは再開された。
「まずはあのうわばみだな。ナミと変な騎士がいる。アイツら無事なのか?」
「わからない。いきものの、なかは、きくこと、できない」
「そうか。ま、溶けねぇことを祈るしかねぇな」
「……アイサ」
とりあえず、ゾロとワイパーはうわばみに矛先を向けた。
ティオも、チョッパーを安全なところに降ろし、自分をつけ狙う神官たちと向き合う。
すると……
「ワイパー!」
どこからか女の声が聞こえてきた。
見れば、ジャイアントジャックを登ってきたらしいシャンディアの女が、駆け寄ってくる。
「ラキ?」
「よかった、見つけた! ワイパー! 話を聞いて!」
「お前、何故ここに!」
「カマキリの言葉を伝えに来たの! 逃げて、逃げてワイパー! 戦わないで!」
「!」
ワイパーはラキの後方を見て、目を見開く。
ティオもゾロもそちらを見た。
「エネルは森にいるんだ」
「おい、ラキ!」
「エネルは、昔から人が神と恐れた雷そのもの」
「来るな! ここを離れろ!」
ワイパーは必死にラキに叫ぶが、ラキは伝言を続ける。
「敵うわけないんだ「やめろ!」
「え?」
そこでラキはようやく、ワイパーが何を焦っていたのか理解した。
"ビリリッ"
「!」
「私を呼んだか?」
一瞬にして現れた姿。
低く轟くような声。
「……」
"ボンッ"
ティオはそいつの正体を察し、鳥に変身して地を蹴った。
「なっ、おいチビ!どこ行く気だ!」
ゾロの声には耳も貸さず、ティオは最速で有刺鉄線の隙間を通り抜ける。
「……エネルっ」
「よせエネル! やめてくれ! そいつは戦いを放棄したんだ! おいラキ! 逃げろ!」
エネル。
そう呼ばれた男は、ゆっくりラキに近づいていく。
するとラキは、反射的に持っていた武器を構えた。
「ラキ! よせ、撃つな! 逃げろって! おい!」
そんなワイパーの叫びも虚しく……
"パァンッ、パァンッ……"
2発の銃声が空に響きわたった。
しかして、その弾丸が当たったはずのエネルの胸には、ぽっかりと穴があいているだけ。
エネル自身は表情ひとつ変化してない。
ラキは恐る恐るワイパーを振り返り、小さく声を絞り出した。
「……にげ、て」
"バチッ…ズドォンッ"
「ラキー!」
―――激しい落雷の音と光。
それらが止む頃、ワイパーはさらに目を見開くこととなった。
「……お前」
ワイパーの目に映っていたのは、エネルの落雷を逃れたラキ、と、金髪の少女。
「はぁ……はぁ……っ、まに、あった……っ」
そこには、人間姿に戻ったティオがいた。
鳥となって檻を出たあと、人間に戻ったティオは間一髪、
……とはいえ、一発よけられただけ。
その上、無理に飛んだために、左腕の銃痕が開き、血が溢れている。
ティオの頬を、珍しく汗が流れた。
「ほう、なかなかやるではないか」
ビリビリと、帯電しながら話しかけてくるエネル。
ティオはわずかに焦るような瞳で、エネルを見つめた。