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7. アッパーヤード
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「船底がこの状態じゃ、船を降ろすわけにもいかねぇ。とにかく船をなんとか直しとけ、チョッパー」
「え、俺!? ……わ、分かった!」
「直しとけって、アンタ何かする気?」
「どうにかして森へ入る。とりあえずここは拠点にしといたほうがいいだろう。きっとルフィたちが、俺たちを探しにここへ向かってる。よく言うだろ? 道に迷ったらそこを動くなって」
「アンタが一番動くな……」
2人が問答を繰り返す間に、ロビンは祭壇の石壁へと近づいていた。
「へぇ」
古代文字がびっしり書かれ、コケに覆われたその壁を撫でる。
それをチラっと見てから、チョッパーはゾロを見上げた。
「なぁゾロ、何とかして森の中に入るって言ってたけど、入ってどうするんだ?」
「この島には神がいるんだろ? ちょっと会ってくる」
「なっ、やめなさいったら! あんなワケの分からない連中に会ってどうすんのよ!」
「さぁな。そいつの態度次第だ」
「ゾロ、神様より偉そうだ……」
「神官だってこの島にいるのよ!? とにかく神は怒らせちゃいけないもんなの! 世の中の常識でしょ!」
叫ぶナミだが、ゾロは悪巧みするような笑みを向けた。
「悪いが俺は、神に祈ったことはねぇ」
チョッパーが目を輝かせる。
「うおおっ、ゾロカッコイイ~っ!」
ナミはため息をつくしかない。
「はぁ……」
「信じてもいねぇしな。だから、なんの義理もねえ」
「あぁ、神様。あたしはコイツとはなんの関わりもありません。バチ当てないで下さい、あたしだけ…」
……みんなが話している間、ティオはじっと森を見つめていた。
「……」
何を考えているのかは誰にも分からない。
さらに言えば、何が見えて、何が聞こえて、何を感じ取っているのかも分からない。
「あのツルが使えそうだな」
ゾロが樹に巻き付いたツルを指さした。
「ほんとね。いい考え。私も一緒に行っていいかしら、剣士さん?」
「あ? いいが、足手まといになんなよ?」
「え、ちょ、ちょっと、ロビンまでどこ行くの!?」
「ふふっ、これ見て?」
ロビンが振り返った先には、先程まじまじと見つめていた祭壇の石壁。
「この祭壇は作られてから、軽く千年は経過してるわ」
「「せ、千年!?」」
「こういう歴史あるものって、
瞬時にナミが反応した。
「あたしも行きまーす!」
「えぇっ!? あんなに怖がってたのに!?」
「歴史探索よ~ぉ」
(目がベリーだ……)
すると、船の中から小さな手がもう1つ挙がった。
「てぃお、も、いく」
「え?」
ティオはトコトコとゾロに近づくと、"ボンッ"と音をさせて
「……何してんだテメェ」
「のっけてって」
「何でいつも俺なんだよ」
「いちばん、ふぃっと、する」
「フィットだぁ?」
「ふふっ」
ロビンは2人のやりとりに微笑みつつ、能力でツルを降ろした。
「これでいいかしら?」
ゾロは「上等だ」と言ってツルを掴む。
そして……
「ん、ゴホン……」
「? 何やってんのアンタ」
ナミが不思議に思う中、咳払いして念入りに喉の調子を整えた。
続いて、勢い良く船縁を蹴る。
「あ~あぁ~~~~あ~ぁ~~~……」
鼬のティオを頭に乗せたまま、ターザンを真似た声を発しながら岸へと渡っていった。
ナミは頬をひくつかせる。
「……それは何。言う決まりなの?」
「よっ、と」
ゾロは岸にきれいに着地した。
同時に、手放したツルは船の方へ戻り、ロビンの手に渡る。
「ぞろ、ばか?」
「ぁあ? オメェも言えよ」
「やだ」
話している内に、ロビンが"無言で"岸へ渡ってくる。
"シュタッ……"
慣れた様子に、チョッパーが目を輝かせた。
「ロビンすげぇっ……」
さて、最後はナミの番だ。
「ろ、ロビンもあっさり……ち、ちょっと、高いかも……」
「50mくらいよ。落ちたら死ぬわ」
「そらさめ、たべに、くる」
「2人してそんな怖いこと言わないでよ!」
ナミはガクブルしながらも、意を決してツルをしっかり握る。
「えぇいもう! 行くわよ! 行けばいいんでしょ!!」
半ばヤケクソで船縁を蹴った。
「えいっ」
風を斬る音がして、ナミは順調に空中を移動していく。
しかしその先には……
「うわっ、はっ、速すぎっ! 止まれない!」
巨大な樹が目の前に立ち塞がっていた。
このまま行けば激突だ。
ナミは思わず目をつぶる。
"ぐにょん"
「ひぇっ!?」
何故か痛みではなく、柔らかい何かに受け止められた。
恐る恐る目を開ければ、ロビンが六本ほどに枝分かれさせて咲かせた手で、器用に受け止めてくれている。
「ふふっ、度胸あるじゃない?」
「ご迷惑おかけします……」
「いいえ?」
「あ~あぁ~…って言わねぇからだ」
「そういう問題か!!」
まぁともかく、全員無事に岸に渡れた。
「本当に大きな森」
「……」
ティオは人間の姿に戻り、ロビンの隣で一緒に木々を見上げる。
「チョッパー、船番頼むぞ?」
「よろしくね?」
「ね?」
「すぐ戻るから!」
みんなしてチョッパーに手を振った。
「おぅ! みんな、気をつけて行けよ! 無事に帰ってこいよ!!」