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9. 神
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戦士ブラハムとの戦いを終えて、ゾロとティオは本来の目的である遺跡を目指していた。
しかし、もちろん方向は遺跡と全く逆。
ティオの言う方向を、認知はしているが行動に移せないという不思議な現象。
「……ぞろ、こんど、ちょっぱーに、あたまのなか、みてもらうといい」
「はぁ?」
自分が方向音痴であることをせめて自覚して欲しい。
そうして、ひとつため息をついたところで……
「!」
覇気が何かとんでもないものを感知した。
「なんだ、どうした?」
ティオの体が震えたのに気づいて、ゾロが声をかける。
「めりーごう、てき、ひとり、あらわれた」
「それがどうした。船にはアホコックも乗ってる。何とかすんだろ」
すると、ティオは首を横に振った。
「さんじくん、やられた」
「……は?」
「いま、うそっぷも、やられ、た」
「なに!? ……おいちょっと待て! あと船にいる奴らはっ」
「(コクン)……なみちゃん、そらのきし、ぴえーる、それだけ」
「ヤベェじゃねぇか! あのじいさんも今は戦えねぇんだろ!?」
突然ゾロが走り出した。
「ぞろ、どこいく?」
「あ? 決まってんだろ、メリー号だ!」
「そっち、ぎゃく」
「なにっ」
キキキキーッと音をさせてゾロは止まり、反対を向いて走り出した。
「……おぉ」
初めて正しい方向で三歩以上まっすぐ進んでいる。
ティオは若干感動した。
……しかし、それも束の間。
50mほど行ったところでゾロは斜め右に曲がり始めた。
「ぞろ、まっすぐ、はしって」
「何言ってやがる! まっすぐ走ってんだろうが!」
「はしって、ないの……」
ため息しか出てこない。
「また、まがってる。もどって。ぎゃく」
「ンだようっせぇな!」
「……はぁ」
もうダメだ。
ティオは方向指示を諦めて、何とか別の方法でゾロに方向を伝えられないかと考えた。
……数分もすると、覇気がまた新たな情報を拾った。
「てき、いなくなった」
「あ?」
「めりーごう、いた、てき、きえた」
「倒したのか?」
「ちがう。べつのとこ、いどうした。いっしゅんで」
「人間か? それ」
「(コクン)…"こえ"は、にんげん……でも、よくわからない」
どんな輩か分からないのもそのはず。
ティオはまだ会ったことがないからだ。
メリー号に一瞬で現れ一瞬で消えたその男、
―――エネルに。
話しながら、ゾロはだんだん走る速度を落とし、やがて止まった。
「何にしても、敵はもういねぇんだな?」
「(コクン)……あ、ちがう。また、べつのてき、あらわれた。こんどは、ふたり」
「ンだよややこしいな!」
ゾロはまた走り出した。
……もちろん方向は違うのだけど。
「……ん? ここ、さっきも見たような……いや、見てないか」
「みた。とおった。4かいも」
「くそっ、全然着かねぇじゃねぇかメリー号に!」
「あたりまえ」
それからしばらく、ゾロはくねくねと曲がりながら、同じ場所を何回も走り回った。
「ぞろ、とまる。もういい」
「は?」
「てき、たおされた」
「誰に」
「なみちゃん、と、そらのきし」
それを聞くと、ゾロは徐々に速度を緩め、止まった。
「へぇ、意外とやるじゃねぇか」
「なみちゃんたち、もうだいじょぶ。いせきちょうさ、さいかい、しよ」
「そういやそうだったな。……んで、遺跡はどっちだ?」
「……それ、きく?」
「何だよその目は」
「べつに……いせきは、あっち、だけど」
ティオの右前足が遺跡の方向を指す。
「ふ~ん」
「……」
ゾロの進む方向に、ティオはもう一度ため息をついた。
「……もう、すきに、して」
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