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8. VSシャンディア
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ブラハムの閃光弾が数発光り、ゾロはそれをよけるものの、一発食らってしまった。
「……っ」
その様子を見ていたティオは思わず飛び出しそうになるのを何とか抑える。
(不覚っ……アホか俺は。ただでさえすばしっこい野郎が相手だってのに、足をやられた)
ゾロは荒い息で肩を上下させる。
「とにかく、あの光るピストルが何とかならねぇか? ……そうだ!」
何を思いついたのか、ゾロは敵前に堂々と姿を現した。
「御大層な武器を持ってるじゃねぇか」
「?」
ブラハムが目を向けると、そこにはゴーグルを装着したゾロ。
「お前のその光るピストル、俺にはもう効かねぇ! ……だ、だからもうやめとけ」
「……サングラスには見えねぇが?」
(なっ、バレた!)
ティオはさっき一瞬でも心配した自分が馬鹿らしく思えた。
心底呆れた顔で戦いを見守る。
「このフラッシュ
ブラハムは今一度銃を構え直した。
「大きなお世話だ。かすっただけさ。……それに、あのガキに妙な気遣いはいらねぇぜ? ナメてかかると痛い目見んぞ。……まぁ、その前にテメェは俺にやられて、アイツと戦うことすらできなくなるんだがな」
ゾロはゴーグルを外し、刀を構え直す。
「さてと? あの技を試すにはもってこいの状況だが、やってみるか」
「おらァッ」
"パンパンパンッ!"
ブラハムの連射をよけながら、ゾロは地上に降り立つ。
そして刀を一本だけ構えた。
「眼・耳・鼻・舌・身・意。人の六根に、好・悪・平」
「何を言っている」
「また各々に、浄と染。一世三十六煩悩」
「?」
「俺は今、お前に大砲の砲口を向けている。お前はピストル、俺は大砲。間合いも武器も俺が勝っている。お前はよくやったが、くたばれ」
「フン、大砲? 血迷ったか。どこにそんな武器がある」
ブラハムは再びミルキーダイヤルを使い、ゾロに迫った。
「飛ぶ斬撃を、見たことあるか?」
「笑い事だ!」
"パパパパパパンッ!"
「一刀流……三十六
"ズバンッ!!"
「なっ……」
―――勝負はついた。
「ぐぁ……っ」
"……ドサッ"
地面に倒れ込むブラハム。
刀を振り、収めるゾロ。
その様子を、見開いた目で遠くから見つめるティオ。
「……」
荒削りだが、技として成っている。
ついさっき思いつき、巨大な鳥にとりあえず試した技を、ここで急遽完成させるとは……
その成長スピードには目が回りそうだ。
船長のルフィだけではない。
個性の光るクルーたちは、着々とその個性に磨きをかけている。
これはとんでもない一味になる―――。
ティオの直感がそう告げた。
「痛み入るよ。別にお前に恨みはねぇが、消すと言われて消されるタマじゃねぇんだ、俺は」
戦いを終え、ゾロは転がっていた荷物を背負い直した。
すると……
"ボフッ"
「うおっ」
突然、頭の上に重みを感じた。
すでに慣れつつある重さだ。
「おつかれ、さま」
「……何だテメェか。どっから降ってきやがった」
「うえから」
「……ったく」
ゾロはまた、
→ 9. 神
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